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その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
85/948

#83

図書館(としょかん)へ行くことを(あきら)め、今いる公園(こうえん)でアミノからの連絡(れんらく)を待つことにしたミックスたち。


思いのほか連絡は早く、監視員(バックミンスター)に子どもの捜索(そうさく)願いが出ていないかを確認(かくにん)したアミノから話を聞く。


《う~ん、()いてみたんだけど。ミックスくんが(おし)えてくれた情報(じょうほう)該当(がいとう)する子はいないみたい》


アミノが友人に調(しら)べてもらった話では――。


ミックスの説明(せつめい)した幼女(ようじょ)容姿(ようし)――安っぽい布切(ぬのき)れを羽織(はお)り、(かみ)()ばしっぱなしで前髪で目まで(かく)れている子どもは、迷子(まいご)行方(ゆくえ)不明者(ふめいしゃ)リストの中に入っていなかったようだ。


(こま)りましたね……。よし、じゃあ今夜(こんや)だけうちで(あず)かりますよ」


「ちょっとッ!? なにいってんのあんたはッ!?」


サービスを預けようにも監視員(バックミンスター)施設(しせつ)に子どもが()まれるようなところはない。


今からどこか(さが)すにしても手間(てま)がかかるうえに、受け入れてもらえない可能性(かのうせい)がある。


そこでミックスは、自分が住む学生(りょう)に泊まらすことを提案(ていあん)したのだ。


だが、ジャズはそんな彼の案に声を張り上げる。


いくらサービスが子どもとはいえ女の子なのだ。


それを男であるミックスの部屋(へや)に泊めることに抵抗(ていこう)があるようだ。


「だったらジャズも一緒(いっしょ)に泊ればいいじゃないか」


「あんたね……。またそんな勝手(かって)なことを……」


ジャズはミックスの配慮(はいりょ)のなさ、常識(じょうしき)のなさに(あき)れたが。


結局(けっきょく)サービスと共にニコを連れてミックスの部屋に泊まることを決める。


それから三人と一匹はミックスの寮へと向かった。


ジャズはその道の途中(とちゅう)で、自分の寮(ちょう)に連絡を入れて外泊(がいはく)許可(きょか)を取ろうとした。


だが、ともかく一度(もど)って説明(せつめい)申請書(しんせいしょ)を出すように言われ、渋々(しぶしぶ)女子寮へと帰っていった。


彼女と(わか)れ、ミックスたちは寮へと到着(とうちゃく)


その出入り口のフロアには、同じ寮に住むクラスメイト――ジャガーの姿(すがた)があった。


「おうミックス。って……お前ッ! 寮になにを連れ込んでんだよ!」


「え? この子はただの迷子だよ。いろいろあって、今夜だけうちで預かることになったんだ」


「お前はずっとブラコンかシスコン、また両方だと思っていたがまさかロリコンだったとはッ!?」


「だから話を聞けって……」


それからジャガーはいくら戦災(せんさい)孤児(こじ)学校の寮の決まりが(きび)しくないとはいえ、年端(としは)も行かない少女を部屋に入れるのはまずいのではないかと(おどろ)いていたが――。


「うん? この子は……。そうかそうか」


「なんだよ? (きゅう)納得(なっとく)したような顔して?」


「いやいや、お前なら安心だわ。それじゃオレはこれから出かけるから」


「なにを考えてるか知らないけど、この子のことはアミノ先生にもちゃんと(つた)えてあるよ」


「そっちの話じゃねぇんだが……。まあいいや。じゃあなミックス」


ジャガーはそういうと、ミックスの(かた)をバシッと(たた)いて行ってしまった。


そんなジャガーの背中(せなか)を見ながら、サービスが(くび)を大きく(かし)げている。


そしてなぜかニコも彼女の真似(まね)をして同じようなポーズをとっていた。


相変(あいか)わらずよくわかんない(やつ)だな。まあいいや。行こうとサービス、ニコ」


ミックスはため息を付くと、まだ首を傾げているサービスとニコの手をと取り、自分の部屋へと向かった。

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