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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第二部 大迷惑な大迷宮編(前)第二章 樹海新迷宮
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第75話 新迷宮中層。

「がぼああああああぁぁぁぁ!」


第十階層の階層主は、予想通り冒険者たちだけであっさり撃破しちゃいました。


またもや説明キャラ化しているクラウディアさん曰く、〝首無し騎士(デュラハン)〟という魔物で、第十階層として考えるとかなりの強敵だということでした。


まあ、ファンタジーでは定番の魔物ですね。


クロの居たウィンテンの迷宮も小さいながら高難易度だそうだけど、もしかしたらそれ以上かも知れないとのことです。


あっ、断末魔だんまつまの悲鳴は本人が持ってた首からです。

不思議空間で身体と繋がってんのかね?


「あの魔物をあっさりと・・・」


「しかもあの不思議な歌を歌いながら・・・」


「どっちが魔物か分かんないですね」


いや、エルメさんは言い過ぎじゃね?

まあ、気持ちは分かりますけどね?



「我が主、そろそろ冒険者たちでは役不足のようですな。どうなさいますか?」


そして中層攻略も冒険者たちによって着々と進みましたが、第十六階層でクジマがそう言いました。


まだ行けそうだけど、この感じだとそろそろ誰か大怪我してもおかしくないか。


「そうだな。そろそろ選手交代しても良い頃合いか」


『ミュー! ミュ!』


と、たまっちが主砲をぶんぶんさせて主張をはじめた。

いや、たまっちは樹海で既に大活躍してましたよね?


『ミュウゥ・・・』


ああ、さっきのピーちゃんたちの武勇伝かつやく聞いて、自分も役に立てるところを見せたいと。


くぅ


なんて健気で飼い主思いの従魔!

ここはお望み通りたまっちに任せてみましょう!


「よし、クールマ。任せる」


『ミュー!!』


嬉しそうですね。

俺も感無量かんむりょうです。



「・・・・・・」


とか思ってた時もありました。


成長しないね!

俺!


流石は自衛隊の最新式国産戦車です。


10式戦車(ひとまるしきせんしゃ)は2010年に配備されたからそう言うんだって何かで読んだ。


戦闘機の零戦ぜろせんは皇紀に因んでたらしいけど、戦後は西暦なんですね。

これも敗戦のためなんでしょうか。


それはともかく、たまっちの主砲が遠距離の魔物に唸り、近距離の魔物には機関銃が容赦なく浴びせられます。


魔物さん、木っ端微塵(こっぱみじん)か全身穴だらけになって消えていきます。


俺や騎士団の皆さんは、もっぱら魔石とドロップアイテムの回収とその荷物持ち(ポーター)です。


うん。

久し振りです、この感じ。


はぁ


でも、騎士たちも一緒なのでぼっちではありません。

なんかこのやるせない感じを共有出来たみたいで、ちょっと嬉しい今日この頃です。


因みにエルメさんはというと、たまっちの車上がお気に召されてずっと乗ってます。

ついでに、きゃっきゃとはしゃいで攻撃命令してますね。

もう、たまっちが誰の従魔なのか分かりません。


「あの新しい従魔も半端ではないな」


「従魔、なのですわよね?」


「たまっち、ぶっちぎり」


と、女性探索者の三人組。


「はぁ、すごいわぁ」


「見えた瞬間に魔物が粉々になってるわねぇ」


「エルメ、子どもの様にはしゃぐキミも愛らしいよ」


「クヴェト団長、もぅ! もぅ!」


これは騎士団の団長と副団長の皆さん。

いがみ合ってた割にはやっぱり仲良くないですか?


ラディスラヴァ副団長さんの聖峰おっぱいの揺れが相変わらずすごいです。


あんな焼きもちなら妬かれてみたいものです。

そう、尻尾ふりふりで「もぅ! マグナさまったら!」とかね?


「う、噂通りというか、な?」


「す、すごいな、マグナ殿--の従魔は!」


「樹海でも見たが、あのレベルが四匹も?」


オストエントとグロニゲンの騎士たちも驚きを口にしている。

正確には、今は人間形態をとってる一匹がいるので、合わせて五匹ですね。


「新しい従魔も強いな! よく分からん生き物だがな! がははは!」


「また皆さんを抱き締めたいですの! いいですわよね、マグナ殿!?」


そして、相変わらず大声のルドルフさんと壊れ気味のクラウディアさん。


「あの飛んでいく塊は金属ですかな? 我が主」


「うむ。合金--鉄などの塊だな」


あれ、弾薬って尽きないのかな?

かなり撃ってるよね?


そういえば、スキルで【不壊こわれず】なのに【自動回復】ってあったけど、修復じゃないってことは弾薬が回復してたり?


夢の兵器(ドリーム)っつーか、反則チートじゃね?


あっ、不思議生物のこの子たちには今更か!



そんな感じで第二十階層での階層主フロア・マスター戦です。


どずずずううぅぅぅんんん


十メートル以上はあると思われる単眼の巨人(キュクロプス)がほぼ同時に三体、地に沈みます。


たまっちの主砲三連での呆気ない一幕でした。


確かギリシャ神話に出てくるのはアルゲース、ステロペース、ブロンテースだっけか?


ふっ


社会では役に立たないファンタジー知識は厨二の証!

学校の勉強もこれくらい覚えられれば、テストも楽勝なのにな!


ORZ


自分で言ってて凹みます。


まあ、あの三体がそんな名前だったかは知らんけど。


「キュクロプスって、上位探索者ハイエンドパーティーでも苦戦するくらい強いんじゃなかったか?」


「ああ、しかも三体同時になんて、悪夢じゃないのか?」


「この迷宮、難易度どうなってんだ? まさか大迷宮クラス?」


「俺たちだけじゃなくて良かったな」


「「「「「ああ」」」」」


騎士団の皆さんが揃って頷きます。


たまっちが無双する中、ピーちゃんたちはまたブレーメン風に重なってキュイキュイガウガウピュイピュイと平和そのものです。


今、俺たち迷宮攻略中でしたよね?


まあ、これも今更ですね!


この迷宮でのマグナの活躍は如何に!(棒)

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