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まだ未完、だから夢中に迷妄中  作者: メイズ
第3章 外界溶解は異界への開口 ~永劫回帰
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プリンで乾杯!~艶聞承知〈ヤシロ〉

今夜は3話一気に最終回まで行きます d(`・∀・)b



 周りの景色は溶けて再び暗闇に包まれたあたしとロードくん。



 ロードくんと抱き合って口づけをかわしているあたし。


 これはあたしが望んだから。


 ロードくんだから。



 二人で元の世界に戻りたい。


 あたしとロードくんはこれから始まるの。

 


 あれ?


 なんだか明るいわ。まぶたの裏側が明るいの。



 《まだだめ・・・まだやめないで、蔵人様・・・》



 蔵人様じゃないよ、ロードくんよ!



 《あたしたち、やっと・・・》



 あたしはロードくんの首に腕を回す。


 きゃー! あたし何でこんなに積極的になってんのよ?


 自分のしてることに自分でたじろいでる。


 ロードくんもあたしを離そうとしないよ。


 あたしは戸惑い気味。



 騒がしいわね。なあに?


 遠くから響く声。


 ふうらちゃんの声? それと、業村くん?


 珍しいわね。ふうらちゃんが慌てて大声を出すなんて初めて聞いたわ。



「君の(こころざし)はたいへん立派だと認めるが・・・おっおい!だっ、だっ・・・見ちゃだめだ〰️〰️〰️!」


「うっせーな、泉さん・・・えっ?・・・・・ぎゃ〰️〰️〰️〰️〰️!!」




 あたしは、いまだにどこか夢うつつ。


 それでも大声につられて目を開けて声の方を見た。



 教室の戸の窓越しに、業村くんが目を見開いて驚いてる顔が見えた・・・・・



 えっ?



 あたしはまわりをキョロキョロ。



 はゃっ?



 ベランダの窓の向こう側からはリアが・・・顔を覆った指の隙間からあたしたちを見てる・・・・・




 きゃー! これって!!




 戻れた!


 ここはあたしのクラス


 あたしとロードくんは元の教室へと戻れたよ!!


 あたし、ちゃんと生きてる!


 見慣れた教室


 見慣れたクラスメイト


 いつもの机や椅子に黒板


 当たり前の景色がこんなにもいとおしいよ。




「きゃっはー!! やったぁー! ロードくん、あたしたち戻れたよっ!」




 ーーーだからって、無事戻ってこれた実感を味わう暇はなかったの。



 それからは大混乱よ!!



 ロードくんは慌ててせっかくあたしを描いた黒板を消してしまうし。



 あたしはまだじっくり見てなかったのよ? 写真にも撮ってなかったっていうのに! ひどっ!



 業村くんからはどういうことだと責められるし。



 どういうことだって言われても、見た通りよ。



 あたしは業村くんに、あたしの彼氏はロードくんだって宣言した。


 あたしは業村くんの彼女の振りをする必要なんてもうないよ。


 だって、あたしの王子様はロードくんだけなのって、誰にでもはっきり言えるもん。


 仮に、今日、あたしの3股の噂が流れたとしても、あたしと業村くんと大高くんが否定すればいいだけのことよ。


 既読スルーしたのはちょっと悪かったかもしれないけど、業村くんのメッセージの内容がおかしかったからしょうがないよ。


 あたしと業村くんの間にはなんも始まんないから。




 朝はちょっとした騒ぎになったけど、永井っちが来てHRが始まって収まった。



 業村くんもさすがにあたしとロードくんが教室で抱き合ってたなんてことまでは先生には言わないよ。


 生徒間の恋愛事情まで先生にいちいち話してたりしたら、永井っちから更に信頼されたって、クラスメイトからは信頼ゼロになって、もう誰も業村くんとは口をきかなくなるのはわかりきってる。



 でも、クラスのみんなの間では別。


 あたしとロードくんの噂は朝の内にあっという間に全員に行き渡った。



 そのためロードくんは、一日中誰か彼やに冷やかされ、あたしは結構女子からは祝福の言葉をいただいた。



 気になる牧野さんの反応は・・・全くあたしたちには興味無しだった。


 彼女の行動はいつも通り。一人忙しそうにしてるだけ。


 ねえ? あたしにロードくんのことあれやこれや聞いてきたのはなんだったのよ?


 さすがに、蒸し返して牧野さんに聞いたりはしないけど。



 昼食の時間にはふうらちゃんからプリンを贈呈された。


 あたしとロードくんのお祝いプリンだそうだ。


 あ、ロードくんとリアにも。なぜか牧野のばらさんにも渡していた。


 



 お弁当の後は早速デザートタイム!


 リアとふうらちゃんと3人でプリンで乾杯よ!


 『両思いおめでとう、よかったね! でも、結構あんたたちもどかしかったけど』 とリアに言われちゃった。



 ああーん、今まで食べたプリンの中で一番おいしい!



 リアは、『あの出来の悪い弟子がよくやった・・・私の指導が優れていたおかげね、うんうん』だのよく解らない独り言をいいながらプリンを味わっていた。



 ふうらちゃんの表情は平常に見えるけれど、あたしから見たらご機嫌なのは一目瞭然よ。


 『当然、ボクの勝ちだったな・・・ふっ』 そう呟きながらプリンの蓋を開けた時、ふうらちゃんの口の右端がクッと上がったのをあたしは見逃してはいなかったのよ。

 勝ちって? 何に勝ったのかしら?




 その日1日あたしとロードくんの噂でもちきりだったのは仕方がないことね。えへへ



 あたしは全然構わないわ。


 ロードくんとならば。




 その日の夜、気がついたらあたしのケータイにリアから届いていた一枚の写真。



 なんと! リアが写真に撮っておいてくれてたの。


 ロードくんが慌てて消してしまった、あのあたしを描いた黒板アート!



 もう、幻かと思ってた。二度と見られないんだって諦めてた。



 うそみたい・・・ありがとう、リア・・・



 これはあたしの一生の宝物


 どんな金銀財宝だって敵わないほどの。


 じわっと涙がにじんだ。




『この絵の中には秘密があってね、ロードくんからヤシロへの素敵な呪文が隠されているのよ、探してみて!』


 

 一言添えられて。









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