日輪のお話
何処から来たのか、日輪が間に入ってきていた。
「日輪、……お茶飲むか?」
「飲む~」
そう言われると太陽もお茶の準備をする。彼の前にお茶を用意すると日輪は警戒せずに口を付ける。
「ええ~と、貴方は?」
「おお、自己紹介がまだだったな。俺は霜月高の月隠日輪だ、にちりんって書いて、ひりんって読むから宜しくな」
「よろしく」
「おう、よろしくな」
集まった友人たちはそれぞれ挨拶をする。
「それで、兄さん、話をしたんだよな」
「………」
「そんな顔してどうしたんだ?」
「昔は兄ちゃん、兄ちゃんと呼んでいたのに、いつの間にか大きくなって」
「ふっ、素敵なレディがいるのに無様を見せる訳にもいかんだろう」
「変態になってただけだったか」
「で、兄ちゃんの話の続きだったか」
「お、戻ったか………、まぁ、続きになるし話してみてくれ」
日輪はハイよーっと返事をして話をしだす。
✿ ✿ ✿
少年は森を出て街に続く街道に出てきた。そこでは大きな荷物を背負った行商人が三人の盗賊に襲われている所であった。
少年は襲われていた行商人を持っていた鉈で救出する。盗賊をたたんだ少年は行商人の方を向く、年頃は少年と同じ位の日に焼けた肌の少女だった。
少女は助けてくれた少年に興味を持って近づき、色々詰め寄っていく。少年はたじたじになりながらもそれに答える。少年は行商人の少女の護衛として、暫く彼女についていく事になった。
そこから少年は少女から色々話を聞いていく。足りない、一般常識の話を頭に入れるために聞いていく。
数日すると、街につき宿へと到着した。金の無駄だという事で、一緒に寝ることになった森で育ったこともあり、常識に疎い彼は問題はないと了承した。
少年は常識と生活の為に少女と共に行商の旅をすることに決めた。
暫く、少女と過ごして分かった事だが、人間には名前があるらしい。少女も人間なので当然名前がある。少女の名前はリード、普通の行商人の少女である。少年には名前がなかったので、少女とどうしようか考える。すると、リードは少年の命名権を欲した、特に意識することも無かったのでリードに渡した。
リードは嬉しそうに与えられた命名権を行使して、少年にカインと名前を付けた。意味は分からなかったけどカインは貰えた名前を嬉しそうにしていました。リードとカインの旅はここから始まったのでした。
✿ ✿ ✿
「こんな感じ」
話を聞き終わった太陽の友人たちは何とも納得のいかない感じの顔をしていた。
「何とういうか、モヤッとするな」
「前回の話を聞いてるともう一悶着ありそうな気がするけどね」
「さあね。俺の話は取りあえずここまで」
「名前はなんていうの?」
「俺のは【強欲の章】だな」
「つまり、日輪君は【強欲】の役割を持っているって事?」
「その通り~」
日輪は用意された紅茶を飲み干すと席を立って何処かへ出て行った。




