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学生魔導士の騒動録~その力は誰のために~  作者: Dr.醤油煎餅
第一章 入学は誰でも一歩目
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魔法実習

 太陽は順調に午前の授業を受け終わると、昼食を食べて午後の授業に向かう。


「いざ、初授業」


 太陽は気合を入れて実習棟へ向かう。実習棟は校舎よりもはるかに大きくできていて、まだ建てられて直ぐな事もあり外装も内装も綺麗にできている。加えて頑丈にできている。ちょっとやそっとの衝撃なんかでは傷一つつかないだろう。加えて、建材には霊子を遮断する特殊な塗料が塗られている。


「すげぇな。レベルがたけぇ」

「国立だしな。これくらいは普通なんじゃないか?」

「俺もこんな場所で魔法の練習ができるとは」


 陽斗はワクワクした様子で興奮している。個人単位で魔法の練習をするとなると専用の施設まで行かないといけなくなる。そういう施設は国営の施設であり、使用料は少ないが施設が少ないのが現状である。


「ここが教室か」


 太陽は指定されている教室を見つけて入る。そこにはすでに何人か人が入っていた。大人しく教室内で待っていると、ジャージ姿の安奈先生や見慣れない女性教師が入って来た。


「五組の皆さんは始めまして。私は一組担任、柳川(ヤナギガワ)真紀(マキ)です」

「私は五組担任の盛波安奈です。よろしくね~」


 キッチリとした真紀先生とホンワリした安奈先生は対照的だ。太陽は一組にならなくて良かったと初めて感謝している。


「皆さんは魔法についての基礎的な知識は既に中学生で修得できていると思います。なので、さっそく魔法の発動の練習についてやっていきましょう。至らないと思った所は盛波先生と私が随時指摘していきます」

「頑張ろうね〜」


 真紀先生から厳しい視線を向けられていたが、最後の安奈先生の緩やかな掛け声が教室の空気を解してくれた。


✿  ✿  ✿


 太陽たちは魔法の実習を始めていた。今回は実力を見たりするような、オリエンテーション的な側面が強く成績つけるのはまた今度からという事になった。実習内容はゴム製のボールを手を触れずに投げて、マトに当てるというもので、据え置き型のMAEを操作してそこから術式を取り込んでいる。取り込んだ術式を精神内の処理領域に送り込み、魔法としてアドラへ投射。魔法が発動され、ゴムボールが的に当たる。一応、中心に行くほど的に書かれている得点の表示は高い、生徒を競わせ効率的に能力を伸ばさせるなら一般的な手法だろう。


「うーん、上手く当たらない」


 陽斗は悩んでいた。彼のボールは直線状に行くものの真っすぐには飛ばず少しずれた状態で飛ぶため得点が思うように入らずに悩んでいた。


「どったの?」


 太陽は待ち時間の間で分かりやすく悩んでいる様子だったハルトの悩み事を聞いてみる。陽斗が悩みを話すと、近くにいた辰馬も純二も一緒に考えてくれた。


「ボールが真っすぐ飛ばないから悩んでいると」

「ああ、そうだ」

「これはイメージの問題があるからかもね」

「イメージか、考えた事もなかったな」

「魔法もイメージによってだいぶ内容が変わってくるよ。今回の移動魔法だと、陽斗は多分弾丸を飛ばすようなイメージでやってるんじゃない?」

「言われてみれば」

「今は戦闘するわけでもないんだし、人が手にもって運んでいくような感じで術式を処理すると良い。スピードはそんなにいらないし、コントロールに力を入れてあげな」

「分かったやってみる」


 太陽から改善点を言われると陽斗は素直に頷く。少し待って、順番になると魔法を発動する。そうするとさっきまでよりもスピードはないが正確に的の方へ向かい丁度中心の最高得点に当たる。


「よしっ!」

「おめでとう」


 太陽は軽く手を叩いて褒める。陽斗は少し恥ずかしそうにしながら後ろに順番を譲る。

 そんなこんなで授業は進んだ。最高得点は朝日と心泉、太陽たちだったがそれ以外は一組が上位を独占していた。


「それじゃあ、今日はここまでで~す。明日からは本格的な指導・勉強が始まるのでがんばりましょ~う」

「では、解散」


 安奈先生と真紀先生の解散の言葉が告げられると全員は室内から出て行く、太陽も流れに乗って教室に戻る。帰りのHRを行うと生徒は下校を始める。太陽は風紀委員会室に向かう。それ以外の生徒は部活に入るために外に出て興味のある部活を調べ始めることになる。興味のない生徒はそのまま直帰することになるだろう。

 この後は風紀委員にとっては辛い時間と日々の始まりとなる。

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