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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第二章
64/115

競技会六日目(午前の部その1)

 今日は太陽も忙しい。競技場と演習場でどっちの選手にも見ないといけないからだ。したがって、運営側に許可を取って、空を飛んで対応する事にした。というより、ある程度朝一で調整は終わらせていたので。試合ごとに調整を進めないといけないロングショットの方を重点的に見ることが昨日決まった。


「まぁ、どっちもちゃんとやるけど」


 頑張ればどうにでもできるのが太陽という男である。彼一人なら、概念干渉の裏技でワープも可能である。

 それは置いておいて、ロングショットの会場。彩と夏日が準備していた。


「決勝で会おう」

「うん」


 彩に青春マンガのクライマックス的なセリフを残して夏日は試合会場の上に立った。


『オン、ユア、マーク』


 機械音声が会場に響く。


『セット』


『―――――♪♪♪』


 試合がスタートした。夏日は赤、相手は白い的を狙って撃ち落とすことになっている。今回の夏日の魔法は障壁を形成する魔法そこに物理的な存在があるようにエネルギーを操る魔法である。これを使えば物体の間に魔法を発動させることで、切断できる。という事で、タイミングが合えば相手の的の軌道を妨害できるので一石二鳥の魔法だったりする。


 爆散するような派手さはないが、堅実に相手の邪魔をしつつ点は取った。


『――試合終了、勝者、伊月台高校!!』


✿  ✿  ✿


 順調に一勝を重ねた。その後、何試合か進み彩の番となった。


『オン、ユア、マーク』


 機械音声が会場に響く。


『セット』


『―――――♪♪♪』


 今度の彩の魔法は大量の爆弾を作り出す魔法。少し細工した霊子を空中に大量に散布してそれを一気に全方位への運動エネルギーへと変える。彩が狙っている的が触れた時に発動するので、的の中から爆散して残りのエネルギーで相手の的の軌道をずらせる魔法であった。

 大量に霊子を使うがその甲斐もあって対戦相手は急に変わる的の軌道に対応できず、思うように点が取れず、彩の前で敗北してしまった。


『――試合終了、勝者、伊月台高校』


✿  ✿  ✿


 その後、二人は順調に勝ち進み、午前最終戦、決勝戦となった。同じ高校同士なので大会側は二人を同率一位としてはどうかという声もかかったが二人が拒否してこのような形となった。


「よろしくね」

「うん、頑張ろう」


『オン、ユア、マーク』


 機械音声が会場に響く。


『セット』


『―――――♪♪♪』


 障壁による切断、爆散による破壊、どちらも相手の邪魔をしつつ着実に点を取るそんな戦い方は似通っている二人であった。発案者が一緒だから、似通うのも当たり前なのだが。

 しかし、似通っていても能力としては夏日の方が上だ。負けの色も見え始めたので、置いて行かれる前に切り札を使う事にする。


「“換装”」


 彩がそう呟くと、MAEが変形を開始した。明らかに格納できない大きさの変形を開始して最終的にはガトリング砲と変わらない大きさとなった。こっちは連射力を追求しまくったのか明らかに発射される霊子の量が急に増えた。威力は弱くなったように感じるが弾幕の密度でそれをカバーしている。

 しかし、夏日もそれを超えた速度で、障壁による切断を実行。

 結果――


『試合終了、勝者、月隠夏日』


 障壁による切断と的の空中停止の合わせ技で妨害力で夏日が勝った結果だった。


「ダメだったかー」

「最初からそっちだったら分かんなかったけどねー」


 彩のMAEはガトリング形態からライフル形態へと戻っていた。会場の驚きは置いていって二人はシュシュ控室に戻り、会場前で待ち構えていた取材陣を太陽が協力してすり抜けて抜けていった。

 そのまま宿泊所に戻って休むのであった。

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