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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第一章 入学は誰でも一歩目
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太陽のお話

 太陽は朝練を終えると朝食の準備をしながら、ニュースを確認する。


『民間企業【月川通信開発】が大規模衛星通信用システムの基幹システム【通信衛星・LEADER】の打ち上げを発表』『元八王子保健所が襲撃。過激な動物愛護団体の仕業か』『【国立社九栖(シャクス)敵性生物研究所】の原種猫のエネミーの研究をしていた実験施設からエネミーが脱走したが制圧部隊により民間地域への脱走を阻止』『九州南部を騒がせていた連続下着窃盗犯、遂に逮捕』『宮崎県北日隈(キタヒクマ)市で殺人。原因は痴情のもつれか』『大阪府或尾田(アルビダ)市で超高層ビルの建設が完了』『徳島県沿岸部の沖に新たに出現した離島の開発が発表された』


 太陽は朝食を配膳しつつ付けていたニュース番組に流れるニュースを見て溜息を吐く。明るい内容が少ない。


「それじゃ、いただきます」

「「「いただきます」」」


 今日の朝食はハムエッグにスクランブルエッグ、トーストにサラダの盛り合わせ。模範的な組み合わせだ。しっかりと味付けもしているので全員が満足そうに食べている。

 朝食を片付けると、用意されてたお弁当を受け取って学校へ行く。太陽も準備していた荷物を持って伊月高へ向かう。


✿  ✿  ✿


 伊月高で太陽は真面目に授業を受けていた、格好は真面目ではないがそれ以外の授業態度は概ね問題なしの優等生で授業を続けていた。

 授業を受けている生徒とは違い、先生たちは午前の時間は午後の授業の準備をしていた。


「安奈先生、次の授業はどんな課題を出しましょうか」

「そうですねー。個人的に術式処理に悩んでいる子が多い気がするんです。今日はそこの手助けができたらなって」

「五月からは並列処理のカリキュラムを組む予定ですし。そういう子がいると差が開いてしまいそうですよね。術式処理をスムーズにできるようにしましょう」

「分かりましたー」

「………生徒達の前でも相変わらずやってるのね。教師に成ったんだからもう少ししっかりしてほしんだけど」

「いやー、性分だからこればかりはどうしようもない」

「まったく…………」


 安奈先生ののんべんだらりとした態度を注意するが長い付き合いである真紀先生でも彼女の性格を矯正することは出来ないようだった。


「そういえば、あの白い生徒はどうなの? 入学前はかなり話題だったけど」

「んー、良い子だよ。別に問題を起こしてる訳じゃないけど、あの子がどうしたの?」

「いや、他の先生がねしつこいのよ」

「問題なら一組の方が起こしてるんじゃない?」

「まぁ、否定はできない。部活動勧誘週間もそうだけど入学直後の子もひと悶着起こしたし」

「ふふふ、内のクラスの子が納めたみたいだけどね」

「そういや、納めたんだっけあの白い子、名前は月隠、太陽だっけ?」


 話題は授業の内容から太陽へと移った。問題というか、話題を起こしている彼に注目が行くのは当然といえる。


「聞いたわよ。体力テストでは人間とは思えない数値を出して、その後の風紀委員の入会試験でも騒ぎを起こしたとか」

「そうだけど。あっちもこっちも絡まれただけじゃない」

「絡む人間が大物すぎたね。学校内でだけだけど」

「風紀委員長と生徒会長なんて反則よ。私はあの子を応援してあげたいのに」

「持ってる能力が特異過ぎね。魔法の無力化に加えて術式の読み取り、平均を遥かに超える高い身体能力。なに、軍の新開発した人間兵器?」

「そんな言い方ないでしょ、魔法能力は普通だったしおかしいのは服装だけよ」

「ごめんごめん、悪かったわ。言い過ぎだった」

「本当に、反省してるぅ?」

「反省してます」


 安奈先生と真紀先生は互いにじゃれ合いながら、今日の授業についての予定をまとめた。


✿  ✿  ✿


 太陽は午後の授業を問題なくこなす。HRが終わると何人かの生徒は自習の為に魔法の実習棟へ向かう。その中には今日は非番の太陽と付き添いの数人。もはやイツメンになっている理子、七海、純二、陽斗、辰馬たちで今日の課題の復習をする予定だ。主に復習が必要なのは理子と陽斗だ、それ以外は自習の時の教師役だ。


「じゃあ、やってみよう」

「「はーい」」


 辰馬が声を掛けると理子と陽斗は返事をして据え置きのMAEに霊子を注入して魔法を発動させるがどことなくぎこちなく移動の魔法が行使された。実習に使われる対象物の台車が勝手に動き始める。発動までの時間は先程の生徒達と比べて遅いものだった。


「………やっぱり変数処理は出来てるけど、自分以外の対象物に魔法をかけるのが苦手みたいだな」

「あははー、やっぱりそう思う?」

「自覚があるなら何より、復習を始めようか」


 辰馬が言うと何となく別の意味に聞こえる。太陽はそんな失礼な事を思いながら自習の手伝いをしてやる。と言っても、特にする事もない。気付いたことを補強してやるぐらいだ。二時間くらい練習するとそこでお開きになった。


「上達も呑み込みが早いな」

「いやー、照れるなぁ」

「まぁ、要領とやり方を掴めば慣れるのは早かったな」


 理子と陽斗は練習に付き合ってくれた太陽たちに礼を言うとお金だけ渡して太陽に買いに行ってもらった紙パックのジュースでのどを潤し、英気を回復させる。


「そういえば、太陽の兄妹って何人いるんだい?」


 休憩中に純二がそんな事を聞いてきた。半分興味本位の質問だろう。


「何だ、急に、朝日でも狙ってんのか?」

「い、いや、そんなんじゃないよ!? そりゃあ、朝日さんは綺麗だと思うし、付き合えたらいいとは思うけど」

「いや、狙うんだったら別に良いけど手強いぞ。最終的に俺が立ち塞がる」

「絶対に手に入らないな」

「朝日は結婚できないな」

「私が何です?」


 後ろから通りの良い声が聞こえてきた。気持ちの良い声の正体は噂をしていた人物ーー、朝日だった。太陽の妹の一人、日暮を連れている。その後ろには心泉もいる。


「んー、朝日の話、純二が知りたがってたみたいただから」

「まぁ」

「い、いや、違います!」

「そうなんですか?」

「た、太陽の兄妹が何人いるのか気になって聞いてみたんです。それだけです、それ以外はありません!」

「そ、そうですか」


 必死な純二の訴えに朝日は軽く引きながら納得する。原因は分かったのも一因だろう。


「で、結局の所、太陽君の兄妹は何人いるの?」

「ああ、俺の家には俺を含めて兄妹が七人、東北に三人、四国に四人。合計で俺を含めて十四人兄妹だな」

「お、おお、普通に多いのね」


 人が一人で産むには無理がある人数だ。酷い話だが、理子は全員に血は繋がっていない事を察した。他も大体似たような感じの顔になる。


「なんか兄妹の秘話とかあるか?」

「え? えー、普通に暮らしてただけだからな。最近、朝日がブラがきつくなっ!」


 太陽が言い終わる前に朝日の裏拳で遮られる。ジュースは飲んでなかったので吹き出したりはなかった。


「余計な事は秘話では無いです」

「けど、騒ぎになったのなんてこれくらいだしな」

「話せることならあるじゃないですか。地元の童話とか」

「童話ねぇ。······聞きたい?」


 高校生が今更童話の話に興味を出すとは思えないが、一応聞いてみる。


「まぁ、もう帰るだけだし。聞いてみたい」

「俺も興味あるな教えてくれないか?」

「あれやってくれよ、人形劇。分かりやすいし面白いし」

「私も聞きたい、聞かせて!」

「私にも聞かせて下さい」


 賛成が大多数。太陽は加えて外にいる気配の主たちにも聞いてみる。


「吾妻さん達はどう?」

「ふぇっ!! あっ、はい、興味あります!」

「聞かせてー」


 驚きのまま声と同時に姿を見せた琴乃とマイペースに話をねだる彩が室内に入り、太陽はお話の舞台を用意する。


「それでは、始まり始まりー」


 太陽はそう前置きすると話を始める。


✿  ✿  ✿


 昔々、ある村に一人の青年がいました、青年は飢饉による飢えに苦しむ村の為に兵として都に向かいました。青年の母は旅発つ息子の身を案じて護身用として一振りの鉈を渡しました。


 都で兵士になった青年は隣国との戦争で活躍し多くの手柄を上げました。彼は都の主から認められ、近衛の兵士として取り立てられました。そこから青年は可愛らしいお嫁さんを貰い、幸せを掴みました。もちろん、苦しむ自分の村への仕送りも忘れませんでした。


 幸せな生活を送っていた青年は都の主より、隣国に怪しい動きがあるとして偵察の任務を言い渡されました。それを受け、馬に乗って隣国付近にいると()()から矢が放たれました。青年は矢に気付きそれを咄嗟に払い落しました。何故かを考えると、矢を打った人物が姿を現しました。その姿を見て青年は愕然とします、自分の仲間の近衛の兵だったからです。所属の部隊は違いましたがその服装は近衛の兵の物です。

 青年は問います「何故だ」と、仲間だった兵は答えます「お前が邪魔になった」のだと、青年は驚愕と疑問が心を埋めます。しかし、迷う暇はありません。その場を何とか切り抜け、やり過ごし、都へ急いで戻ります。


 嫌な予感がして馬を急かしながら都へ急いで戻ります。都の壁が見えてくると門の横に何かが飾られているのが見えます。いやな予感がさらに加速し、馬を放り捨て飾られているもの確認しました。そこには自分と同じ部隊に所属していた人間の首と自分の主の首が飾られ、そしてその横には弄ばれた形跡ノアル妻の躯が横に転がっていました。

 ふと、青年は声を掛けられました。声の主は都の主の弟で、噂では主と仲が悪いという話を聞いていました。何が起こったのか分からない青年でしたが、主の弟は自慢げに話し始めました。主が邪魔であった事、青年が主の兵の中で一番強かったこと、青年が目障りで消えて欲しかったという事、青年の故郷への村の仕送りは自分が全て横領していたこと、その所為で村はとうの昔に滅んでいた事、青年の妻は最後まで青年に助けを求めていた事。そのすべてを自慢げに話してくれました。放心していた青年は背中から誰かに心臓を刺されました。段々と力が抜ける感覚を感じながら、青年は倒れました。最後に青年は激しい怒りを残し、この世を去りました。


 青年を倒した弟は声高に笑い声をあげて屋敷に戻ろうとしました。しかし、部下が後ろから危険を伝えます。危機一髪、凄まじい衝撃音が鳴り響き弟は庇われました。庇った部下は体が粉々になってます。それを起こした人物は青年です。しかし、いつもの青年とは違います。刺された跡は穴が空き空洞になっています。更に皮膚は黒く染まっていき、体も大きく肥大化していきます。もうその姿にはかつての青年の面影はありません。あるのは醜く変わった怪物です。


 怪物は力の限り暴れました。矢が飛んできたら振り払い、剣で斬られれば薙ぎ払い、掴みかかるものは踏み潰しました。怪物はかつて青年が持っていた鉈を手にしてそれを振り回します。防げるモノなど、いもしなければ、ありもしないので立ち向かった兵士は死んでしまいました。最後に残った弟は命乞いを始めます。醜く足掻き、自分は助かろうとします。それを怪物は鉈を横に振ることで、声を止めました。騒音が聞こえなくなった怪物は青年の妻の遺体だけを持って森へ向かい二度と都には戻りませんでした。


 怪物は森の泉の縁に妻を埋めました。怪物は妻の後を追おうとしましたが、追えませんでした。首を切っても物を食べなくても妻の後を追えません。怪物は森をさまよい始めます、何年、何十年あの日から幾年たったのか、怪物の中にはまだ怒りが灯っています。幸せを奪った者達に、守れなかった自分に向けての怒り、妻の近くにいる事の出来ないやるせなさからの怒り。悲嘆に暮れて怪物は森をさまよいます。


 ある日、妻の墓参りに向かうと怪物は妻の墓の前に何かが供えられてるのを見つけました。怪物は花しか供えられないので自分のではないのが分かる。怪物がお供え物を除いてみるとソレは赤ん坊であった。フワフワで小さく怪物が握れば潰れてしまいそうなくらい弱そうであった。怪物は赤子を育てる事にした。何故かはわからない、強いて言えば運命だと感じたからだ。


 怪物は赤子を育てた。それは勿論いい事だけでは無かった。苦労したことの方が多かったが。赤子は順調に成長していき、十年たてば立派な少年になりました。

 怪物は決めます。この子に自分を妻の元に送ってもらおう、と。彼は一つだけ方法を思いついていた。誰かに胸を突き刺して貰う事だ。穴は開いているがそこには確かに何かがある。そこをついてもらえば自分は妻の元に行ける。そう直感した、そうだとしか思えなかった。最後の希望のこの子に帰る事に決め育てた。


 赤子を拾ってから十五年。立派な少年に育ったこの子は育て親の怪物から命を託された。彼はその重さに戸惑った。自分に近くとても大切な命をもたらされて、彼は恐怖したそれと同時に親代わりの怪物から堪えようのない怒りを感じ取った。その怒りに感化されたのかは分からない。少年は怪物から鉈を受け取った。その鉈は黒く染まって赤黒い紋様が付いている。もはや青年の時にもらった鉈の面影はない。少年はそれを受け取り、覚悟を決めた。怪物の怒りを無念を受け取り、手に持ったそれを空洞の胸に差し込む。確かな手ごたえ。怪物の体がひび割れたかと思うと徐々に体が崩壊する。

 “ありがとう”怪物が最後にそう言ったように聞こえた。少年はいつの間にか出ていた涙を拭いた。親を失った悲しみはある。親は自分に命をくれた、ならばその命の限り生きようと決意する。


 少年は旅に出る。あてはない。着の身着のまま、気の向くままに何を目的にするわけでもなく旅に出た。親の怒り、無念、そして命。全てを背負って親とは違う生き方を探すことにする。


✿  ✿  ✿


「はい、おしまい」

「…………」

「…………」

「…………」


 重い空気が練習室を包む。童話とは思えない程に重い話だ。


「ちなみに第一話」

「まだ、あんのか………」

「うん、ちなみに童話の元になったそれらしき鉈もある」

「え、ええ」


 本気か冗談なのか分かりづらい太陽の話だったが一先ず彼らの幼少の時の思い出の一部を聞けた。


「題名はあるの?」

「んー、【罰の旅路】っていったけ?」

「それより、続きを聞かせてくれませんか?」


 琴乃が続きをお願いしてきた。彼女のどこかの琴線に触れたのかもしれない。


「無理」

「知らないの?」

「知ってる。けど、ルール上、俺は話せない」

「ルール?」

「そう。俺は【憤怒】だから、話せるのは最初の話、【憤怒の章】だけ」

「どういうこっちゃ?」

「つまり、太陽は【憤怒】っていう役職を持っていて、そのルールに従うと太陽がさっきの童話の中で話せるのは最初の章である【憤怒の章】ってわけかい?」

「その通り」


 純二は分かりにくかった太陽の発言を簡単にまとめる。


「それだと、ある意味運が良かったのかもな、第一話を最初に聞けたんだから」

「そうだな。俺は話せんからな、続きが聞きたいなら俺の弟に聞いてくれ」

「弟までいんのか」

「おう、俺は長男だ。因みに四国にいるのが次男で、東北が三男だ。次の話は三男に聞きな」


 太陽は長男であある事を話し、次の話し手を指す。


「なんか、その役職分けって意味あるの?」

「よ、蓬さん、失礼だよ」


 純二が焦ったように理子を窘める。他人の事情に突っ込む事もそうだが、こういう事情には魔法関連であることが多い。無用な好奇心で刺激するのはマナー違反である。


「ま、話は終わり。俺の能力については話せないが、こういう話位は兄妹たちも話してくれるさ」

「…………朝日や、そっちの妹さんは何か知らないの?」

「私は知らない」

「すごい今更だけど、君は誰?」

「んー? 名前は日暮、兄さんの妹の夜型人間です! ちなみに、胸はCカップ!」


 日暮の変なテンションな自己紹介を引き攣った苦笑いで受け止める。なんて反応していいのか分からないのだろう。


「ちなみに朝日はEカップ」

「ちょっと!」


 道連れと言わんばかりに日暮は朝日のサイズをばらす。太陽は巻き込まれるのを防ぐために我関せずといったようだった。それが悪かったのか日暮が変な暴走を始めた。


「ええと、右からE、B、E、C、Cだよね」

「えっ、な、何で」


 琴乃たちは自分の胸元を抑えるいつの間にか自分の情報がバレてることに頬を染める。因みに、右から琴乃、彩、七海、理子、心泉である。


「いやー、兄弟の中では私も小さい方だけどね一つ下の妹にもサイズ抜かれて、笑っちゃうよねー、あははは」

「えー」

「いやー、自分が付けたいとは思わないけど、サイズ的に圧巻だよね。手触りの良いクッションみたい。触ってみたら気持ちいっ、ヒヤッ!」


 朝日の圧巻のサイズの物を揉みしだいていたが、黒い手に鼻を摘ままれてそのまま引っ張られる。


「調子乗りすぎ」


 太陽はそう言って、日暮の暴走を中断させる。これ以上は見過ごせないようだった。


「色々、あったけど話の続きね。日暮は知らないっていうけど、朝日は知っているの?」


 理子はつつましい胸元を隠しながら、赤く染めながらも話をつづけた。


「え、えー、私は知ってますし、話せますけど、私の順番ではないんで、話はまた今度という事で」

「じゃあ、題名位話せないの?」

「いや、無理です。順番は順番、しっかり守りましょう。というよりは、私も話せないんですがね」

「話せない?」

「そうです。私たちの話は聞いた人にも話した人にも制約を課すんです。と言っても、特に生活に不自由はないです。口外の禁止と順番厳守の制約です」

「そんな事が可能なのかい?」


 純二が口を挟む。話の中で何処に興味を引いたのか話に加わってきた。


「ぼ、……俺は、実家が古式体系の魔法を受け継いでて、制約を課したりするのは俺たちの流派でもやってたりするんだけど、特定の行動に忌避感を与えること以上のことは出来ないはず」

「…………制約は一定のルールを課すことで、その行動範囲内での力を底上げる方法です。それは?」

「そこは理解してます」

「私たちの童話はこの制約に対してさらに制約を混ぜ込み、されにルールの強制力を上げます」

「なるほど」


 朝日の制約の原理の説明に純二は納得する。太陽がそこまで反応しないのはさして重要な事ではないからなのかもしれない。だけど、一つだけ忠告する。


「利用するなら、考えな。制約の過剰行使は寿命を縮めるぜ」

「…………まぁ、それは分かってるよ。気を付けて使うさ」

「そうかい。まぁ、安全に気を付けて使用しな。命あってこその探求だしね」


 太陽はお粗末な忠告を告げて後は純二の自己判断に任せるようだった。

 この後は本当にお開きにして全員が帰路につく。

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