表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
72/948

#71

――黒い戦闘服(せんとうふく)に身を(つつ)み、防弾(ぼうだん)防刃(ぼうじん)ベストを着た者たちが(あつ)まっている。


彼らは、このバイオニクス共和国(きょうわこく)治安(ちあん)維持(いじ)する組織(そしき)――監視員(バックミンスター)だ。


現在(げんざい)彼らは、突然(とつぜん)起こった無差別(むさべつ)襲撃(しゅうげき)阻止(そし)するために行動(こうどう)していた。


しかし、銃火器(じゅうかき)の使用は上層部(じょうそうぶ)から許可(きょか)が出ず、特殊(とくしゅ)合金(ごうきん)(つく)られたライオットシールドや発煙弾(はつえんだん)などで対処(たいしょ)するしかないのが現状(げんじょう)だ。


警備(けいび)ドローンのほうはまだ来ないのかッ!?」


現場(げんば)指揮(しき)する監視員(バックミンスター)隊長(たいちょう)、ブラッドが(さけ)んだ。


部下(ぶか)たちが(うつむ)いていると、そこへ住民(じゅうみん)怪我(けが)人の誘導(ゆうどう)を終わらせた銀髪(ぎんぱつ)の女性がやってくる。


「ダメみたい。本部(ほんぶ)からは避難(ひなん)誘導のみで、(くろがね)確保かくほをする必要(ひつよう)はないっていってるわ」


彼女は監視員(バックミンスター)(ふく)隊長エヌエー。


ブラッドはエヌエーの言葉を聞くと、自分の坊主(ぼうず)(あたま)()きながら顔を強張(こわば)らせる。


エヌエーがいった(くろがね)とは、ブレイク·ベルサウンドのことだ。


ブレイクは共和国からハザードクラスという強力(きょうりょく)な能力を持つ者に認定(にんてい)されており、国の科学者たちはそんな彼のことを(くろがね)というコードネームで呼んでいる。


「こっちはただでさえ人員(じんいん)が少ないってのにッ!」


ブラッドが今いった(とお)り――。


監視員(バックミンスター)の人員は、本部にいる者を(ふく)めても三十人にも()たない。


それは基本的(きほんてき)に警備ドローンなどの機械ロボットに(たよ)っているからだった。


大声をあげるブラッドへ、部下たちが電磁波(でんじは)放出(ほうしゅつ)装置(そうち)ーーオフヴォーカーの使用許可を願い出た。


オフヴォーカーとは、突撃銃(とつげきじゅう)のような外観(がいかん)をしたストリング帝国のインストガンとほぼ同じ性能(せいのう)のものだ。


「バカ野郎(やろう)ッ! いくら相手がハザードクラスだからって、まだ十五、六くらいの子どもだぞッ!」


ブラッドは部下たちに怒鳴(どな)()らし、それを拒否(きょひ)した。


この非常時(ひじょうじ)にそんな(あま)いことをいっている場合(ばあい)ではないのだが。


「もうっブラッドたら、いちいち大きな声を出さないでよ。みんなだって彼を(きず)つけたいわけじゃないんだから」


文句(もんく)を言いつつも、エヌエーはそんなブラッドを見て(うれ)しそうにしていた。


それは彼女も同じ気持ちだったからだ。


二人を見ていた(ほか)の隊員も、エヌエーと同じように笑っている。


「わかってんだよ、んなこぁたな。よし、じゃあこっちはこっちで勝手(かって)にやんぞ」


「まさかあの子を止めるつもりッ!?」


「上層部の連中が動かないんなら現場のいる人間がやるしかないだろ。おい、お前らはそのまま住民を避難場所へ誘導してくれ。あとは俺一人でやる」


ブラッドの指示(しじ)に隊員たちは反対(はんたい)した。


いくらなんでもハザードクラスを相手に、たった一人で止められるはずがない。


ここは全隊員を(あつ)めてぶつかるべきだと。


(みな)口々(くちぐち)にいう。


「それじゃ誰が住民を(まも)るんだよッ! いいから俺の言う通りにしろ!」


(ふたた)び大声をあげたブラッド。


だが、隊員たちは誰一人としてその場を動こうとはしなかった。


そんな彼らを見たブラッドは、また自分の坊主頭を搔き出す。


「別に(くろがね)()(こう)からやり合おうってわけじゃねえんだ。ヤバくなったらズラかるから安心しろよ」


隊員たちはブラッドが無茶(むちゃ)をしないということを理解(りかい)したのだろう。


その言葉を聞き、ようやく動き出した。


「はぁ……ようやく行ったか」


「みんなブラッドが心配なのよ」


「……って、おいエヌエー。なんでお前が(のこ)ってんだよ。さっさとあいつらと一緒(いっしょ)に行け」


人数的(にんずうてき)に、あれだけいれば問題(もんだい)ないでしょ? あたしもブラッドと一緒に行くからね」


「ったく、お前のそういうとこ……。(むかし)からぜんぜん変わらねえなぁ……」


「それはお(たが)(さま)よ」


そしてブラッドとエヌエーは、ライオットシールドを持ってブレイクがいるところへと走り出していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ