第73話 悠久の冒険者たち。
「早速ですが、第八回異世界でどうする会議~」
ぽふぽふぽふ
ぽんぽんぽん
ぶんぶんぶん
いつも通りのピーちゃん、ハム太、モコちー。
きゅるきゅるきゅる
器用にキャタピラを回すたまっち。
それ、進まずに回せるんだね?
ぱちぱちぱち
ぱちぱちぱち
クロとクジマも右に倣う。
「今回の議題は、ズバリ! クランの名前をどうするか、です!」
「我が主? あの、口調が、砕けておりませぬか?」
「あっ、こっちが素だから気にしないでいいよ」
「はあ・・・」
「マスターが我々従魔と同じく貴方にも心をお開きになったのです。光栄に思いなさい」
クロさんは何かにつけて大袈裟じゃないですかね?
ぶっちゃけ仲間内では魔導師ロールプレイが面倒になっただけですよ?
「は、ははぁ!」
クジマもクジマで、感極まって平伏してるし。
時代劇ですか?
印籠とか作った方がいい?
あっ、貴族じゃないと家紋や紋章ってダメだったかな?
因みに、イヴも着いて来たがったらしいけど、屋敷が誰も居なくなっちゃうので置いてきぼりにしたらしい。
帰った時のことを考えると恐ろしいと、クジマが震えてた。
イヴさん、貴女は深窓の令嬢じゃなかったの?
「で、クジマに預けている冒険者たちのクランの名前なんだけど、実は何も考えてなくてなさ。誰か何かいい案ない?」
『キュ! キュキュ、キュイ、キキュ、キュー!』
ばっと、片翼を挙げて元気に発言するピーちゃん。
「ピーちゃん、何言ってんのか分かんない」
『キュ・・・』
長い首を項垂れる。
これはこれで愛いな。
「マスター、カルマ様は〝マグナと愉快な仲間たち〟がいいと仰っています」
おお!
そういえば通訳出来る人?いた!
でも、ピーちゃんそれはどうかな?
ちょっと前にそんな感じのよく分からん政党もあったしね?
某有名サークルくらいの時だったらいいけどさ。
『ガウ! ガウゥ、ガガウガ、ガゥ!』
「ハム太様は〝国士無双〟がよろしいのではないかと」
ハム太の技名の謎が解けちゃったよ!
カッコいい四字熟語はキミの趣味ですか!?
『ピィ! ピュイー、ピュイピュイ、ピィ!』
『ミュ! ミューミュ、ミュミュ!』
モコちーとたまっちが続けて言う。
「モコちー様は〝紫の薔薇の君〟、たまっち様は〝マグナ&パンツァー〟はどうかと仰ってますね」
モコちー、まさか有名なあの何十年も未完マンガのファンとかじゃないよね?
たまっち、キミは何かね?
ネタはともかく俺とキミの二人組なのかな?
「マスター、私は〝七つの龍玉〟はどうかと思います」
まさかの異世界産のクロまで!?
それは流石に不味いよね?
あっ、今ここに七人だからか?
偶然?
イヴも入れてやれよ。
なんで皆発想が厨二というかヲタクなの!?
従魔は飼い主に似るの!?
ピーちゃんたちもどこでその知識得た!
クラスの誰かが読ませたとか?
いや、ないよな?
「く、クジマはどう? 冒険者のクランはお前が中心だし」
「はっ、某は我が主に因んで〝黄昏の眷族〟は如何かと」
そういやこいつの兄妹の二つ名〝銀餓狼〟だった!
クジマが〝闇の鮮血狼〟でイヴが〝銀麗の狼〟だっけ?
従魔たちの案よりはマシだけど、その黄昏って俺のことですか?
黄昏てなんかないよ?
俺はまだ15才ぴちぴち(死語)の高一だよ?
この集まり、ち、厨二病しかいないよ・・・
俺のせいですか?
どうしよう?
どうしろと?
どうしたら?
全部却下とかしづらいなぁ。
そうだ!
イヴにも聞いて見よう!
「【遠話】、イヴ。あー、イヴ? 今ちょっといいか?」
「ご主君さま? はい。大丈夫です」
この魔法にも慣れてきましたね。
「実は冒険者たちのクラン名を皆で相談していてな。イヴの意見も聞きたいのだが」
「クランの名前ですか・・・」
しばし待つ。
「〝悠久の冒険者たち〟などはどうでしょうか? ご主君さまは今の荒くれ者の冒険者たちを公正させ、その地位を向上させるという大望をお持ちです。それを意識してみたのですが・・・」
ま、まともな意見キターー!
イヴさん、ぐっじょぶです!
「いいね! それ採用!!」
「ご、ご主君さまですよね?」
「あっ、さっきクジマにも言ったけど、これが素だから気にしないでいいよ。それよりイヴ、いいクラン名だね。こんど会ったらご褒美をあげるから、なんか考えておいて!」
「は、はい! ありがとうございます!」
「ということで、クラン名はイヴ案の〝悠久の冒険者たち〟にしたいと思います! 何か別の案や反対意見はある?」
「はっ、我が主がお決めになられたのでしたら良いかと」
「〝七つの龍玉〟も良い名だと思いますが、〝悠久の冒険者たち〟も中々ですね」
『キュ!』
『ガゥ!』
『ピュイ!』
『ミュ!』
「うむ。ならば我がクランの名は〝悠久の冒険者たち〟だ! クジマ、メンバーの冒険者たちにも伝えよ! ルドルフ殿やクラウディア殿、オストエントの勇者や騎士団の皆にもな!」
「はっ!」
よし、ちょうどいい!
ここの迷宮を踏破して、クランの名前を売ってやろう!
なんかタイトルとサブタイトル、逆の方がいい気がしてきた(汗)




