競技会二日目(午前の部)
太陽は朝華と日暮の荷物をフロントに預けて、二人に行きたい場所を尋ねると
「朝日姉達に会いたいです」
と、朝華に言われ、日暮の方は
「私は、クラスの友達と観戦するから」
「だから、制服着てたのか」
「じゃ、二人は行っといで~」
そう言われて、太陽と朝華は日暮に見送られて練習場へ向かう。
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白髪で目立つ二人の親子は生徒達が練習中の生徒達が集まる競技場に来ていた。
「辰馬さん!」
「やぁ、朝華ちゃん。大きくなったね」
朝華が辰馬に近づいていくと、彼が朝華の頭を撫でて迎えてやる。太陽が少しジェラシーを感じている部分もあるが、いたって平和な光景ではある。
「しかし、今日はどうしてここに?」
「応援に来たのー」
「そうか。じゃあ、関係者エリアに近づかない事とお父さん達の言う事をよく聞くんだよ」
「うん、わかってる」
「それなら、大丈夫だ」
辰馬が軽く注意すると、男くさいマネージャー陣営に瑞々しい蕾が加わった。
すると、休憩の時間になったのか朝日達が戻ってくる。月隠姉妹と心美は驚いてはいないようだったが、他の女子と男子陣営は驚いていた。一応、此処は関係者以外立ち入り禁止エリアではないので朝華も入れるが部外者が入ってきたのが驚いたのだろう。
「………太陽君、その子は?」
「俺の娘だ」
『『『『………は? はあああああああぁ!?!?』』』』
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朝華の紹介を選手たちが要求してきたので、太陽が彼女に自己紹介させる。
「パパ様の娘の月隠朝華です。そろそろ11歳です」
「………」
簡潔に朝華の自己紹介が終わると太陽は彼女の頭を撫でて労ってやる。無言で朝華と太陽の間で沢山の視線が行き来する。ただ、何となく朝華は太陽に大事にされてるんだという事が分かる。
「というより、休憩の時間は取っただろう、次の練習に行きな」
太陽はマネージャーとしての役割を全うして選手たちにそう呼びかける。選手たちは気になる事もあろうが渋々従って練習にもどっていく。そこからは朝華も加わって、タイムを取ったり、スポドリを作ったりをして選手たちに貢献してきた。
「何故に肩車?」
「いや、楽だし」
なにを当たり前のことをという感じでいう太陽。朝華はタイムを取るときは太陽の肩にのってストップウォッチを操っている。小学五年生は結構重いのだが、太陽は一切姿勢を崩さずに直立不動で立っている。
「まぁいっか」
辰馬は気にしない事にした、太陽はもうこういう存在なのだと納得する。




