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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第一部 大騒動な大氾濫編 第四章 辺境都市行
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第43話 はじめてのネコミミ、です。

その日は大人しく、クジマのおすすめで取った宿屋に戻ることにした。


宿は〝尾鹿おじかの友亭〟と言う。

名前になってる尾鹿は尻尾が長い魔獣らしい。


クジマは先に戻っていて、何故か玄関で大仰おうぎょうに出迎えてくれました。

宿屋の従業員の視線がちょっぴり恥ずかしかったです。


全体的に良い宿みたいだけど、ひとつ問題がある。

というか、さっき問題ができた。


新しい従魔ファミリアのモコちーだ。


そりゃ、でかいからしょうがないよね?


街に入る時は、クラウディアさんと一緒だった時の衛兵さんだったので街門はなんとか無事に通れたんだけど、宿では部屋に入れる訳にもいかず、厩舎きゅうしゃに押し込むことになった。


今晩はモコちーのもふもふを堪能して寝ようと思ってたのに。

残念だ。


もふもふはともかく、いつも厩舎じゃ仲間外れのようで可哀想だからな。


迷宮でかなり稼いだからな。

資金を腐らしておいても仕方ない。


よし!

家買おう!(極端)



「なんと! ご領主の〝暴虐候タイラント〟にお会いしたのですか!」


領主に会ったことをクジマに話したら、すっげえ驚かれた。


そんなに驚く事か?

それより、その物騒な二つ名は何ですか?


暴虐候?

なにそれ美味しいの?


「グロニゲンの街のご領主であるジラルディエール卿は、若い頃に探索者をしていらっしゃいまして、それがしら冒険者や探索者の間では有名なのです」


うん。

それは本人からも聞いた。


「ジラルディエール卿が所属していた上位探索者ハイエンドパーティー〝蒼穹そうきゅうの槍〟は、まさに生きる伝説として有名でしてな。某も子どもの時分には憧れたものです」


はあ。


「〝蒼穹の槍(ミスリル・ランス)〟は、パーティーリーダーにして青く輝く真銀ミスリルの槍を携えた〝蒼穹の槍バルツァー〟、身の丈もある大戦斧グレートアクスの使い手〝剛斧ルドルフ〟、正義感の強い美男子で華麗な剣術を駆使する〝双剣ダブルブレードのステファン〟、紅一点の癒しの治癒士〝聖女ツェツィリア〟の四人組なのです」


ツェツィリアという女性は初めて聞いたな。

想像するに美女か美少女だったのだろう。

聖女は美女か美少女じゃないとなんかヤダ。(我儘わがまま


「帝国--当時は王国ですが、貴族の冒険者や探索者にはろくな者が居らぬ中、各地に蔓延はびこり町や村を悩ませていた魔物や魔獣をほとんど無償で倒して周り、国民に絶大な人気を博しておりましたな。それだけではなく--」


クジマくん、なんかスイッチ入ってる?

魔法の話題になった時のフィロメナみたいだ。


えっと、マニアですか?


クジマによる英雄譚はしばらく続いたけど、途中からは覚えてない。

ルドルフさんの暴虐候の二つ名は、平民に無体むたいを働く暴虐な貴族を懲らしめたことで〝貴族の暴虐を許さない貴族(候)〟と呼ばれたのが、短く略されて暴虐候になってしまったらしいとのことだった。


うん。

きっと見た目で略されちゃったんだと思うよ?



で、次の日。

クジマと従魔を引き連れて、街の中を歩く。


すっげぇ見られてる見られてる。


そりゃ目立つよなぁ。


ピーちゃんとハム太だけならぱっと見たくらいじゃ猫と犬のお供くらいにしか見えないけど、赤々としたモコちーが隣を歩いてんだもんなぁ。


その背にはピーちゃんとハム太の二匹が乗って『キュイ!』とか『ガゥ!』とか鳴いてる。


君らはブレーメンの音楽隊かい?

縦に乗ってはいないけど。


その様子に、いつしか街の子供たちが興味深々で着いて来はじめ、街の人たちも遠巻きに眺めている。


さながら俺はハーメルンの笛吹き男(パイドパイパー)ですか?


あっ、なんか響きがカッコいい。

厨二オレの心にぐっときたぜ!


今、俺は予定通り家を買おうと不動産を扱っている商会に向かっている。


まさか、この歳で家を買う事になろうとは。

人生って分からないものですね。

異世界転移なんてしといて今更ですが。


「我が主、ここの商会が不動産も扱っております。少々値は張るでしょうが、信用出来るところがいいでしょう」


と、クジマ。


「うむ。お前に任せる」


「はっ!」


かしずくクジマがなんか嬉しそう?

忠臣属性あるよね。


からん


「いらっしゃいませ」


商会の建物の扉を開けると、女性の店員さんが笑顔で俺たちを迎える。


「店員、我が主が屋敷を探している。商会長はいるか?」


屋敷て。

あいつら冒険者たちも泊まれるような建物にはするつもりだけど、そんな大仰なものは考えてないですよ?

合宿所みたいなのが理想的だな。


「はい。すぐに呼んで参りますので、少々こちらでお待ち下さい」


すぐにカウンターがある店舗の隣にある応接室に通されてお茶を出された。


おおっ、接客がまともだ。


一度、後進国へ外国旅行に行った時には、店の接客がどこも適当で日本の有り難みを知ったからなぁ。

中世風の世界でちゃんとした接客されるとはちょっと以外かも知れない。


「ああ。我が主に失礼のないようにな。商会長にも伝えておいてくれ」


俺、どこぞの御大尽おだいじん様ですか?


なんか緊張してきた。


いや、お客様は神様です。

きっとこの世界でも似たようなものだ。


条件は伝えてあるし、俺はドンと構えて後はクジマに任そう。

基本はやっぱり丸投げだ。


カチャ


しばらく待っていたら、応接室の扉が開いて恰幅かっぷくのいい中年のおっさんが入って来た。

多分、商会長なんだろう。


「おお、クジマ殿! 久方ぶりですな! いつぞやは世話になりました」


あっ、知り合いなんだ。


「今日は屋敷を見たいとのことですが、こちらの方が?」


商会長のおっさんがちらっとこちらを見る。

あっ、これは値踏みされてるな。


しかぁし!

伝説級装備レジェンダリーに包まれた俺に隙はない!


元はただの高一(パンピー)でも、馬子まごにも衣装なのだ!


ふはははは!


「ほぅ」


と、商会長はぎりぎり聞こえるか聞こえないかくらいで小さく嘆声する。


やっぱり分かるんだね。

人じゃなくて装備の良さがさっ!


「この方は新しい我が主だ。失礼のないように頼む」


「これはこれは。私は当商会で商会長を務めさせて頂いております、ハシムと申します。ぜひ今後ともお見知りおき下さい」


商会長は慇懃いんぎんな態度で俺に挨拶をする。


ちゃんとした取り引き相手として見てもらえたかな?


「うむ。こちらこそよろしく頼む」


そう俺が頷くと、ハシム商会長はソファーの対面に腰を下ろす。


その拍子に、頭の上で何かが動いている。


・・・・・・


はっ、一瞬意識が飛んでたっ!?


はっ、はじめてのネコミミが、耳ぴくぴくが!


恰幅のいいおっさんですかーーー!?


いっ、た、い、誰、得、な、ん、だ、よ!


いい加減にしろ、こらーーー!!


すいません。(汗)

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