第77話 新迷宮深層?
「あー、図体はでかいですが、あれは下級の悪魔ですね」
第三十階層の迷宮主?を見てクロが言った。
あっ、魔族もいるんだ?
「あれは魔族だったのか?」
「いえ、マスター。魔族ではありません。悪魔と呼ばれる魔物の種族です。まあ、強さで言えば人種の魔族よりは上ですので、戦うと厄介ではありますね。カルマ様たちの敵ではありませんでしたが」
えっ、悪魔っていう魔物がいて、魔族って人種が別にいるってことか?
「マグナ殿、あちらに下へ続く回廊がありますの。まだ深層があるようですわね。ここは中規模の迷宮みたいですわ」
クラウディアさんが階層主がいた部屋の奥を指して言った。
「うむ。では、このまま進むか」
『キュイ!』
『ガウ!』
『ピュイ!』
『ミュー!』
と、無双チームが元気良く答えます。
状況はともかく、和みますね。
クラウディアさんの目がハートになってました。
まる。
†
えー、現在俺たちは第四十階層に来ています。
第三十一階層から第三十九階層はどうしたって?
つい最近にもありましたが、ピーちゃんたちの無双で他に言うことないです。
でも、流石にこれ以上は下の階層はないだろうと、第三十九階層から第四十階層の迷宮主戦に俺たちは意気込んだ訳ですが、魔物のマの字もありませんでした。
これまでの階層主がいたところと同じくだだっ広い部屋は、主もなくがらんとしています。
「迷宮主はおらんのか?」
「あらん。拍子抜けしちゃうわねぇ」
「見えない魔物とか?」
「なら、こんな集団がいるのだから、攻撃してくるだろう?」
「「「ううん?」」」
みんなで困惑顔です。
「あっ、マグナさん! あそこに扉がありますよ! まだ先があるんじゃないですか?」
ん?
確かに小さな扉がある。
ほっ
流石に迷宮探索の最後がこんな終わり方ってないよね!
†
で、ぞろぞろと扉の前に来た俺たちは、可愛らしい装飾の扉に微妙な表情をしています。
どう考えても、下の階層に続く感じじゃないし、オーガ級のルドルフさんなんか通るの大変そうです。
なんとなくその場の雰囲気で、俺が代表して扉を開けます。
と、扉の向こうは、白を基調とした迷宮には似合わないこれまた可愛らしい装飾の小部屋でした。
そして、これまた可愛らしいベッドには、十にも満たないような少女がすやすやと眠っていたのです。
「・・・・・・」
はっ、まさかこれがホントの深層の姫君!?
いや、字が違う!
「むにゃむにゃ、もう食べられな・・・」
魔物蠢く迷宮の深層で、何この平和かつテンプレな寝言!?
何これ?
どんな状況ですか?
「マグナさん、これは?」
「いや、我に聞かれてもな」
「そうですよねぇ」
「まさか、この幼女が迷宮主・・・なんてことはない、ですよね?」
「う、うむ。それはないだろう、な?」
エルメさんと俺は困った顔を見合わせる。
「迷宮主がいない迷宮とは、過去に確認されたことはあるのか?」
「聞いたことない、な」
「ありませんねぇ」
「ん、ない」
と、本職の探索者三人組。
「とりあえず、この女の子を起こして聞いてみてはどうですか?」
そう提案する勇者様。
「うむ。それが良いか」
「あ、あの、マスター?」
「ん? どうした、クロ」
クロが何か難しい顔をしている。
「幼女さーん、起きてくださいよー。朝ですよー。朝御飯のお時間ですよー」
「あっ、こら!」
慌てるクロさん。
どうした?
「むっ! 朝メシかっ!」
あっ、幼女が起きた。
きょろきょろしてる。
「ん、朝メシはどこじゃ? むっ、お主らは誰なのじゃ?」
のじゃロリ!?
ここにきてのじゃロリですか!?
「儂らはネデル辺境伯の命でこの迷宮を調査しに来た、グロニゲンとオストエントの騎士だ。その方は何者だ?」
あっ、忘れてたけど、この脳筋が一番偉いから調査団の団長なんだっけ?
あの小さい扉、よく通れたね?
「ん? 〝大鬼族〟が何用なのじゃ?」
「「「ぶふぅ!」」」
あっ、騎士の何人かが吹いた!
もちろん俺も一緒に吹きました。
「お、大鬼族ではない。儂は〝森人族〟だ。ネデル辺境伯領に属するグロニゲンの街の領主でルドルフという。お嬢ちゃんは何故この様なところにおるのだ? この部屋に何者かに監禁でもされておるのか?」
このオッサンやっぱりエルフなのか。
この脳みそ筋肉大男が妖精とも言われるエルフ・・・
がくっ
ああ、げに恐ろしきは異世界。
「ま、マグナ殿?」
「いや、気にしないで良い。少し思うところがあっただけだ」
「はぁ?」
「別に囚われてはおらぬ。ここは妾の部屋じゃぞ?」
「「「はい?」」」
「ここに住んでいるのですか? えっと、お一人で?」
「そうじゃ」
「ねぇ、幼女ちゃあん。ここの階層主--迷宮主はどこにいるのかしらぁ?」
「な、なんじゃ!? この面妖な生き物は!? 新種の魔族か!?」
「「ごぶふぅ!」」」
騎士の何人かがまた吹いた!
もちろん俺もそのひとりですよ?
ゴブリンの語尾じゃないです。
念のため。
「ま、魔族はヒドイわぁ」
と、部屋の隅でいじける紅薔薇の団長さん。
いや、誰が見ても貴方たちは面妖そのものですからね?
「して、ここの迷宮主はいるのか? いないのか?」
気を取り直して俺が尋ねる。
「何を言っているのじゃ! 迷宮主がいない迷宮などある訳がないであろう?」
「そうであるな。あちらの大部屋にはいなかったが、では何処にいるのだ?」
「目の前におるじゃろう?」
「むぅ?」
きょろきょろ
「どこを見ておる。妾じゃ、妾がこの麒麟の迷宮が主じゃ」
「「「「「・・・・・・」」」」」
はい。
そこにいる全員の目が点になりました。
えっと、まる?
やっとのじゃロリ出せた。
ロリとのじゃロリは別腹です。(自論)
スライムさんと幼女メイド
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