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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第一章 入学は誰でも一歩目
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風紀委員の繁忙期

 太陽は風紀委員会室に一番乗りできていた。新入りだからと言うのもあるが、汚い部屋の掃除をしておきたいからだ。風紀委員会室に着くと自分の荷物を隅に起き、先ずは大テーブルの片付けから始める。仕分けに資料の整理、備品の整理、日報の片付け、提出資料の仕分けなどを進める。十分するとあらかた片付いた。すると先輩が入ってくる。


「はよございまーす」

「おはようございます」

「お、おお、お前か。びっくりした」


 入って来たのは入会試験をしてもらった蓮司先輩だ。太陽が先に来ていたことに驚いている。


「早めに来て、掃除か?」

「はい。こう汚されてると掃除したくなりましてね」

「そ、そうか」


 理由は納得した蓮司はどうしようか悩む。このままここにいても良いのだが、何もしないと良心が痛むし、手伝うと邪魔をしそうなので端に立っていることにする。

 太陽は蓮司が迷っている間も掃除を進め、床に乱雑に置かれていた備品を片付ける。備品の中にはMAEも入っており、コレについて学んでいる太陽としては扱いの悪さに少し悲しくなってしまう。

 それはさておき、床の整理が終わると掃き掃除に移り、箒を使って手早くキレイにゴミをまとめる。後はチリトリで回収してゴミ箱に入れる。それが終わったらモップを使って拭き掃除。最後に乾拭きをして仕上げは完璧。太陽が初めて入った時よりもキチンと整理されている。


「では、どうぞ」

「あ、ありがとう」


 太陽は電気ケトルで沸かしていたお湯からお茶を淹れる。すると続々と委員の人が入ってくる。


「おはようございま~す。おっ」

「おはようでーす。あっ」

「おはようございま~す。すげぇ」


 風紀委員会室の変わりように全員驚いている。太陽は入ってきた先輩に席を勧めてお茶を出していく。風紀委員が全員来ると太陽も自分の分のお茶を淹れて席に着く。最終的に太陽含めて二十人の委員が委員会室に入った。


「じゃあ、話し合いを始めようか」


 ニコリと笑い冬華が議題を話し始める。


✿  ✿  ✿


「今日から部活動勧誘週間が始まります。その前に風紀委員の穴埋めが完了したので先ずはその報告から。はい、自己紹介」


 冬華はそう言って太陽に自己紹介させる。それに従い太陽は自己紹介をする。


「一年のE5の月隠(ツキカクシ)太陽(タイヨウ)です。宜しくお願いします」


 新入委員は太陽だけだったようである。自己紹介の時間はこれで終わった。太陽のクラスから多少実力不足を感じたのか不満そうな顔をしているのかも何人か。しかし、入会試験を突破しないと入るか決められない事を分かっているのか不満は納めた。


「割り振りは先に決めて置きました。担当区域に従ってそこを巡回、問題があれば対処してください」

『了解!』


 取りあえず各人に担当区域割り振られ備品の棚から地図端末が配られる。これは生徒の通報を受けたりするとその場所を端末に示してくれる。通報の仕方は学生証にある通報ボタンを押せばできる。通常業務でもこの地図端末を持って巡回したりする。


「太陽君は少し待っておいてくれ」


 全員が委員会室から出て行くと太陽と冬華の二人だけになる。一通り機材と備品の説明をされる。加えて、風紀委員会の繁忙期である部活動勧誘週間の事を説明される。


「この学校には多くの部活動があるの。そしてその所為か新入生の勧誘が最初の頃は強引なモノだったの。部活動勧誘週間はね、それを防止する目的で作られたの」


 部活動勧誘週間の成り立ちと理由について話をされる。しかし、風紀委員会の繁忙期と聞いていただけにそれだけですまなかった。


「けど、あんま意味なくて新入生目的の部活の子達が欲しいのはどこも同じなんだけど、魔法関連の競技とか研究会の部活がね~、はしゃぎすぎちゃって」


 冬華は言いにくそうなことを話すように口をごもらせる。


「勧誘週間の時は魔法の使用が認められてるの」

「なるほど」


 冬華の一言である程度の事情は察した。


「デモ用に認められてるとはいえ、多感な年頃の人間がカッとなってってことはあるから。それを止めるためにも、風紀委員会は腕っぷしを求められることは多いんだけど、太陽君は大丈夫かな」

「はい」

「即答か。うん、頼もしいじゃない。それじゃ、はいコレ。頑張ってね」


 満足そうに頷くと冬華は太陽に腕章と地図端末を渡す。その後、駆け足で出て行く。


「それと、お茶、美味しかったよ」

「ありがとうございます」


 その後は太陽は茶を入れたビニールのコップを片付けて簡単に洗い物をすると指定された区画に向かう。風紀委員太陽の繁忙期が始まった。

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