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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第二章
52/115

競技会三日目(午前の部)

 三日目の朝。朝食を食べ、練習場で準備を整えて待ち構える。続々とやってくる選手たちに今日の練習メニューを伝える。明日から本格的に試合が始まってくるので。今日は軽めのメニューだ。

 可愛いマネージャーの朝華も頑張ったため、男子陣がやる気を出して体を壊さない程度に励む。ケアもしっかりね。

 正直、練習場に大きな変化はない。今日の一番の見どころは競技場で開催されるロングショットの決勝戦だろう。連覇のかかった巳森吹雪か、ダークホースの春日が勝つか、そもそも対決がなされるのかと、色々騒ぎになっている。


✿  ✿  ✿


 試合は順調に進んでいき、試合は下馬評を覆し、ダークホースの春日が決勝に上った。対戦相手はこれは下馬評通り、連覇のかかった吹雪。

 二人は射撃台に立ち、お互いに挨拶をする。


「本日はよろしくお願い致します」

「こちらこそ、よろしくお願い致します」


 春日が挨拶すると、吹雪はそれを返す。

 春日の金髪と吹雪の黒髪がそれぞれに逆の印象を与えるが、華やかな雰囲気には変わらない。

 互いに所持しているライフル型のMAEを構えて狙いを付ける。それ以上は環境音以外は二人の耳には入ってこない。張りつめた空気が会場全体に伝播していく。


『オン、ユア、マーク』


 皆が息をのみ、試合開始の合図を待つ。


『セット』


 観客は息を忘れ、手に力を籠める。


『~~~♪♪♪』


 ブザーの音と共に的が射出され、それと同時に破壊される。

 射出される総数は同じだが、一回ごとに射出される数は完全にランダムだ。

 会場は唖然としている。ルーキーが連覇のかかっている女帝とほぼ互角に張り合っている。しかも、相手と同じ様に的を破壊する。それは春日の狙撃が吹雪の狙撃の腕とほぼ互角だという事だ。


「スゴい。春日に此処まで迫る腕とは」

「逆じゃない?」

「そうか、普通は逆なのか」


 朝日からのツッコミに太陽は答えを訂正する。春日は太陽達のとっては近いが、大半の人間には馴染みはない。逆に吹雪は連覇のかかった有名な選手、実力を図る軸は吹雪が最適だろう。


「にしても、更に正確になって来たな」

「元々、早さはありましたよね」

「思い切りはよかったからな。見ない内に成長していって」


 太陽は芝居臭く涙を拭く。

 そんな二人の会話は置いていって、試合は進む。互いに破壊数は同数、一つのミスで決着がつくほどの接戦だ。

 おおよそ、的は四分の三は撃ち出された。すると、強い風がいきなり吹き付けて、的の軌道が大きく逸れる。逸れたのは春日の的であった。魔法はライフルの様に再装填は必要はないが、照準がズレればうまくいかなくなり、一つ打ち漏らした。これ幸いと吹雪は全ての的を破壊する。

 そこからは一切の迷いなく吹雪が逃げ切って試合は終わった。


✿  ✿  ✿


 春日は負けた事は残念そうであったが、少し清々しい表情になっていた。お互いに挨拶して射撃台から降りていくと、吹雪ののっていた台座は金具が外れた様に崩壊した。


「は?」


 驚いた様子の吹雪であったが、春日は気にする事なくそのまま自分の休憩室へ戻っていく。

 会場は突然崩壊したその場所を騒然とした様子で事態の対処を開始した。幸い、巻き込まれた人間はいなかったようで、瓦礫の撤去が主な任務ではあった。

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