第69話 ノット・ギルティです!
「マジなの、こんな可愛子ちゃんが・・・」
「ほ、本当なのか、こんな可愛い子たちが・・・」
団長たちと後ろで副団長たちが信じられないように唸る。
「で、その二つ名はともかく確かにその報告は我の事だが、何故に騎士団長が揃って訪ねて来たのだ?」
「そ、そうよ!」
「そ、そうだ!」
あんたら実は仲良くないですか?
喧嘩するほど、ってやつ?
「その報告が真実なら、マグナちゃんが〝三日踏破者〟なの?」
「カルマちゃんたちがウィンテンの迷宮を踏破したのですか?」
と、副団長たちが続く。
なんか微妙にお二人の話してる主体が違う気がする。
ああ、三日踏破者の二つ名まで報告書にあったのか。
なんか鬱になりそうです。
「マグナさん?」
「ああ、問題ない」
問題ありますけどね。
もうちょっとマシな二つ名が付きませんかね?
「それでマグナちゃん、ぜひともアタシたちの騎士団と一緒に迷宮攻略してくれないかしら? 報酬は奮発しちゃうわよん♪」
と、しなを作る紅薔薇の副団長さん。
ぞわああぁぁぁ
え、遠慮しときます!
「カルマちゃ--マグナ殿は私たちと一緒の方がいいですわよね?」
こっちは白百合の副団長さん。
いや、まったくもって俺も白百合騎士団の方がいいですけどね?
それ、誘ってるの絶対にピーちゃんたちだよね?
俺じゃないよね?
「まだよく理解出来ぬのだが、迷宮とは樹海都市のある大迷宮のことか? それならば我らは元々この町を出たら行く予定であるが?」
「違うわよん。樹海迷宮じゃなくって、樹海に新しく見つかっため、い、きゅ、う♪」
ううっ、団長さんがむっちゃキモい。
「アタシたちが遠征から呼び戻されたのは、グロニゲンの街や周辺の町がタイヘンだからって急使が来たからなの。でも、急いで戻ったらもう終ったって言うじゃない? で、今朝届いた詳細報告を聞いたらそこにはマグナちゃんのな、ま、え、が! これってやっぱり運命的よねぇ」
運命じゃないです。
ただの偶然です。
絶対に。
「マグナ殿は当事者だから知っていると思うが、グロニゲンの街を襲った魔物たちは新しく樹海で見つかったところなのだ。主犯であるテオドルスが見つけて、ブラウエル家の秘宝を使って魔物を操ったのだろう?」
テオドルスってあのイケメンのクソエルフか。
そういやそんな話も聞いたな。
「うむ。聞いた覚えがあるな。確かグロニゲンからは北東だったか」
「そうです。この町からだと南東になります。えっと、この辺りですね」
と、白百合の副団長さんがこの辺りの地図を机に置いて場所を示す。
おおぅ!
牛娘さんが前屈みになった時に聖乳が!
乳が垂れて--垂れてないだとぅ!!
どんな張力が働いてるんですか!?
そして魅惑の谷間がちらって!
ぶはぅ
ぐっ、ここは堪えろ!
堪えるんだマグナ!!
この女性だらけ(マッチョ除く)の空間で鼻血なんて吹いたら即刻牢屋行きになりかねん!
町の治安を守る騎士様ばっかだしな!
ひっひっふー
ひっひっふー
だからラマーズ法は違う!
ふううぅー
久し振りだな、これ。
ふっ
つい【思考加速】を使ってお宝画像として脳内フォルダに保存しちゃったぜ!
あくまでも記憶だから盗撮じゃないですよ?
マグナはノット・ギルティです!
†
「それで、えっとですね。グロニゲンの街からの報告とほぼ同時に、ネデル辺境伯のベイレフェルト卿からの命令書が届きまして、オストエントとグロニゲンの精鋭騎士団でその新しく見つかった迷宮を調査しろ、と言う内容だったのです」
と、唯一まともなエルメさんが説明してくれる。
彼女だけなら話が早そう。
「そうなのよぅ。でもね、万の大群が出てきたような迷宮でしょう? アタシたちだけじゃあ不安なのよお。だ、か、ら、実力者のマグナちゃんにも一緒に来てもらいたいなぁって。きゃ、言っちゃった!」
「ふんっ! 筋肉のブタさんは見かけ倒しですわね!」
「ああん、なんか言ったか、小娘ぇ」
副団長のドスの聞いた声、超怖っ!
「アンタたちだって愛しのマグナちゃんの力を借りに来たんでしょう? 一緒じゃないのよ」
「わ、私たちはカル--マグナ殿の力を借りに来たのは否定しませんけど・・・」
もう少し心の声を隠しましょうね?
白百合の副団長さん?
悪口言われてる訳でもないのに、美女に空気扱いされて俺は容赦なく傷心してますよ?
紅薔薇の副団長さんはキモいから、愛しのとか止めてくれませんかね?
あと、ウィンクとかも。
「ラディスもマクシミリアン副団長も、話が進まないからそのくらいにしておけ」
いや、貴女も大概でしたけどね?
「とにかくだな、そういう理由でマグナ殿と従魔の皆にも協力して欲しいのだ。勿論、オストエントの領主と守備隊からの正式な依頼になる。どうだ?」
「ふむ。子細は理解した。我も探索者だ。新たな迷宮とやらにも興味はある。だが、ひとつ条件があるのだが良いか?」
「どんな条件ですか?」
「うむ。実はな--」
という訳で、樹海迷宮の前に迷宮探索することになりました。




