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まだ未完、だから夢中に迷妄中  作者: メイズ
第3章 外界溶解は異界への開口 ~永劫回帰
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Get over me if you can!〈イブキ〉

 僕の自慢のお姉ちゃん、その名は向岸(こうぎし)ヤシロ。


 川の向こう岸はもうあちらの世界。そこの(やしろ)


 強い力の神様は皆、川向こうに祀られてるでしょ?

 それにあやかって神様に護って頂けるよう両親がつけた名前。


 僕は弟のイブキ。中2だ。


 僕の名前は祝詞(のりと)大祓詞(おおはらえのことば)に出てくる神様伊吹戸主(いぶきどぬし)という神様にあやかっている。

 これも両親のセンスで。僕は特に不満はないけれど。



 僕は小さい頃から、明るく元気で優しくて、それでいて、ちょっとガサツなヤシロが大好きだった。


 だって、ヤシロといるとすっごく楽しい。


 第一、僕と気が合う。ヤシロといるだけで気分が明るくなる。

 ヤシロにはそんなポジティブなオーラがあるんだ。


 ヤシロは僕の下らない話だって、いつだってちゃんと聞いて返事してくれるし、僕の頼み事だってできる限りは聞いてくれる。


 時に邪魔にされて乱暴に扱われることもあるけど、それはそれで僕をさらにヤシロにすがりつかせることになってんだ。


 冷たくされたって邪魔にされたって僕はヤシロの後を追っていた。


 それは今もかわらない。 



 最近のヤシロはさらにきれいになってきてる。

 僕はヤシロよりも素敵な女の子なんて見たことないよ。


 優しくて、可愛くて、お喋りで楽しいし、スタイルだって抜群だし(これは密かに気を使い努力してる模様だ)とにかく ヤシロは僕にとってパーフェクトな "お姉さん" なんだ。


 クラスの女子なんて全く目には入らない。


 悪いけど、女子、僕にコクらないで貰えるかな?

 断るのも気を使うし、煩わしいんだよね。噂も一周するし。



 友だちからだってヤシロのこと羨ましがられる。


 噂を聞いてヤシロ目当てに俺んちに遊びに来たがる奴も数人いる。

 もち、そういう見え見えなのはその場で却下してるけどね。 


 羨ましいだろ?


 ヤシロは正真正銘、僕のお姉ちゃんなんだ。


 ・・・・・僕の。


 ちくぢょう! 羨ましいのは僕の方さ!



 僕、なんでヤシロと姉弟なんかで生まれて来ちまったんだよ?


 流石に小学生だってこの日本の法律は知っている。


 神様、酷くね?


 よりにもよってこの世で一番素敵な女の子を僕のお姉ちゃんにするなんて!


 こればっかりはどうもしようもない運命だ。


 俺は小6の時、密かにこの現実に打ちのめされた。



 そして悟った。



 僕はこうなったらヤシロの弟という特権をフル活用するしかない。


 僕はこの身分を使ってヤシロと戯れる。


 それだけでも、うん、いいさ。


 彼氏だったら破局すればそれでサヨナラだけど、弟ならそんなことにはならないし、ケンカしたっていつの間にか元通りだ。

 幸いな事にヤシロはモテているにも関わらず、彼氏を作る気は無いみたいだった。


 だから僕はヤシロを独り占めしていられたし、今まで満足していたのに!


 それなのに、それなのに今日、予告さえなく『聞いて、聞いてよっ! あたし、彼氏が出来たの!』とヤシロから宣告された!


 ヤシロは、リビングにいた母さんと俺に照れ隠しを兼ねたハイテンションで語り始めた。


 『あたしついに運命の王子様を見つけたよ!それって超素敵な優しい人!』と叫んだ後は、その彼は絵がガチ天才だの、あの付梨神社の一人息子だのってごちゃごちゃと!


 僕の受けたショックは半端なかった。

 大好物の夕食のカツカレーの味さえ覚えてはいないくらいに。


 だけど、母さんと夕方帰ってきた父さんは大喜びだ。


 だって二人は神社仏閣フェチなんだから。

 僕たち子ども二人の名前の由来を知ればわかるでしょ?



 僕はヤシロに、そのヤシロが言う所の『それって超素敵な優しい人!』っていう(やから)の写真を見せて貰った。



 うん、確かに優しそうなふにゃんとした顔だね。


 ああ、確かにこの髪型は、しゃれてて素敵だね。



 『ねぇ、ヤシロ。お母さん賽ノ宮(さいのみや)くんに会いたいわぁー。今度、うちに連れて来なさいよ。付梨神社のお話聞きたいわぁー。もし、もしもよ? うちと親戚になったら一般公開されていない裏側に隠された秘宝なんかも見せて貰えたりしちゃったりなんかして・・・』


 なんてさ、父さんと母さんは俗気を覗かせてる。あっちは神聖な神社だってのに。


 ったくさ、彼氏本人見てもいないのに良くもそんな親戚だの何だの先走ったこと言えるよな?



 僕はそう簡単には認めないぞ。そいつのこと。


 賽ノ宮(さいのみや)ロウド!



 来るなら来い!


 ヤシロと付き合いたいのなら僕を越えて行け!



 僕は対決コンテンツを考えスマホにメモる。



 そうだな・・・まずは、話がつまらない退屈な男じゃダメだ・・・・・ヤシロを楽しませられるボキャブラ持ってるか、僕とコネタ勝負。

 どっちの方が面白いかヤシロに公平に判定してもらう。


 次、頭の回転だって良くないとね。質問力、思考力は、ウミガメのスープで試す。

 ・・・・・難問を用意、っと。


 それから・・・瞬発力がないとヤシロをとっさの時に危険から護れないだろ。俊敏さも必要だ。それはこのスマホパネルタッチゲームで試す。

 僕より点数低かったら彼氏承認は不可だ。


 体力、持久力も重要だ。それに泳げなかったらヤシロが溺れた時に助けられないだろ?

 プールで遠泳対決とか? 僕、自由形得意だし。


 やっぱ、基本的に知識って大切だよな? 暗記力大事。この雑学クイズ、特級は無理だとしても上級レベルはクリアしてもらわないと僕としては尊敬できないな。


 えっと、他にもこれも・・・えっとあれも・・・・・





                        おしまい!





最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました!


また、どこかで・・・・・         


                              メイズ



(一応、この続きはあるのですが、なろうでは好まれる物語ではないです・・・気が向いたらよろしくお願いいたします。)



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