第6話 俺、勇者じゃなかったの!?
「マグナ殿の職業階級は、やはり魔導師なのですか?」
どうしよう。
ステータスとスキルがあることは分かった。
さて、どうやって確認方法を聞き出すか。
下手に聞くとボロが出そうだ。
うん。
ここは転移しちゃったよ設定を活用するか。
即興の言い訳にしては、何気に便利だ。
「うむ、それなのであるが、話を聞いた限り我のいた国はここからはかなり遠いようだ。国名に全く聞き覚えがない。ステータスやスキル、であるか? 言葉は解るようなのであるが、意味が望洋として理解出来んのだ。それを確認する方法は何かあるのか?」
あー、因みにですが、色々としゃべってる内に緊張は解れてきました。
でも、俺の孤高の魔導師ロールプレイはまだ続いてます。
今更止められないっすよね!
しくしく
よし!
心で泣いて、覚悟完了!
「そのような事もあるのですか。転移の影響でしょうか。遥か遠方には独特な文化があるとも聞いたことがありますわね」
クラウディアさん、素直でいい娘さんですね。
いつか悪いやつに騙されないといいけど。
俺、騙してるのかな。
いや、正直に言っても信じてもらえないだろうしなぁ・・・
と、少し考え込んでいたクラウディアさんが足を止めた。
「マグナ殿、こうして手を見てもらえますか?」
クラウディアさんはそう言って、左手を前に出して手の甲を見つめる。
色白できめ細かい綺麗な肌です。
そういや、アルビノの語源はエルフだったっけな。
「ふむ、こうか?」
俺もそれに倣う。
「ええ。それで、手の甲を見ながら、〝解析〟と唱えてくださいな」
おお!
それはまさに、最初に試して失敗した言葉のひとつ!
リベンジ!
「アナライズ!」
期待マックスに俺は叫んだ!
「叫ばなくてもいいのですわ・・・」
クラウディアさんがぼそっと小声で呟いたが、ここはスルーしておこう。
顔がちょっと赤くなってるのはご愛嬌だ。
と、ピーちゃんがブレス吐いた時のように、俺の左手の甲にきらきらと光が集積し、何もない中空に文字を描いた。
あっ、親切にも日本語表示だ。
どれどれ。
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アルス・マグナ
種族 人族
性別 男
職業 導化師
特技 異世界知識、自動翻訳、厨二病、遊戯支配、運命確変、孤独耐性、隠密、鼓舞、召喚術、飼育補正、思考加速、詐術、解析
加護 --
言語 日本語、旧帝国語
従魔 聖竜カルマ
称号 孤高の魔導師、厨二系飼育係、妄想厨
装備 異世界の服
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いや、ちょっと待て。
職業これ何さ!?
【導化師】ってピエロのことか?
字が違うけど、道化師と一緒なのか?
あの声、俺のこと勇者とか言ってなかったか!?
聞き間違いだったのか?
空耳? 夢? 妄想?
でも異世界転移はしてるよな?
そこは今更疑っても仕方ない。
HPとかMPみたいなのはないのか。
ATKとかDEFとか見たかったなぁ。
特技ってのがスキルっぽいな。
【召喚術】以外が微妙によくわからん。
【思考加速】があるな。
さっきのはフラグだったんだろうか。
げっ、【詐術】もありやんの。
さっきので取得したとかじゃないよな?
あれっ?
そう言えばクラウディアさんもアナライズと言ってたけど、何も見えないな。
「安心してください。ステータスは特殊な魔道具かスキルでも使わない限り本人にしか見えないですの。ステータスを他人に知られることは、弱点にもなってしまいますからね」
俺の視線を感じたのか、彼女が補足してくれた。
「ステータスはどうでした?」
「う、うむ。魔導師、ではあるようだな。少し変則的ではあるようだが・・・」
職業じゃなくて称号だけどね!
勢いで言った孤高が付いちゃってるしね!
つーか、【孤独耐性】って何だよ!
ぼっちで悪いか!
【隠密】って空気ってか!?
オラ、納得いかねぇぞ!
†
「クラウディア殿、このステータスは従魔のものも見れるのかな?」
気を取り直して、クラウディアさんに尋ねてみた。
「私は従魔がいないのでやったことはないのですけど、見られると聞いていますわね」
「うむ。そうか。では、アナライズ--」
ピーちゃんを見て、今度は普通の声量で呟くと、同じように光が集まり文字を画く。
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カルマ(ピーちゃん)
種族 竜種
性別 メス
職業 アルス・マグナの従魔
階級 聖獣(幼体)
特技 竜牙、竜爪、尾撃、竜鱗、咆哮、威圧、浮遊、飛翔、瞬間加速、身体強化、物理耐性、神聖魔法、魔力適性、魔力障壁、精神適応、異常耐性、自己治癒、長命
加護 竜神
言語 竜語
称号 境界を越えし者
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・・・ピーちゃんなんかすげー!
何このチート!?
ちっちゃくても流石ドラゴン!
これ、戦闘系無敵じゃね?
まさかのピーちゃんがチート系主人公ってオチ!?
責任者(召喚したやつ)出てこいやー!
人生の道化。




