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まだ未完、だから夢中に迷妄中  作者: メイズ
第1章 トラップのゴシップでスリップ
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偶然の必然


                  

 2年2組かぁ・・・・・



 進級して新しいクラスになる初めての朝。ちょっと緊張。


 昇降口に貼ってあったクラス分け表。


 あたしは2年2組。


 文系のクラス。


 この中に同じクラスだった人も3人いるけど、ほとんど話したことない子たち。超がっかりだよ。


 仲の良かった友だちはみんな別のクラスになってしまった。




 でも、気になる名前がひとつ。


 この名前・・・・・知っている。


 名前だけで本人は見たことないのだけれど。


 ずっと気になっていた名前。


 あれを見た時からずっと。



 うふふ。


 7分の1の偶然ね。



 ひとつだけいいこともあったね、あたし。




 担任は永井先生。今年赴任してきた女の先生だ。


 あたしは指示に従い脱いだローファーを袋に持ってひとり新しい教室に向かう。


 靴を入れる場所はこの後クラスで指示されるまでわからない。



 階段を登り2年2組と札が掲げられている教室の前で止まる。


 席順は教室の前の廊下側の壁に貼ってあるの。



 出席番号順に並んだ席。


 あたしの席は真ん中辺の後ろから2番目だ。



 うそっ?ほんと!


 あたしの席の真後ろの席には・・・・・


 そうだよ!名字のあいうえお順から行ったらそう。


 これは必然的ね。




 あたしは教室の後扉の前。


 一歩踏み出すその前に息を大きく吸って、吐いて・・・・吸って、



「おはようございまーす!」



 最初が肝心よ。


 あたしは緊張しつつも大きな声で明るく言った。


 まだ、みんなそんなに来てない。


 でも、数人は振り返って『おはよー。』って言ってくれた。


 自分の席に行って机の上に荷物をドサッと置いた。


 初日は荷物が多くて大変よ。今日は授業は無いけど分けて持ってきておかなきゃ持ちきれない。各教科の資料集やら学校指定の紙の分厚い古語辞典やら英和辞典・・・・・もう、電子辞書でいいんじゃない?今の時代。


 今年もこういうものはロッカーに全置きしようっと。


 あたしの席の後ろの人はもう来ていて席に座っていた。


 この男の子がそうなのね?


 さっき、廊下の座席表で見たよ。あたしの後ろは・・・・・


 賽ノ宮(さいのみや)くん、賽ノ宮ロウドくんよ。


 あたし、君の名前だけは前から知っていたの。


 あれを見た時からずっと心に残っていた。



「おはよう!賽ノ宮くん。」


 あたしは笑顔であいさつ。


「あっっ、おはよう。えっと、向岸(こうぎし)さん。」


 ちょっと慌てたように焦ったようにあたしを見た。


 ・・・あたしの名前、座席表見て覚えてくれてたんだ!


 ひょろ長くて細くてちょっと頼りなさげな雰囲気の男の子。


 やさしそうな子。


 きっといい人だって、確信してる。


 うふふ。


「よろしくね。あたし、このクラスに友達いなかったんだよね。だから仲良くしてね。あたしのことは向岸こうぎしさんじゃなくてヤシロでいいよ。」


 あたしは自分の椅子に横向きに座りながら賽ノ宮くんの方を見て言った。


「えっっ!」


 賽ノ宮くんがなぜか驚いている。


 もしかして、あたし、なれなれしかった?

 今、初めて会ったばかりなのに。


 あたし、勝手に一方的に親近感持ってしまってた・・・・・



 あたしは決まりが悪くなって90度回って正面に向き直って自分の荷物を机の中にしまい始めた。



 あたしの背中がちょんちょんとつつかれた。



「あの・・・・・ヤシロさん。じゃ、嫌じゃなかたらボクのことロードでいいよ。」


 賽ノ宮(さいのみや)くんがちょっと赤い顔で私の目を見た。


 照れ屋さんなんだ。賽ノ宮くんって。


「・・・・・ふふっ、じゃあロードくん。これからよろしくね。」


「こちらこそ。ヤシロさん。」



 朝の教室の中ではちょっとずつ人数が増えて来て、あちこちで小さな輪が出来始めていた・・・・・





 あたしとロードくんが最初に出会った朝。





いっぺんに何話も投稿しても読むのめんどいかなと思いますが今日は3話分投稿させていただきます。


よかったらどうぞ。                       黒りんご

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