第67話 ベルばらな?白百合騎士団。
「キャーー! 可愛い!」
「さ、触らせて! 撫でさせて!」
「ちょっと! 貴女はさっきもしてたでしょう? 今は私の番!」
マッチョたちに囲まれるこの世の地獄からなんとか生還した俺が見たものは、うって変わってこの世の天国な光景でした。
う、羨まし過ぎるぞ、ピーちゃん、ハム太、モコちーよ!
なんでご主人様が地獄へと誘われていたこの時に!
なぜ綺麗なお姉様方に抱かれてもふられとる!
なぜにお姉様とオネェ様でここまでの差が!
納得いかねえっす!!
†
「あれは女性の騎士だけの〝聖女に捧ぐ白百合の誓い騎士団〟のみなさんです。いつもは凛々しくてカッコいい方々ばかりなのに、意外に可愛いものが好きなんですね」
と、エルメさん。
「う、うむ。うら--んんっ、カルマたちは愛らしいからな。それも仕方あるまい」
くうっ
血の涙を飲んで答える。
ピーちゃんたちは可愛いさ!
可愛いよ!
もふもふサイコーだよ!
でも今だけは、今だけは嫉妬マスクが俺に宿る!
バカップルに天誅を!
ピーちゃんたちにも筋肉を!
「ま、マグナさん?」
「マスター?」
あっ、やばっ!
つい膝をついて両手を掲げて、天に祈っちゃったよ!
「あ、ああ、これは魔法の--儀式の様なものだ。ちと、頭に浮かんだのでつい試してみてしまった。すまぬな」
唸れ!
俺の【詐術】スキルよ!
「流石はマイマスター! どの様な時でも魔導の探求を忘れぬとは!」
「マグナさんは本当に凄い大魔導師さんなんですね。私も見習わなくては」
くっ
クロとエルメさんの尊敬の眼差しが痛い!
痛過ぎる!
これは厨二の痛さとは違いますっ!
†
「こほん。失礼した。私は〝聖女に捧ぐ白百合の誓い騎士団〟で団長を勤めているクヴェトゥシェだ」
「私はラディスラヴァ。副団長を拝命しています」
さっきまでのもふもふ祭りはなかったことの様に颯爽とした出で立ちで自己紹介をする美女二人。
「我は孤高にして万象を司る大魔導師アルス・マグナだ。よろしく頼む」
と、極力平静を装って名乗っている俺ですが、内心は、
巨乳の牛娘さんキターーー!
異世界初!
副団長さんは金髪ドリルお嬢様風でしかも巨乳!!
いや、爆乳級、いやまさかそれ以上かっ!?
団長さんは残念なことに貧乳さんだけど、銀髪ショートで凄く凛々しくて、なんかヅカっぽい感じ?
これはこれでいいですね!
マッチョは記憶の彼方にぶっ飛びました!
もうないもんね!
忘れる力って偉大だね!
いや、美女こそは偉大だね!
そこに美少女のエルメさんが並んで話してると、もう絶景としか言いようがないね!
まだ祭りってるあっちの団員さんたちも遠目に見ても綺麗どころばかりです!
どこかの歌劇団ですか?
霊的な甲冑で戦う方でもいいね!
オストエントの観光名所はここだったのか!
守備隊の中に世界遺産級の名所があったとは、これは盲点でしたっ!!
マグナ大反省!
「クヴェトゥシェ殿にラディスラヴァ殿--」
と、興奮を抑えつつ俺も素敵空間の会話に混ざろうとすると、
「ふふっ、エルメはいつも可愛いな」
「だ、クヴェトゥシェ団長、ちょ、やめ!」
「クヴェト団長、もぅ!」
「妬くなラディス。お前は特別だよ」
こんなやりとりが聞こえてきました。
というか、美女と美少女が目の前で絡んでます。
「・・・・・・」
牛娘さんが尻尾をふりふりで「もぅ!」って可愛いですね。
語尾じゃないよね?
じゃなくて。
何この甘ったるい空気?
あの、お二人は女性同士ですよね?
えっ?
「あー、邪魔した、か?」
「いや、大丈夫だ。マグナ殿と言ったか、すまんな。ラディスは焼きもち妬きでね。ふっ、そこも可愛いのだけどね」
ふぁさっ
と、髪をかきあげる。
なんかこの団長さん、ふとした仕草も男前で格好いいな。
どこかのイケメンなクソエルフとは違いますね。
「まぁ、そんな。お姉様、か、可愛いだなんて。ぽっ」
と、金髪ドリルをいやんいやんと振って頬を染めるラディスラヴァ副団長さん。
おふぅ!
エマニュエルを超える副団長さんの二つの巨峰--いや聖峰が複雑怪奇な動きを!
いやいや、そうじゃないって!
何この町!
異常性癖しかいないんですか!?
ばらの次はゆりですか?
団名の白百合はそっちの意味ですか?
ゆり系頂きました!
薔薇やBLは「ダメ、ゼッタイ」だけど、男だったら百合は許せるよね!
やっふぅ!
騎士団で姉妹なエロゲ展開ですかぁ。
騎士学校とかあんのかな?
ああ、俺の妄想力が・・・
ごっつぁんです!
あっ、そういえばエルメさんに結局勇者について何も聞けてないや。
予想外にふつくしい絵を堪能出来たから、まあいいか!
現金なのはいつものマグナ・クオリティーです!
双峰に貴賤はありません!
けど、揺れる聖峰には惹き付けられるのが男の性!
完全にキャラと出番を食われちゃってる勇者のエルメさんです。
彼女がこの章のメインキャラですよ?




