競技会三日目(お昼の部)
太陽達が騒いでいる間。月川政宗は不機嫌そうに顔をしかめている。彼は今回の騒動を不快に思っていた。彼からしてみれば忙しい中で時間を取って趣味に没頭できる時間を取ったというのにどこぞの犯罪者が邪魔をしてきたのだ。
政宗は少し考え、私用のスマホを手に取る。私用と言っても、盗聴などをかなり警戒する為にチューンアップされた物だ。
連絡先は太陽だ。
「俺だ」
『承知しています』
「背後関係は分かっているか?」
『高レベルの魔導師を抱えている組織ですね。日本国内ではなさそうです』
「ちっ、時間がかかるか………」
『そうでもねぇっす。実行犯は特定したので泳がせている所です』
太陽の手は政宗の予想以上に早かった。表面上は既に解決していると言っていい。しかし、裏方が生きている以上、実行犯一人無くなった所で追加がやってくるだけである。
「今日までに裏を取れ。始末は任せる」
『承知致しました。では』
太陽は通話を切った。政宗にはその先は分からないが、太陽には彼の開発した新しい玩具も味方に付いている。事態が解決するまでそう時間はかからないだろう。
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太陽は程々に時間があるので面倒事をサッサと済ませる事にする。さっき特定した犯人の通話機器をパクって情報を抜き取り、気付かれない内に返す。
「ええと、輸入の方だったか」
調べた結果、実行犯は海外から来ていたが、日本の暴力団の一員であった。正確には海外の大型組織の下部組織が上から貸し出された人材を使ってこの騒動を起こしたとの事だった。
太陽は自室に戻って自前のノートパソコンを起動して、調べ物をしていく。
「新人戦の方が誤魔化しは効くか」
午後から新人戦が始まるが、今日くらいは騒ぎが起こってもしょうがないだろう。太陽は準備を整えて事態を解決する為に動くことにする。辰馬に連絡して、暫くは暗躍のお時間だ。




