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その手に見えるは機械装甲  作者: コラム
53/948

#52

()り落とされる黒い(かたな)――小鉄(リトル スティール)


ミックスは機械化(きかいか)させた(うで)でその一撃(いちげき)を受け止める。


その衝撃(しょうげき)によって、先ほどミックスの()()まれて(こわ)れたソファーやテーブルの残骸(ざんがい)が飛ばされていく。


だが、(すさ)まじい剣撃(けんげき)をミックスはなんとか押し返した。


押し返されたブレイクが(ゆが)んだ笑みを()かべ、ミックスは表情(ひょうじょう)強張(こわば)らせる。


「やるしかないか……。できれば話し合いで解決(かいけつ)したかったんだけどなぁ」


「来るなら最初(さいしょ)からその気で来いよ、機械ヤロウッ!」


ブレイクが(ふたた)()りかかってくる。


だがいくら(はや)くとも、今の装甲(アーマード)によって身体(しんたい)能力(のうりょく)向上(こうじょう)したミックスなら、その直線的(ちょくせんてき)な攻撃は容易(ようい)()けることができた。


ミックスは避けながら機械化した(こぶし)(ちから)を込める。


ブレイクにカウンターの(かたち)で反撃をするつもりだ。


「あん? 避けやがったたなッ!」


「とりあえず動きを止める。くらえッ!」


ミックスの拳がブレイクの側頭部(そくとうぶ)に、真下へと(たた)きつけるように入った。


その一撃は床まで突き抜け、その衝撃(しょうげき)図書館(としょかん)内が半壊(はんかい)する。


一階にあったソファー、椅子(いす)、テーブルも二階と同じようにボロボロに(こわ)れ、さらには司書(ししょ)ドローンも落下物(らっかぶつ)により破壊(はかい)されてしまっていた。


ミックスは砂埃が舞うその惨状(さんじょう)を見て、手加減(てかげん)ができなかったと後悔(こうかい)していた。


クリーンの兄は無事かと、ブレイクのことを気にかける。


だが砂埃が()れると、そこから何事もなかったような表情(ひょうじょう)で立っているブレイクの姿(すがた)があった。


まさか無傷(むきず)なのか?


ミックスはブレイクが無事だったことを(よろこ)んだが、手加減抜きの攻撃を受けても平然(へいぜん)と立っている彼を見て(おどろ)きを(かく)せないでいた。


「ちぃっとばかりイタかったけどよぉ。こんなもんか、適合者(てきごうしゃ)ってのは?」


彼は驚愕(きょうがく)しているミックスを見て(ゆが)んだ笑みを浮かべる。


だが、その余裕(よゆう)ともとれる顔からは血が流れていた。


ちょうどミックスが拳を叩き込んだ側頭部にだ。


()いていないわけではない。


だが、ブレイクが()我慢(がまん)しているようにも見えない。


ミックスはそんな不安にかられていた。


血を流して笑う人間なんてフィクションでしか知らない。


こいつは気が(くる)っているのか?


それともそう見せているだけなのか?


そんな思考(しこう)(おちい)っていたミックス。


ブレイクはその場から動けない彼に向かって(かたな)(かま)え直した。


ミックスはその構えを知っていた。


それは先ほどクリーンとファミリーレストランの前で戦ったときに彼女が見せたものと同じだ。


ならば当然(とうぜん)その刀から(はな)たれるのは――。


「ベルサウンド流、モード小鉄(リトル スティール)鉄風(てっぷう)ッ!」


水圧(すいあつ)カッターのような(するど)斬擊(ざんげき)だ。


クリーンのときとは(ちが)う黒い斬擊がブレイクの刀から飛ばされ、ミックスはこれを両腕で(はじ)き飛ばす。


だが、その斬擊と共に飛び込んでいたブレイクが目の前に。


彼はすでに刀を振っていた。


「おせぇよバカ」


声がするときにはすでに間に合わず、ミックスは(ねら)われた腹部(ふくぶ)装甲(アーマード)させたが――。


「ベルサウンド流、モード小鉄(リトル スティール)斬鉄(ざんてつ)ッ!」

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