競技会四日目(午前の部その2)
白い大男――、太陽は不審者を確認した。加えて、証拠も確保し、共犯がいる事の確認も取れているので目の前の男をぶちのめす事に特に問題が無くなった。
「お前は、誰だ?」
「強いて言うなら、警備員かな?」
「ちっ、ガキが、舐めやがって」
男は舌打ちしつつ相手の挙動を見逃さない様に半身で構えた。が、太陽の方が早かった。太陽は一歩で詰め寄り、片手で首を掴んで締め上げる。男は苦しそうにもがく。だが、この男も裏の世界を渡り歩いてきた強者。苦しむ姿を見せながらも落ち着いて、魔法を構築しようとする。
「ぐっう、がぁっ!」
それにたいしても太陽は当然のように対策を取る、相手の体内に霊子流し込む事で魔法発動直前にまで構築されていた霊子を吹き飛ばしたのだ。相手に霊子を流し込むだけなら誰だってできるが、しっかりと練り上げていった霊子を吹き飛ばすにはそれなりの密度にする為の操作力がいる。誰にだってできる訳ではないのだ。もちろん男にも難しい。
「応援に、き、……ま、した?」
「気絶させますね」
電撃が男の体内から発生し、一瞬の痙攣後、ぐったりとして動かなくなった。太陽は男を放り投げると、応援に来てくれた生徒に男が用意していた装置の説明をする。
「何かの電波を発生させている装置ですね。どこかに電波を発しているようですけど何をしているのやら」
「送信先があるなら、受信先は何処なんでしょうかね」
「狙いが、生徒達なら会場に何かあるのかもしれないですから大会委員に一回大規模捜査をしてもらうべきでは?」
「確認してもらってきます」
警察が到着したので証拠だけ渡して男を引き渡し、太陽は面倒は警察に任せて元の仕事へ戻る。
* * *
午後からは太陽の妹――、火凛、紅火、夏日の試合が始まる。
「兄いが、来ないね」
「まぁ、予定の時間は少し前、どうなるかは知れない」
「お、来た」
面倒を片付けた太陽の接近に気付いたの夏日だった。太陽は直ぐに試合前の最終調整に入ることになった。三人分のデータを測定用の装置と少しの裏技を使って正確に読み取り、それを試合用のMAEに反映させる。三人分の調整と言えど、気心知れた身内の調整。試合開始の一時間目にばっちり調整を済ませた。
試合最後の一時間を最終調整に当てることになり、太陽は妹達のストレッチなんかに付き合うことにした。




