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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第二部 大迷惑な大迷宮編(前)第二章 樹海新迷宮
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第79話 キリンさんですか?

仕事が予定より詰まってしまい書き溜めに余裕がなくなって来たので、しばらく一日一話で19時更新にします。無念(T-T)

でも止めない!


「で、認められると何故お前が従魔(ファミリア)となるのだ?」


「そんなことは決まっておろう? 我が説話《せつわ》にある通りなのじゃ」


「説話とは?」


後ろで完全に外野と化している皆さんに聞いてみる。


「さあ?」

「知らぬな」


「聞いたことないわねぇ」

「右に同じ」


「知らないな」

「さぁ?」

「ん、麒麟《きりん》自体、知らない」


「な、なんじゃと!? 妾《わらわ》の勇名と伝説は古今東西《ここんとうざい》に広まっておる筈《はず》じゃぞ!?」


「そう言われましても・・・」


「「「「「ねぇ?」」」」」


皆さん揃って知らないらしい。


がくぅ


幼女の麒麟さんが膝を落とす。


「そ、そんな馬鹿な! なのじゃ」


結局、麒麟って何さ?

ビールのラベルの馬みたいなの?


ん、ラベルの馬?

龍と馬くっつけたような・・・


あっ、思い出した!


なんか四神とか四象とかで東西南北が有名だけど、確か中央にいたのが麒麟だ!

ファンタジー系でも稀《まれ》にしか出てこないけど。


「少し尋ねるが、四聖獣や麒麟というのはもっと遠方の魔獣ではないのか?」


「おお! お主は知っておるのか!? そうじゃ! 元々はこの辺りからだとかなり南の出自《しゅつじ》なのじゃ!」


「ふむ。この迷宮は最近新しく発見されたのであるし、皆が知らぬのも当然ではないか?」


「なっ、何を言うておるのじゃ! 妾はこの国に来て、心優しく朗《ほが》らかにして、殺生《せっしょう》を好まぬ麗《うるわ》しき聖獣《おとめ》として崇められ、数多くの民草《たみくさ》を救い導いたのじゃぞ!」


「だそうだが?」


「と言われてもなぁ?」

「知らぬな、がははははっ!」

「知らないわぁ」

「すみません。聞いたことないです」


ががくぅ


あっ、幼女が崩れ落ちた。


蹲《うずくま》って、床にのの字を書いてます。

あれは泣いてないですか?

数百才を越してるとはいえ、あの容姿だとなんか罪悪感が。


「そうだ、何百年と生きている地竜のクロなら知っているのではないか?」


がばぁ!


「そ、そうじゃ! お主ならば知っているであろう!」


凄い勢い(マッハ)で起き上がり、麒麟さんがクロに怒濤《どとう》の如く迫り寄る。


「あ、あの、マスターに麒麟様。私は麒麟様の事は存じ上げておりますが、その、申し訳ないのですが人種《ひとしゅ》の事情についてはちょっと・・・」


「くぅ、一縷《いちる》の望みを与えてから奈落《ならく》に突き落とすとは、新しき主殿は鬼畜《きちく》というやつなのじゃぁあ・・・」


せっかく助け船出したのに、人聞きの悪い事言わないでくれます?

まあ、失敗したけどさ。


「知らぬものは仕方あるまい。そういえば、あの魔物の大氾濫(モンスター・パレード)はお前が起こしたのか?」


「ん? なんのことじゃ?」


「つい半月程前の事だが、この迷宮から魔物の大群が現れ、街を襲ったのだ。数は二万近かったぞ?」


「ふむ、妾が起きた頃か。起きた拍子《ひょうし》に迷宮に膨大《ぼうだいな》な魔力が溢《あふ》れたからのぉ。そのせいで怯えた弱い魔物が地上に逃げ出したのではないかの?」


やっぱり元凶ですか?

こんなの従魔にしたら俺、危険じゃないですかね?


「しかし、妾は何故起きたのかのぉ?」


「むうっ? お嬢ちゃん、それはどういう事であるか?」


と、ご領主様。

結構興味津々(きょうみしんしん)みたいですね。


「妾は前の主殿が身罷《みまか》われた際に哀しみの余りに自らを封印したのじゃ。また主に相応しい人物が現れることを祈ってのぅ」


「それはマイマスターが訪れたから封印が解けたということでは?」


「いや、先ほども言ったであろ? 妾は半月程前に目覚めたのじゃ。また寝たがの」


「寝過ぎではないか?」


「二度寝は至福じゃからな!」


あっ、それには同意する。


「あの、ルドおじさま、それってブラウエル家の秘宝(アーティファクト)のせいではないのですか?」


「おお、そうだったな! 忘れておったわ!」


ああ、あのクソエルフか。

そういえば何かそんなことも言ってたな。


「ブラウエル? そうか、奴が妾を起こしたのか! いや、奴の子孫かの? どいつじゃ?」


「ここには、いませんね・・・」


クラウディアさんが俯《うつむ》く。


まあ、あんなやつでも幼馴染みだったらしいからな。

拐われたり命を狙われたとはいえ、心中は複雑なんだろう。


「そうか。それは残念じゃの。あ奴の子孫を見たかったのじゃ」


「ねぇ、ちょっと気になったんだけどぉ、幼女ちゃんのお知り合いのブラウエルって、お名前はなんて言うのかしらぁ?」


「むっ、先ほどの面妖な男か。ブラウエルはルキウスと言ったな。元老院の重鎮《じゅうちん》であったから、時を経たとはいえ、それなりに有名なのではないか?」


紅薔薇の団長さんと領主のルドルフさんが目を見開く。


「「ま、まさか、る、ルキウス・ドミティウス・ブラウエルなのぅ(か)!!」」


あっ、帝国騎士の皆さんやクラウディアさんも驚いてる。

麒麟さんの言う通り有名人ですか?


「誰なのだ?」


「さあ。先ほども言いましたが、私はあまり人種の事情には詳しくありませんので。すみません、マスター」


『キュ?』

『ガウ?』

『ピュ?』

『ミュ?』


いや、キミたちは当然知らんよね?


かまって欲しいのかな?


や、やっと第一章から出ていた旧帝国の伏線が役に立った。

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