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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第一部 大騒動な大氾濫編 第四章 辺境都市行
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第48話 はじめての知識チートです。

勢いでメイドさんの一人目が決まった午後。

俺たちは再びハシム商会に来ています。


屋敷の引き渡しは夕方ですが、ひとつ相談したい事があったので。

旧帝国金貨のオークション出品は結果が出るまで数日はかかるそうなので、今回は別件です。


魔物の大氾濫(モンスター・パレード)の件が落ち着いたら、樹海にある迷宮都市へ行ってみるつもりなので、移動手段が問題なんです。


そう!

馬車が!


馬車のバネが!

なんとかそれまでにサスペンションを開発しなくては!


俺の足腰の平穏のために!


「いやはや、マグナ殿。どうされましたかな? 屋敷の準備は今しばらくかかりますし、オークションはまだ開催されてはいませんが?」


ということで、ハシム商会長のご登場です。


「うむ。屋敷とオークションについては商会長を信用しているからな。そちらの件ではない。今日は少々相談があってな」


「はあ、ご相談ですか?」


「商会長殿はバネをご存じか?」


いしゆみに使われているあれですか? こう、跳ねる感じの?」


商会長が両手を上下に動かす。


「それは多分、板バネだろうな。我が今言っているのは、細い棒状にした金属を螺旋らせん状に巻いたもので、こういったものだ」


俺は昨夜、異世界でどうする会議の後に描いておいたコイルバネの図面を見せる。

図面といっても簡易なもので、落書きに毛が生えた程度だけど。


「ほう! 初めて見るものですな。これはマグナ殿がお描きになられたものですかな? 上手いものですな」


ふっ


厨二病に掛かった剛者つわものなら、一度は夢見るマンガ家やイラストレーター。


この俺もその類に漏れず、マル秘ノートには厨二設定を余すところなく描いたら黒歴史らくがきが満載よ!


たらぁ


あっ、冷や汗が。


PCのハードディスク、押し入れに積まれたエロゲ、本棚のカバーを変えたエロ本、机にしまってあるマル秘ノート・・・


わーすーれーてーたーーー!


あっちの世界の色々、どうなってるんだろう?

死んで異世界転移した訳でもないし、行方不明ならいきなり遺品扱いで漁られたりはしてないよな?


いやいや、大丈夫なはずだ。

きっと。


今は考えても仕方がない。

ひとまずは置いておこう。


手慰てなぐさみですまんが、言葉だけでは分かりづらいかと思ってな。これを利用した乗り心地の良い馬車を作りたいのだ」


「これを使った馬車ですと? どのような?」


「馬車は地面に凹凸おうとつが大きいと揺れがかなりのものだろう? それをこのバネを使って軽減するのだ。乗客だけでなく、瓶など壊れ易い商品の運搬にも効果はあるだろう」


あと、ゴムの木か近い材質の何かがあったら、タイヤも着けたいよね。

いつかそっちも揃えたいな。


まずはバネだね。


「それは! 実現するのならば私ども商人にとっては素晴らしい発明になりますな!」


「うむ。我が祖国ではもっと高度なものもあるのだが、我は専門ではない故、詳しい構造が分からなくてな。簡易なものになるが、この様なものになる」


と、馬車の図面を取り出して見せる。


「ほう! ほほぅ!」


ハシム商会長がちょっと興奮気味だね。

多分、この世界では画期的なんだろう。


「商会長殿にはこれを造れそうな鍛冶かじ師の紹介と、開発が成功した時の販売を頼みたいと思っている」


商人に協力して貰うには、利益もちゃんと提示しないとね?

自分だけの利益あしこしを考えてはダメだ。


「これはぜひとも協力させて頂きたい! 鍛冶師ならばこの街に腕のいい小人族ドヴェルグがいますぞ! あやつならばきっとご期待に応えられることでしょう!」


予想以上に食い付いてきたな。

商人だから、もうちょっとごねるかと思ってたよ。


「そうか。ならばこれから行ってみたいのだが、よろしいか?」


「もちろんです! 早速行きましょう。私がご一緒すれば、まずは断られることはないでしょう。準備をして来ますので、申し訳ないですが少しお待ち下さい」


「よろしく頼む」


よし!

これで馬車の旅が少しは楽になるかもな!



ハシム商会はグロニゲンの街の西側にあり、鍛冶師の工房は北東にあった。

この辺りは工房が集まっている地域らしい。

因みに、川を挟んではいるが、購入した屋敷からはかなり近い位置にあった。


あまり大きくはないけど石造りの工房で、中に入ると人か作業でかは分からない熱気が籠っている。


「おう! ハシムの旦那じゃねぇか! お前さんがここに直接足を運んで来るなんて珍しいじゃねぇか!」


おお、髭面ひげづらのドワーフ鍛冶師!

ファンタジーの定番キタコレ!


「工房長も相変わらずですね。今日は依頼したい案件があってお得意様をお連れしたのですよ。失礼のないようにお願いしますね」


「お! ハシムの旦那がそんなこと言うってこたぁ、余程いい話かい?」


「そうですね。この技術が完成すれば、帝国--いや、大陸中に我が商会と工房長の名が轟くかも知れませんね! はははっ!」


「それは豪気なことだ! ぐわははは!」


いや、それは言い過ぎじゃね?

革新的と言っても、所詮しょせんはただのバネだよ?


「で、俺はどんなもんを造ればいいんだ?」


「はい。マグナ殿、よろしいですか?」


「うむ。これだ」


俺は先ほどの二枚の図面を取り出す。


「どれどれ・・・・・・、これは、ほぅ!」


「分かりますか?」


「こいつぁ、スゲエな。実用化できりゃあ、確かに大陸中からこの工房に依頼が来ることになるだろうぜ」


「工房長、欲張っちゃいけません。注文は我がハシム商会で取り仕切らせてもらいますからな!」


「はは、そりゃそうだ! すまんな、がはははは!」

「ははははは!」


うっわぁ。

悪い商人の顔してるや。


まあ、儲かるもんなら儲けて貰って構わないしな。

俺は馬車の旅が快適になればそれでいい。


あっ、でも今後の事を考えるとちょっとした収入源にはしたいかも。


この世界、いやこの国? この時代?

著作権って発想はあんのかな?


うろ覚えだけど、確か著作権が広まったのって中世後期くらいだって、なんかの作品ラノベで読んだ気がする。

なんとなくだけど、この世界は中世初期か中期っぽい。


「商会長殿、帝国には著作権や版権といったものはあるのか?」


「著作権に版権ですか?」


「うむ。こういったものの発案者や本の著者、つまりは権利者の利益を守る法律だ」


「はあ。工房長、そんな法律はありましたかね?」


「俺は知らんな」


「某も知りませぬ」


あっ、こりゃダメだ。


「完成した新式馬車で大いに稼いで貰っても構わんのだが、我にはそれによる利益はないのか?」


「いえいえ! 著作権とやらの事は分かりませんが、もちろんマグナ殿には売り上げの一部を献上させて頂きます! ですので、我がハシム商会にぜひお任せ下さい!」


「ふむ。ならば良い。阿漕あこぎな真似だけはせぬようにな」


「はい! もちろんです!」


ほっ


「では、工房長殿、構造の詳しい説明をしようか」


「おう! 任せてくれ、御大尽おだいじんの兄ちゃん!」


まあ、こんな感じかな?


もし儲かったなら、クランやなんかの運営費にしたいしな。


これも知識チートだよな。

異世界に来たら、やっぱり何かしないとな!


主人公がハシムに提案したのは、車軸懸架式サスペンションという実際に15世紀以降の馬車に利用されたものです。

主人公(と著者)は専門知識がないので、かなり適当です(笑)


因みにこんなの。

挿絵(By みてみん)

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