表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まだ未完、だから夢中に迷妄中  作者: メイズ
第2章 忙中、某女子は密謀し謀略を防止する
35/78

ボクの考察では〈ふうら〉

 ああ、ここんとこ雑用が多くて落ち着かないな。


 あっちもこっちも。


 もう、テスト準備週間が始まっているっていうのに。


 でも、仕方がない。


 ボクは困った時はボクに助けを求める許可をヤシロに出している。


 のばらには出してないけど、昔からの腐れ縁だし、のばらに協力を頼まれたら仕方がない。のばらのお願いなんて滅多にあることでもないし。 

  

 ボクはのばらというより、牧野家とつながっている。


 ボクは小学校の時一度遊びに行ったのばらの屋敷でじいちゃんに見込まれた。それからいろいろあったのだが、今はある古文書を捜し出す手掛かりを得るよう要請を受け、牧野家に協力している。

 だからってのばらとはそんなに親しく付き合ってもいない。


 ボクがじいちゃん依頼のバイトしてること、のばらは知っているけどその内容までは知らない。これは極秘任務だ。でもまあ、のばらも忙しそうだしそんなことには興味はないようだ。


 ボクはこれでかなり稼いでる。のばらのお陰。


 だからそれもあって今回の永井っちの件はのばらにも協力した。


 たぶん、じいちゃんはこの件の分もバイト代を上乗せしてくれるだろう。




 リアのことは去年から知っている。同じクラスだったし。


 ボクは去年、ある理由から図書委員を狙っていたのにじゃんけんでリアに負けてしまった。それは今年も繰り返した。



 ボクを負かすなんてリアのカンはただ者じゃあない。さすがくノ一(くのいち)志望だな。なんか持って・・・・・はいない。


 というか、ほんとはボクはじゃんけんとだけは相容れない関係なだけ。


 誰にでも苦手はあるだろう?


 だが・・・・・


 ・・・・・ボクは他人にこれが弱味などと認めはしないからな!



 リアとのじゃんけん真剣勝負はいまのところ1勝2敗。


 去年の文化祭実行委員決めの時は最底辺での二人の争いとなったがそこだけはボクが決めた。リアが委員長ボクが副。


 お陰であの時はえらいめんどくさい目に遭ったっけ。


 


 ボクはそのじいちゃんに依頼された古文書捜索に関することで、リアにはちょっとした疑念を抱いていた。


 キーパーソンの島田先生に無駄に接近していたから。


 でも今ではたぶん関係は無いと見ている。


 ボクの調査では、リアは入学早々図書の島田先生に憧れてしまったらしきことが分かっている。そのせいで今年も図書委員を熱望していただけだと思われる。


 ボクから見たら島田先生はただの独り言が多いオッサンなんだけど。


 まあ、その辺の親父に比べたらマシかも知れないけど、リアの嗜好にとやかくは言うまい。



 リアはほとんどにおいてスパっとした真っすぐな人。

 髪も背筋も性格もまっすぐだ。


 そして自分が認めた人としか付き合わない。


 気は短い。勉強はそんなに好きではないようだけど、スポーツは得意だ。


 ハンドボール投げは男子並みで29メートルって記録出して先生も驚いてた。


 弓道は肩と背中に筋肉ついちゃってヤバいんだよねー、とか気にしてたけど、見かけはスレンダーだ。

 

 リアによると、あの弓道の弓はかなりの重さらしい。


 ロングポニーテールを垂らし、心と体の絶妙なるタイミングを合わせ、的に矢を放つリアはきりりとカッコいい。


 さすがくノ一(くのいち)目指してるだけある。


 


 ボクはリアを通してヤシロと仲良くなった。


 ヤシロとはまだ1ヶ月しか共に過ごしてはいないがそれだけあればほぼほぼ9割はわかる。


 ヤシロはかわいくて最初から人目を引いていた。明るくお喋りでコロコロと表情が変わるヤシロと一緒にいると単純ただただ心が癒される。腹黒いところがほぼないし。


 ボクはヤシロのような子は初めてだ。一緒にいるだけで心に明かりを灯してくれる人っているんだな。


 ただ、ちょっと騒がしくて側にいると恥をかくこともたまにあるけど。



 ヤシロの一番良い所は、人によって態度を変えない所。


 誰かに威張ることもないし、ぞんざいに接することもない。


 ボクのような独特なはみ出し者にもリアのようなカースト上位の人にも、賽ノ宮(さいのみや)くんのような下位の人にも何ら態度は変わらず接する。


 だからヤシロはクラスの大半に好かれている。


 そんなヤシロを気に入らなくて、一部の人に疎まれてたりするけれど、クラス全員から好かれるなんてあり得ないからそれは世の習い。通常設定。



 リアもヤシロもボクは気に入っている。


 だから今回、ヤシロの困り事をボクが解決してあげようと思う。


 リアと共に。



 ボクから見るとヤシロは賽ノ宮(さいのみや)くんに対しては、かなり小悪魔的に接していると思う。


 自覚がないようだが。


 あれでただの友だちだと言い張っているのはどうかと思っていたけど、本人がそういうのだからヤシロ的にはそうなのだろう。


 ヤシロのような子にあんな風にしょっちゅう話かけられて時にじっと見つめられたり何かに誘われたりしたら大抵の男子はヤシロを意識して好きになってしまうだろう。


 業村くんなどクラスの数人はヤシロに何にもされてないのにヤシロに恋してるくらいだし。


 賽ノ宮(さいのみや)くんなら即落ちも当然だ。


 この二人は両想いと言っていいだろう。

  


 さてさて、ボクはとりあえず二人の邪魔する業村くんを本格的に抑えなきゃなんない。


 昨日は一時しのぎで抑えてあげたけどね。


 あのヤシロの噂は看過出来なかったから。


 ヤシロは単純だからあっさりと業村くんに嵌められた様子。

 



 さてさて、ボクはどうすればいい?


 担任の永井っちのお気に入りの業村くん。


 そのせいでかなりの増長気味。


 だが、もうじき永井っちは消える。


 のばらを怒らせたから。


 ボクたちの計画通りに行けば夏休み明けにはもういない。


 そして、業村くんの後ろ楯はなくなる。


 この運命をご当人たちはまだ知らない。 

  

 

 君たちは噛みつく相手を間違えた。





「え~っと、これは難問だったね、解けたかな?華厳さん、華厳さん・・・おい、聞いてるか?華厳さん、次最後の問題だね。宿題の大問3の(3)の式と解、黒板に書いて」 



「・・・は?私・・・あっ!はい。了解でっす」



 ふっ。


 ボクの予測通りだ。


 リアが三角(みすみ)先生に指された。


 リアはボクの宿題ちゃんと写し・・・・・・・・・て、無かったみたいだね。


 まさかボクのいたずらにこんなドンピシャではまるとは。


 最後の問題だけ、めくった次のページに書いてみたんだ。きっと今日もリアが宿題見せてって言うと思って。



 焦り顔のリアと目が合った。



 ふふん。想定内。


 ボクはあらかじめ入力しておいた途中式と解答を直ちにリアに送信。 

 

 こんな子どもだましにひっかかるなんてリアは注意力が足りないな。


 一寸先は闇。


 ミスは命取りになることもある。



 くノ一(くのいち)への道はさしずめまだまだ途上だね。





 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ