表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第一章 入学は誰でも一歩目
18/115

巡回する風紀委員

 室船(ムロブネ)縁介(エンスケ)は風紀委員長に言われた通りに学校の敷地内の探索に向かった。一応、貸し出されたアーマーとプロテクターを付けている。流石に弾丸を防ぐ性能はないがナイフ位なら防げる。

 彼は第一体育館にて風紀委員長と先程、巡回を指示された人間たちと共に不審者とエネミーの迎撃に当たっていた。その際に防具を貸し出され、多少施設に被害を出しながらなんとか討伐した。一応、人的被害はなかった。

 なるべく迅速かつ丁寧に巡回を進めるために動く。本音を言えば彼はもう少し体育館の警護を続けたかったが、適材適所、彼は籠城戦よりも索敵や捕縛の方があっている為、指示された自分の仕事を全うする。


「…………異常なし」


 指定された区画を見回り、異常の有無を確認する。次は太陽の見回る区間に近い所だが、特に心配はない。むしろあそこに入ることになる不審者が気の毒に感じる。チラリと見ると、大きな蛸が元気に暴れている。


「あれなら大丈夫か」


 縁介は頼りになる後輩が入ったと思い、逃げたかもしれない不審者の捜索を再開するのだった。


✿  ✿  ✿


 栩木蓮司は学校敷地内の入り口とは反対側の侵入に手古摺る区画の巡回だ。彼は背後からの奇襲を得意としているので身を隠しながら校内を探索している。探索している区画は部活の農園やビニールハウスなんかが建てられている。それでも部室用の建物や掘っ立て小屋も所々に立っている。しかし、異常も騒ぎもない、不審者がこっちに流れてはいないようだった。


「やっぱ、目標にするなら図書館棟か研究資料を保存している所か?」


 蓮司はその方角を確認すると問題がなさそうであることを理解する。蛸足が大暴れしていると同時に、空を飛ぶのは眼球に蝙蝠の羽を取って付けたようなものが飛ぶ奇妙な光景。近づくのも憚れる。触らぬ神に祟りなし、あそこら辺は騒ぎの元凶に任せて自分の仕事を全うしに行く。


✿  ✿  ✿


 宝木(タカラギ)庸次(ヨウジ)は学校の敷地内の入り口付近を固めている。周りには死屍累々と言ったような武装した不審者が転がっている。不審車両も使用不能にされている。


「なるほど、逃走用で図書館棟が目標か」

「うっ……、そ、そうでぇすぅ…………がぁ、がっふぅ」


 庸次は尋問していた不審者が気絶すると、掴んでいた襟を放し開放する。不審車両の車種と不審者の装備から何人か人質を確保しつつ、図書館棟から奪い取った情報と共に何処かへ逃げる算段だったのだろう。爆発物もあるところを見ると、ただのテロ組織やチンピラ集団には荷が重いだろう。


(デカい組織が後ろにいるな。ここに入る気があって、後先考えねぇ集団と言ったら、反魔導師思想の奴等。と言っても、色々あるしな…………。分かんねぇ、それは警察の領分ここを納められたら後は他に任せるか)


 警備員は庸次が来るよりも先にやられていたので、ちゃんと介抱してやる。ふと、図書館棟の方を見ると蛸足と一つ目の怪物が暴れている。


「んだ、…………ありゃ」


✿  ✿  ✿


 敵の目標であると思われる図書館棟付近と内部では大量の人間が暴れていた。銃火器は勿論爆弾で攻撃を仕掛けている。

 外側でそれらを防ぐのは三種類の怪物。馬鹿でかい蛸の姿の怪物――、クラーケン。一メートルはある巨大な眼球に蝙蝠の様な二つの羽と一本の鳥足の着いた怪物――、モノアイ。二足歩行の身長が二メートルあるトカゲの怪物――、リザードマン。この三種の怪物が不審者たちの図書館棟の侵入を拒んでいる。


「な、何なんだ、この怪物達」

「勝てる訳ねぇだろ。銃弾も、爆発もきかねぇ。不死身の怪物だ」

「に、逃げろぉ! 殺されるぅ…………!」


 無様に逃げ出そうとするが不審者たちは何もできない。いつの間にか彼らの三倍はある戦力に囲まれている。


「囲まれてる…………」

「ヤケだ。もうヤケだ! ありったけの爆弾と銃弾をぶち込め!」


 うおおおおおぉ! っと奇声を上げて目の前の怪物たちを殺しに向かう。


✿  ✿  ✿


 図書館棟の中は中で地獄だった。ライフルの銃撃を浴びせようとも、爆弾を投げつけようとも、銃弾や爆風が白いマスクの不審者をどうにかすることは出来ていない。今は吹き抜けになっている図書館棟入り口で戦闘が行われていて、不審者も警備員も倒れている。


「近接で責めろ!」

『うおおおお!』


 四人組でナイフを持って白マスク――、太陽を仕留めようとするが。一メートル範囲に入った段階で全ての力の向きが反射される。


「いっ、いでぇぇ」

「う、うでぇがあぁ」

「ぐくぅ、…………ううう」

「…な、何が……起こったぁ?…………」


 太陽は図書館棟の警備をしていたんだろう警備員と魔法科教師を見つけると、触手で掴んで安全な所に避難させる。医療用のマスコットと保健室からくすねてきた包帯や薬品で応急処置を行う。

 魔法科の教師には実戦から降りたがまだ現役でも通用する猛者もいる。それが容易く倒されている。それ以上の猛者がこの図書館棟制圧に来ているという事。同じ魔導師、それもかなりの手練れ、現役バリバリの人間だろう。


「おい、援軍だ! 同志を端に避けて避難させろ!」

「はいっ!」


 下にいた侵入者が何人かが、同志の人間を端に避ける。太陽は図書館棟の入り口で暴れている。その騒ぎを聞きつけてきたのか援軍、占拠に動いてきた本隊が戻ってきたのだろう。


「あれか?」

「はいっ、お願いします!」


 少し強そうなやせ型な男が出てきた。身のこなし的には軍人に近いだろう。どう動くのかは分からないが、良い予感はしない。


「貴方が、リーダー、ですか?」

「いかにも」


 言葉少なに、開始の合図で太陽は図書館棟内の完全制圧に動く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ