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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第二部 大迷惑な大迷宮編(前)第二章 樹海新迷宮
98/116

第84話 ショートカットしました。


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・


浮遊感がふっとなくなり、目をゆっくりと開く。


「マスター?」

「マグナさん?」


『キュイ?』

『ガウ?』

『ピュイ?』

『ミュ?』


あれっ?

皆さんも転移したの?


きょろきょろ


ここって、迷宮のリンの部屋のままじゃね?


「・・・リン?」


「むっ? おかしいのじゃ。【転移】、ミャウマ!」


しーん


「な、なんと!」


「どうしたのだ?」


「千年も経っておるせいで、地形や街並みが違い過ぎて跳べぬ・・・」


「・・・・・・」


じとぉ


「いや、こ、これは仕方がないのじゃ! 主殿、わ、妾は役に立つのじゃ! のぉ!」


わたわたと両手を振り回して慌てるリン。

見た目の歳相応の子どもにしか見えない。


「は、はい! 麒麟様はきっとマスターのお役に立ちます! えっと、そうです! 地形が変わりにくい場所ならば大丈夫なのではないですか? とりあえず、皆で地上に戻ってみてはどうですか?」


焦り気味に代案を出すクロ。


「よし! ではそうするのじゃ! 【転移】、迷宮の入り口!」


ぱあぁっ


先ほどよりも広範囲で光が溢れ、部屋中を満たす。

また浮遊感があった。


まぶたに写る光が収まり、再び目をゆっくりと開く。


ぎゃあぎゃあ


大型の鳥の鳴き声。

二日ぶりの陽の光が全身に降り注ぎ、新鮮で濃厚な草木の匂いが鼻を突く。


「おおっ!」

「わぁ!」

「素晴らしい!」

「ですわ!」

「こ、これはなんとも・・・」

「神話の体験ですぅ」

「ほ、ホントに一瞬なのねぇ」


『キュー!』

『ガゥ!』

『ピュ!』

『ミュウ!』


皆さんが口々に驚きを表す。


「これは、確かに凄いな」


俺も一緒に驚きつつ、ハエなんかと合体とかしなくて良かったなぁ、と内心で安堵あんどする。


「そうじゃろ、そうじゃろぅ! 転移先のイメージが合えばこのような事、妾には雑作もないのじゃ! ぬはははははっ!」


「リン、近くの樹海島インスラには跳べるか? あの島もそう変わらんと思うが。そうだな、町のある西側が良いな」


「試して見なければ分からんが、大丈夫じゃないかの? 【転移】、樹海島!」


再び、光と浮遊感。

目を開けると、遠くに町の高い壁が見えた。


「ほぉ! これは素晴らしいな!」


すげー


三日かかった距離が本当に一瞬だぁ。

感動すると言うより、瞬間的過ぎて驚きしかない。


「そうじゃろ! 妾は凄いじゃろ!」


「うむ。これだけでもかなり役立つ事ははっきりしたな」


「ぬははは! 妾を頼ると良いぞ、新しき主殿! ぬはははははっ!」


「これならば、樹海迷宮の都市にも一瞬ではないのか?」


うん、クロが空からは行けないって言ってたからな。

一週間近くかけて樹海を歩くのは正直面倒だと思ってたとこだ。


まあ、玄武たまっちはそれで召喚したんだけど。


「むっ、主殿は樹海迷宮に挑むのかの?」


「うむ、その予定だな」


「むむぅ。すまぬがあそこはダメなのじゃ」


リンが幼い顔の眉間にしわを寄せる。


「ん? 何故だ?」


「樹海迷宮、と言うよりは樹海の奥はの、管理者の精霊たちが結界のような膜を張り巡らしておるのじゃ。それ故、方向感覚やイメージが阻害されてしまうので行ったことがあっても転移では跳べぬのじゃ」


「それで私も行けなかったのですか。なるほど」


クロが感心したように呟く。


数百年生きてるクロでも知らない事を知ってるって、流石は千桁才だな。

口に出しては言わないけど。


「でも、私たちは遠くなってしまいましたね」


と、首をかしげてちょっと困った顔のクラウディアさん。

美形エルフのこの仕草は、かなり可愛いですね!


「何、構わぬではないか! 迷宮の調査がたったの二日で終わったのだ、ゆっくりと物見遊山ものみゆさんでもしながら帰ろうではないか! がははははっ!」


何か嬉しそうですね?


「ルドおじさまは、書類仕事がやりたくないだけではないのですか?」


「ぐっ、むうぅ」


あっ、図星か。

流石は脳筋領主。


「そういえば、お主らはグロニゲンの街から来たとか言っておったかの?」


「はい、そうですわ。聖女様」


「そうか、では、ちょっと失礼して良いかな、主殿?」


「うむ」


ん?

頷いちゃったけど何が?


「【転移】、〝旧世界の遺跡〟!」


また光が辺りを包み、リンとグロニゲン組が消えた。


旧世界の遺跡って何だ?

何処だ?


「【遠話テレフォン】、リン、クジマ」


『もしもーし、クジマー、今どこにいるのだ?』


『ぬぉ! 主殿か? 何処だ!? 一緒に転移してはおらぬ筈じゃが!?』


『あー、遠距離で話す事が出来る我の魔法だ。今は気にするな』


『ぬ、ぬう。新しき主殿は珍しい職業やスキルだけでなく、この様な魔法をも使うのか・・・』


『で、クジマ?』


『我が主、その、グロニゲンの街の近くにある・・・巨大な岩が密集する丘のようですな』


ん?


ああっ、俺が召喚されたストーンヘンジみたいなとこか!

あそこからなら街まで半日掛からないくらいか。


『ではな! 妾は主殿の元に戻るのじゃ! 【転移】、樹海島!』


ぱあっ!


光の中からリンが現れる。


「ただいまなのじゃ!」


「ああ、お帰り?」


『クジマー、そっちの事は頼んだぞー』


『はっ、我が主!』


丸投げって、やっぱり楽でいいね!


脳筋おっさんは書類仕事を頑張れ!


日本人は異世界でも、もしもし(苦笑)

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