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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第二章
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兄弟の再会

 太陽達が途中で休憩も挟みながら移動する事約三時間。会場である元自衛隊所有の演習場、新須田葉(あらすたば)競技場に到着した。


「んっ~~~」


 太陽は体を伸ばして強張った体の筋を解す。そのまま、事前に決めていた部屋割りに従って荷物を競技場内の宿泊施設の手荷物カートに同室の人間同士になるように分けて順に受け取っていって運んで行ってもらう。黒いマスコットも総動員して手早く運んでいく。


「はい、最後は俺らな」

「あいよ」


 最後は太陽と辰馬のコンビで手荷物カートに載せ終わると、トラックの荷台を閉めて、トラックは次の移動まで別の仕事に向かってもらう。


「今日はこの後、懇親会だよな」

「そうだね」

「お前は弟に遭うのは久しぶりだし、やっぱり楽しみ?」

「あったりまえよ」


 太陽はこの会場に来ているであろう彼の兄弟に会う事をとても楽しみにしている。その所為か多少機嫌がいいように見える。顔は見えないが何となく顔が嬉しそうに見える。


「しかし、俺も久しぶりだなお前の他の弟妹に遭うのも。娘なら時々あってるけど」

「成程~」

「中々仲良くなれないよな。心美は仲良くなってるんだが」

「美人は子供に懐かれないっていうけど」

「朝日には懐いてるな」

「おまえが怖いからじゃね」

「お前ら兄弟より、迫力は無いと思うんだが」


 辰馬は自分の顔をさすって自分の顔がどんなもんか確認する。


✿  ✿  ✿


 各校が懇親会用の大ホール前で待っていた、順番に大ホール内に入っていく為に各校指定の待機場所にて大ホール前に待機している。各校、選手とスタッフで大体20人前後、大ホール内に大体240人入る事になる。会場のスタッフとか来賓も数えると全体で300人は行くだろう。

 そんな伊月高の待機場所にて白いマスクを付けた高身長の男子生徒が目立っていた。そんな太陽は伊月高の夏服を着ていて上は紺色のポロシャツ、下は黒のスラックスで暗めの色なので白いマスクはよく目立った。目立っているのはそれだけでなく美人な生徒に囲まれているからだろう。朝日に夏日、紅火、火凛のジャンルは違うが美少女であることに変わりはない、むしろジャンルは違う沢山の美少女に囲まれている現状が他の男子には羨ましく映るのだろう。


「懇親会って何するんだろう?」

「話したり、食べたり、飲んだりですかね?」

「成程、食い物は持ち帰れないかな」

「やめなさい」

「喰うしかないか」


 太陽は食事に思いを馳せて会場が開くまでの時間を待つ。


「伊月台高校の一行様、お入りください!」

「皆、行きましょう」


 吹雪が先頭に立って全員会場に入っていく、もう四校くらい入っていて自由に交流していた、と言ってもみても一年生は戸惑っているようで基本的に交流があるのはそれ以上の上級生らへんだろう。

 一年坊は自分の学校内のコミュニティ内で飲み食いしながら話している。

 そんな中で他校のコミュニティに突進していく奴もいる、だれやろう、白いマスクの御仁――、太陽である。太陽は暫く料理を食べて堪能した後、すべての学校が入った後に見かけた顔に向かって進んでいく。

 太陽の目指す先には太陽と同じ位目立つ男子と女子がいた。180後半はある太陽の身長より高くて体格も良く、髪は綺麗で短く切り揃えられたブロンドヘアで、その顔も堀の深い整った外国人顔の男子生徒とブロンドのショートヘアーで綺麗な顔のトゲトゲした雰囲気の女子生徒の二人で不気味な太陽とは違って真っ当な意味で注目されていた。


日出(ひで)春日(はるひ)、お久しぶり」

「兄さん」「兄ちゃん」


 太陽の弟妹だった。マスクの所為でもあるが太陽にも朝日にも他の兄弟にも似ていない。ギリで日出と春日は兄妹に見えるだろう。


「久しぶり」

「会いたかったぞ」

「抱き着くな」


 太陽は日出と春日を抱き寄せて再会を喜ぶが日出と春日は迷惑そうに押し返すが太陽の怪力に負けて為す術なく抱き着かれている。


「にしても、兄さんはそのマスク着けたままなんだな」

「似合ってるだろう」

「顔が見えんよ」


 兄弟の間でも太陽の服装は問題になっている様だ。というより、身内の恥を問題にしない方が問題だろう。


日輪(ひりん)達は何処だ?」


 太陽がもう一人の兄弟の居場所を尋ねるが、二人は首を傾げて不思議そうにする。そんな太陽の後ろから別の男子生徒が肩を組んでくる。


「おひさー、太陽兄さん、日出兄さん」

「久しぶりー」

「おひさー、日輪」


 絡んで来たのは話題にしていた弟、日輪だった。真面目な性格の太陽や真面目そうな日出とは違いだいぶチャラそうな男だった。こっちは大分整った日本人系の顔だ。自分の黒髪を遊ばせて整えてその体は細身ではあるが鍛え上げらえている。


「なんか三人で集まるのは久しぶりだなー」

「お久しぶりー」

「照日もお久しぶりー」


 太陽に小柄な女子生徒が引っ付いてきた。プラチナブロンドのロングヘアとサファイアの碧眼を持ち、身長に対して一部分がよく育っている。育った胸部を太陽に抱き着くと同時に押し付けている。


「高校に行った兄妹たちは全員集まったかな?」

「そうだねー」

「皆、久しぶり」

「久しぶりの朝日姉だー」


 そう言って照日は朝日に抱き着いて朝日の胸部に顔を埋める。その表情は大分幸せそうだ。


「うーん、気持ちいい」

「それ好きだなー」

「太陽兄が朝日姉を持ってちゃうんだからー、あー、いいわー」

「朝日は痛くないの?」

「擦れるのがくすぐったいですけどね」


 朝日は照日を撫でてあやしてやる。春日はスッと太陽から離れて朝日の方に抱き着く。朝日は困ったような顔をしながらもそれを受け入れる。傍から見れば何とも華やかな光景である。

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