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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第一章 入学は誰でも一歩目
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驚愕の変身

「フ、フゴォッ!」


 太陽は首謀者だと確認したと同時に拳を叩き込む。敵には何もさせず、素早く無力化する。特に魔導師として強い能力を持っているのなら、何もさせないことがベスト。しかも、ここは図書館棟。貴重な品が多いこの建物内では損傷が軽微であることに越したことは無い。最初に銃や爆弾で吹っ飛ばしたのは入口付近だったからだ。中に入れば違うことに気を付けなければいけない。

 相手もそう思っているのか、銃の使用は避けている様だった。ナックルダスターやナイフの近接戦をメインにしている。しかし、先程の触れもせず近接戦闘を挑んだ奴等が弾き飛ばされた事から接近することを警戒している。


「くっ、化物めっ!」


 痺れを切らしたのか我慢ができなくなったのか、不審者の一人が突撃する。すると、今度ははじかれることはなったが、先に進めない。太陽の一メートル以内にナイフが入らないのだ。周りで見ていた不審者たちは顔を見合わせ全員で太陽に突っ込む。

 魔法で防御される場合、それを破るには発動者の能力を超える威力で攻撃するか、維持し続けられなくなるまで攻撃し続けるかのどちらかになる。

 今回、不審者たちは防御の性質から後者を選択したようだった。弾かれないのなら、持久力で勝負する方針になったのだろう。


「…………」


 全員が太陽の防御の周りを取り囲み、武器を押し込み始める。これでこの場にいる人間は太陽の周りに全員集まった。

 太陽は【黒帯】で集まってくれた不審者の首を掴み上げる。そのまま締め上げて全員を堕とす。気を失った不審者たちを縛り上げて端に寄せて置く。図書館棟の最奥にも不審者はいるが、これで図書館棟の制圧は終わりだろう。太陽は最奥の部屋である重要文献保管庫兼図書館棟内にある端末を制御するマザーコンピューターのある部屋に入る。そこにいる不審者は、マザーコンピューターから手持ちの端末に何かしらの情報を抜き取ろとしている。しかし、コンピューターのセキュリティにかなり手古摺っている様だ。その時に太陽が来たもんだからだいぶ不機嫌そうにしている。


「殺せっ!」


 拳銃を取り出して太陽に向けるが、その瞬間に腕が捻じ曲がって、拳銃ごと使えなくなる。絶叫と不気味な光景に室内にいた不審者は唖然とするが、太陽は電気の性質を持たせた【黒帯】を相手にぶつける事で感電と同じ状態を作って落とした。悲鳴を上げることなく全員がその場に蹲る。そのまま縛り上げて、マザーコンピューターに接続されていた端末を手に取る。

 端末が何処かとつながっているのでマザーコンピューターと接続を切って、端末を完全に破壊する。ウイルスプログラムを送り込んで接続側に大損害を与える事を忘れない。直ぐに対策は取られるだろうが、半分は嫌がらせだ。このウイルスも自分で作った物なので対応は簡単なはずである。

 簡単に後始末を済ませて不審者を一ヵ所に集めた後に、警備員や教師の介抱に回る。マスコットを使って怪我人を保健室にまで運び出す。不審者たちもマスコットに運び出して事態終結をインカムで報告する。


『月隠は不審者を第三グラウンドに集めておきなさい。それが終わったら校門前に待機している宝木から不審者を受け取ってそいつらもグラウンドに収納しなさい』

「了解」


 人使いの粗い人だと思いながら言われた通りに、不審者を移送しているマスコットたちに第三グラウンドまで運ばせる。太陽も人の事は言えない。


✿  ✿  ✿


 第三グラウンドまで来るが誰もいない。体育館の付近には風紀委員が警戒中である。少ない人員の中で動かなくてはいけない以上、動かすわけにも行かないのだろう。

 競りに出されたマグロの様に拘束して寝転しておく。【黒帯】で作った縄はゴリラであっても千切ることのできない頑丈な物なので、気が付いた不審者達は暴れはするが抜け出せなさそうだった。


「マグロの競りかな?」


 太陽はジョークのセンスの無さにあきれながら、頭を掻きながら、校門前に向かおうとする。が、リーダーの奴の様子がおかしいことに気付く。


「おい、大丈夫か?」


 肩をゆすったり、話し掛けて見たりするが反応はない。痙攣しながら、あり得ない方向にそれぞれに目を向けながら口から涎を垂らしている。他の不審者たちは暴れているのに、彼は痙攣し続けているだけだ。明らかに異様な様子。


「グッ、ウウ、ウアァ、ア…アア……ア…」


 段々様子がおかしくなってきた。痙攣が激しくなり、言語の意味も減ってきた、うめき声を上げ始める。明らかに普通の状態じゃない。周りの不審者たちもそれを察し始めたのか体を回転させて横になりながら移動する。太陽は自分の手に負えないと判断して離れる。

 次の瞬間、何かが目の前を通過する。反射的に危険な接近物を避けただけだ、確認すると凄まじく伸びた首が不審者に食らいついている。喰らついているのはリーダー、いや、リーダーだった者だ。首を切断しようと【黒帯】を加工して斬り付けるが、切断するには至らない上に直ぐに再生する。能力的に切断できなかったわけじゃない、位置取りが悪かったのだ。それに、彼は攻撃を察して避けた。死角からだというのに凄い察知能力だった。


「おお、抜け出した」


 元人間のリーダーはスポンと体を変形させて抜け出した、蛇のようにうねり仲間に喰らいつくリーダー。人間の動きでは無かった、更に体の変化が目に見えて現れる、体の肥大化に始まり、関節の増設に、各種体器官の増殖、極めつけはこちらを見た時に見える彼の瞳孔の形が変化し、十字に伸びる。十字に伸びた瞳孔の形はエネミーのもの、信じられない事だが人間がエネミーになったことになる。


「え、えええー」


 顔面も大きくなり、食事と同時に体内に死体を消化し始めている。消化能力と移動能力の強化が彼がエネミーになって獲得した能力らしい。

 蛇のように彼は仲間を捕食し始める。間に合わないと判断した不審者はそのまま捨て置いて無事な奴等を【黒帯】で覆って守ってやる。今は餌に夢中なようだが、これからどうなるか。

 インカムで冬華に状況を説明する。


「委員長。緊急事態です」

『何? テロリストが逃げ出した?』

「違います。人間がエネミーになりました」

『は?』


 驚くのも無理はないだろう。観測史上、人間がエネミーに変化した例は無い。エネミーへの変態する条件は解明されていないので、詳しい事は言えないが。彼は人類初のエネミーと言えるだろう。


「応援はいらないんで誰もこちらに近づけさせない様にして下さい。そっちに不審者、ああいや、テロリストを送るんで何とかしてください」

『分かった。そっちは任せるから、気を付けて』

「了解です」


 重要な事は伝え終わり、【黒帯】で閉じ込めたテロリストどもを第一体育館へと吹き飛ばす。

 太陽は凄まじい変身を遂げた、テロリストのリーダーとの対決を始める。

元リーダーの姿は人間の体をフナ虫の様にして、顔を巨大化させたような姿を想像してやって下さい。

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