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まだ未完、だから夢中に迷妄中  作者: メイズ
第2章 忙中、某女子は密謀し謀略を防止する
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のばらについて、ボクの見解〈ふうら〉

 ボクは我慢ならない。


 あの事情通女子宇和島(うわじま)さんと深利(ふかり)さんたちがボクの前で反っくり返るのを見上げるなんて。


 だからボクは絶対にこのプリンの賭けに勝つ。


 そのためにはリアとのばらの協力が不可欠。


 ボクはリアに賽ノ宮(さいのみや)くんを月曜日までになんとかするように依頼した。


 あの、控え目過ぎる性格では業村くんのような押しの強い人からはいいように扱われてしまう。


 彼はもっと自己主張すべきだ。その能力は誰にでもあるのだから。


 ヤシロだって賽ノ宮(さいのみや)くんのことはやぶさかではないっていうのに残念ながら彼にはヤシロの気持ちに応えられる気概が不足している。



 ここはリアに時間内で出来る限りの喝を入れてもらう。



 そしてのばらには鈍感なヤシロが自分の気持ちに気づくようにヤシロを刺激してもらう。


 強力なライバルが登場すればヤシロも覚醒して自分の気持ちを悟ったりするんじゃないか?


 のばらにはヤシロ宛てに賽ノ宮(さいのみや)くんについて適当に尋ねるメッセージを送るように依頼する。


 ヤシロがのばらが賽ノ宮(さいのみや)くんに興味があると勘違いしてくれれば大成功。ちょっと(いぶ)かしんでくれるだけでも成功。


 まあ、こんな賽ノ宮(さいのみや)くんとのばらなんて組み合わせは実際100%越えてあり得ないのだが、これを頼めるのはのばら以外ボクの回りにはいないからしかたない。


 スマホでちょっとメッセージを送るだけだし、ほとんど労力は使わないし、これくらいならのばらも引き受けてくれるだろう。



 それにのばらにならこんなこと朝飯前だろう。だってメッセージを大量に送り付けるのは、ここんとこのばらの日課だったみたいだし。




 のばらはこの3月の春休み前に3年のイケメン、甲斐雅秋にコクられたそうだ。

 のばらは派手な美人で目立っていたからその評判を聞き付けたらしい。


 しかしながら、彼らは実際話してみると大変相性がすこぶる最悪だったという。


 互いに、する事成すこと言うことすべて気に触り、次第にティラノサウルスvs.トリケラトプスみたいな対決になったという。


 きっとボクが思うにのばらと業村くんみたいな相性だったんろう。

 

 この二人が近寄ればお互いが発する呪いの念で空間が歪んで見えるし。


 なんたる暗黒エナジー源なんだろう。



 このことで、外見だけで人を判断すべきでないとボクは改めて学んだ。


 だが、コクられてたった数日で別れるのは、のばらのプライドが許さなかったという。


 それに、イケメンと評判の甲斐雅秋と付き合っているということにしておくと気分がいいし、なにかと都合がいいそうだ。


 だからのばらは表面上だけはまだ甲斐雅秋と付き合っていることにしておきたいらしいが、あちらは早くすっきりさせたいと思っているという。


 そして4月早々、甲斐雅秋は入学して来た1年のミアさんという女の子に夢中になってしまったそうだがその彼女には全く相手にされていないという。


 のばらは甲斐雅秋のこの行動に更にプライドを傷つけられたからと、まだ完全な解消は許さないと言っている。


 黙っていたら自然消滅の形にされてしまうと言って、のばらはこの軽薄な男子にお仕置きのため、大量の抗議文を毎日送り付けていると言っていた。


 ボクは昨日それを知った。


 ・・・ご苦労様だな。



 結局、ボクの見解ではこうだ。



 のばらはなんだかんだ言ってはいたが、単に我が校No.1と言われてる一番人気の甲斐雅秋が彼氏だと外部に見せておく事は、のばらのプライドを大変充足させるのだろう。


 その甲斐雅秋が1年のミアという女子にうつつをぬかし始めたことが気に入らないがため、彼に対し更なるサイバー攻撃を継続していると思われる。


 その男子を好きでも何でもないくせに。

 いや・・・はっきりいって嫌っているくせに。


 いやはや・・・のばらは結構暇人だな。


 その労力をちょっとこちらに分けてもらう。


 甲斐雅秋って人もその分、のばらからのサイバー攻撃が減って助かるんじゃないか?


 のばらもそろそろ時期生徒会長、雪村煌に乗り換えるみたいだし、甲斐雅秋という先輩もあと少しの辛抱だろう。


 お疲れ~。


 もうすぐイバラの呪いが解ける。




 ボクは3時限目のコミ英Ⅱが終わった直後、同じ教室内にいるにもかかわらず自分の席からのばらにメッセージを送った。



『悪いけど、内密で頼みがある』


のばらは自分の席からこちらを見てからまたスマホに目線を下ろした。


『なあに?私忙しいのよ。でもいいわよ?特別に。ふうらには借りがあるから』


『たいした事じゃない。ヤシロから賽ノ宮(さいのみや)くんの情報を適宜聞き出して欲しい。ただそれだけだ』


『なーに?それ。本人に聞けばいいじゃない。そこにいるんだから。ほら、窓際でボケっと突っ立ってるじゃない。暇人ね』


『いや、ヤシロ視点の賽ノ宮(さいのみや)くんの評価が知りたいんだ。ボクがヤシロから聞き出すのとはまた別のアプローチからの見解も知りたいんだ』


『・・・どういうこと?その心は?』



 のばらを当て馬にしようとしてるなんてバレたら、のばらは機嫌を損ねる。



『ある事情からボクはヤシロと賽ノ宮(さいのみや)くんのキューピッドにならざるを得なくなった。情報が要る。協力してくれ。それにこれが上手くいけばヤシロを彼女にしたがっている業村くんにも一矢報いることになる』


『・・・聞くだけでいいのね?今日は休みよね。向岸(こうぎし)さん』


『もちろん直接じゃなくていい』


『了。じゃ、これで貸し借りなしよ』


『もともとそんなものは存在しない。では今日の放課後には完了させてくれ』



 やれやれ。上手く行ったようだ。


 これで準備は整った。



 後は夜、ボクはヤシロに電話して・・・・・と。






 

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