第40話 領主様に会いました。
えっと、オーガ?
これが、グロニゲンのご領主様に会った第一印象です。
玄関をはじめ屋敷の大きな扉はご領主様のためですか?
だってさ?
どこのアーノルドって感じなんですもん!
武辺者とか古強者とか歴戦の勇者とかのレベルじゃないってばよ!
背が高くて、筋肉隆々で、しかも強面ですよ?
ウィンテンの酒場のマスターもマッチョメーンだったけど、一回り、もしかしたら二回りくらいでかいかも。
迷作な名作と言われる超な兄貴や某魔法少女服を着た筋肉ボディービルダーを想像して下さい。
はい、想像しましたか?
それを更に大きくした感じです。
ぜってぇそっち系の血が混じってるってさ!
巨人かオーガとの混血とかだって!
角はまあ、ないけどさ。
いや、混じってるはずだ!
きっと!
どこかの調査団の方、出番ですよ!
立体機動でさくっと駆逐してやって下さい!
「ルドおじさま、この方が先日お話ししたマグナ殿と、従魔のカルマ殿ですの。あと、新たに従魔となったガリア殿ですわ」
おじさま!?
い、イメージが・・・
「そうか! よく来たな! 儂がグロニゲンの領主をやっとるルドルフ・エル・ジラルディエールだ! お主はクラウの命の恩人であるからな、ルドルフで構わん! よろしくな! がはははは!」
あっ、見かけはともかくフレンドリーだな。
駆逐しなくていい?
あと、声でかっ!
エルって、エルフの貴族に付くんじゃなかったか?
ドイツのフォンみたいに・・・
いや、聞かなかったことにしよう。
マッチョエルフなんて存在する訳がない。
いる訳がない!
いていいハズがない!
ですよね?
「うむ。大魔導師のアルス・マグナだ」
相手が領主だからって、遜らなくてもいいよね?
だって、大魔導師だからね?
大丈夫だよね?
どきどき
くぅ、メイドが!
メイドさんさえいれば、俺は無敵モードにきっとなれるのにっ!
なんで部屋の前までなんだよ!
俺、理不尽ですね!
「クラウの言っていた通りだな。初めて儂に会った者で、驚くだけで物怖じせんとは珍しい。しかし、聞いて想像していたよりも若いのだな。しかも魔導師なのか? 召喚士や魔獣使いではなくか?」
うん。
それには俺も同意する。
魔法使えるようになったけど、未だに主戦力は従魔のこの子たちだし。
「それに従魔らもなんとも可愛らしいではないか。竜とはいえども、商協同盟の奴ばらを一蹴したとは信じられん」
『キュイィ!』
本当だよ! かな?
「本当ですわ、ルドおじさま。カルマ殿は可愛くて強くて可愛いのですわ」
クラウディアさんがそう言ってくねくねしてる。
こね人、可愛い二度言ったよ。
ピーちゃんデレはここでも健在ですか。
「まあ、無理はないが真実だ」
「それに、先ほど伺いましたらマグナ殿とカルマ殿、それにガリア殿でウィンテンの迷宮を踏破したらしいですわ」
「なんと! それは誠かっ!」
くわっ、と目を見開く筋肉領主。
おおぅ。
もしかして、【威圧】のスキル持ってませんか?
「うむ。信じられぬのも仕方ないがな。もし確認が必要なのであれば、ウィンテンの長老や探索者たちに使いでも出して聞けばよい。その内に向こうからも報告はあるだろうが」
「ほう! それは重畳だ! 今回の話にはうってつけではないか! がはははっ!」
「そうですわね。きっと私が救われたことも含めて、神の采配なのですわ」
なんか意気投合してます。
「そうかも知れんな。がははははははは!」
「ふふふふふふ」
このふたりって似てる?
外見はともかく。
「すまんが、話がまったく見えん。説明してもらえぬか?」
「いや、そうだな。とにかく座ってくれ。茶でも飲みながら話そうではないか。儂も昔は探索者紛いのことをしておってな。せっかくだ。マグナの迷宮踏破の武勇伝も聞かせてもらおうではないか! なあ、クラウ!」
「はい、ルドおじさま」
貴族の当主だからジラルディエール卿?
爵位なんだ?
いや、ルドルフさんでいいのか?
まあ、本人がいいっていったかんだから、ルドルフさんでいいや。
身分の重さが分からない。
ザ・日本人な俺!
ちりりん
そのルドルフさんが机の上に置いてあった小さな鈴を鳴らすと、さっきのメイドさんが部屋の扉を開けて現れた。
おお、メイドさん召喚した!
なにその素敵アイテム!
魔道具ですか?
むっちゃ欲しい!!
いや、扉の向こうで待機してただけですよね?
分かってますとも。
でも欲しいっす!!
メイドさーん!
はーい!(脳内裏声)
†
かちゃん
と、美少女メイドさんが高級そうなティーカップを僅かな音を立てて並べていく。
うむ、仕草も優美だ。
これぞリアルメイドだ。
名前も知らんけど!
聞いてみたいとは思っても、切っ掛けもなくいきなり聞いたらただのナンパだしね!
いくら年季の入った魔導師ロールプレイって言っても、コミュ症にはナンパ紛いのことはハードル高過ぎますよ!
本物は作り笑顔で、
「ご主人様ぁ、一緒に愛情を注ぎましょうね! はい、おいしくなぁれ、萌え萌え、きゅん!」
とかとは言わないのだ!
あれ、普通にお店行っちゃうと引くよね?
話が進まないので、素敵メイドについては残念だがここまでにしよう。
また機会があれば、メイドについて語り合おうではないか!
友よっ!(誰?)
主人公が節操なしになってきた。
あっ、最初からか!
※アーノルドは、武闘派コナンや未来から来た機械人間を演ってたあの人です。
元はただのボディービルダーで今は政治家で大財閥の閨閥という、リアル成り上がり者ですね。




