第39話 メイドさんキターーー!(ハイテンション)
こほん
と、居住まいをして取り繕うクラウディアさん。
何度も言いますが今更ですよ?
クラウディアさん。
「えっと、その、ですね。そ、そうですわ! ウィンテンの迷宮を踏破したとは!?」
いやいや、思いっきり忘れてましたよね?
それこそ今更ですよ?
「向こうに行ってから色々とあってな。長老に迷宮攻略を頼まれたのでな。何日か籠って一気に踏破した」
「一週間で?」
「うむ。正確には三日ほどだな」
「あっ、あり得ませんわ。どんなに上位の探索者パーティーが挑戦したって、あの難易度の迷宮踏破には一月は掛かりますわよ?」
「と、言われてもな。初日は途中でトラブルがあったので第三階層までしか進めなかったのだが、二日目で第二十階層まで到達して階層主を倒せたからな。ついでにそのまま一泊して第三十階層まで攻略したのだ」
うん。
そのまんまだ。
トラブルってのは三人娘を助けたことだ。
そのまま送って帰ったからな。
「ハム--ガリアが大活躍だったな」
『ガウ!』
左手で膝に乗ってるハム太の頭をなでなでする。
『クゥン』
て、犬かっ!
『キュ? キュ?』
私は? 私は?
みたいな感じか?
「もちろん、カルマも凄かったぞ」
右肩にとまってるピーちゃんの喉をかりかりする。
『ミュゥ』
て、猫かっ!
あっ、クラウディアさんが羨ましそうに見てる。
いや、あんたさっき小一時間堪能してたよね?
このままだと憧れのクラウディアさんまで、三人娘と扱いが一緒になってしまいそうだ。
話を続けよう。
「それで、第三十階層まで行くと、迷宮主が成体のドラゴンだったのだが--」
「ど、ドラゴン!?」
なんかこんな反応にも慣れてきたな。
ギギギ
と、クラウディアさんの首がピーちゃんの方を向く。
「いや、もちろんカルマのことではないからな?」
そこでボケられても、ねぇ?
「で、流石はドラゴンでな。財宝が山ほどあったのだ。これらの装備はそこで見繕ったものだな」
クロが従魔になったことは念のため伏せておく。
やっぱ地雷っぽいし。
「・・・・・・」
あっ、クラウディアさんの目が点になってる。
初めてじゃないか?
レアだな。
心の画像フォルダに仕舞っておこう。
しばらく固まっていたクラウディアさんを正気に戻し、依頼について聞くことにした。
「もう、何を聞いても驚かないことにしますわ」
とか小さく呟いてた。
そうしてくれるとありがたい。
ハム太が聖獣だってのもタイミング的に話せなかったし。
その内どっかで知るだろうけどね。
「さて、では依頼についてだが--」
「予想外のこととはいえ、取り乱して申し訳ありませんでしたわ。今回の依頼についてですが、場所を変えてお話しさせて頂いても構いませんか? お連れしたいところがありますの」
なぬっ!
別の場所のお連れしたいところ!?
どこかに連れて行かれちゃう?
ふたりでどこに行くっていうのですか!?
もしや、デート、デートですか!?
いつフラグが立った!
速攻で迷宮踏破した活躍でか!?
はたまた装備が格好良くて思わずデレたか!?
「実はマグナ殿に紹介したい方がおりますの。説明が二度手間になりますし、そちらで話ましょう」
・・・・・・
妄想乙?
いや、まだ望みはある!
きっとある!
†
「マグナ殿、ここですわ」
クラウディアさんが俺を連れて来たのは、グロニゲンの街の領主館でした。
うっわぁ。
まさかのご領主様ですか。
領主ってことは、お貴族様ってことデスヨネ?
はっ!
まさかお父様にご紹介したいと!
あらゆることすっ飛ばしていきなりですか!
いやぁ、困っちゃうなぁ。(てれてれ)
「この街の領主様は父の古くからの友人ですの。若い頃には探索者や狩猟者に交ざって、魔物や魔獣を狩っていた武辺者ですわ」
「うむ・・・」
強者共が夢の跡。
ペンペン草も生えないくらいに妄想をスルーされたアルス・マグナ15才です。
異世界で探索者やってます。
しつこいですか?
ちょっぴり、ほんのちょっぴりだけ傷心中です。
そういえば、クラウディアさんのお父様は辺境伯でしたね。
ここが領都ならともかく、一地方都市にいるわけないや。
暴走し過ぎました。
気を取り直して行きましょう。
クラウディアさんは守衛さんに挨拶すると、慣れた感じで領主館に入って行きます。
明治時代の豪邸か美術館みたいな領主館に俺はちょっとだけ腰が引けてますが、なんとか体裁は保ったまま彼女に着いていきます。
なんかこー、ね?
場違い感がハンパねぇですよ。
まだ玄関ですけどね?
扉でかくね?
オーガでも来んのか?
あっ、外交とかで来る可能性もあるのか。
オークやゴブリンと一緒でオーガも人種だもんな。
「お待ちしておりました。クラウディア様。それとマグナ様、で宜しいでしょうか?」
と、玄関を潜ると壮年の紳士が頭を下げて迎えてくれました。
・・・セバスチャン!?
テンプレ執事キタ!?
「ええ、フリッツ。そうですわ。大魔導師のアルス・マグナ殿です」
俺が答える前に、クラウディアさんが紹介してくれる。
「ようこそおいで下さいました。私は家令のフリッツと申します。お見知りおき下さい」
恭しく礼をする家令のフリッツさん。
セバスチャンじゃなかったか。
ちょっと残念。
執事というと創作系でセバスチャンなのはなんでだろうな?
類似でセバスちゃんとかもなんかでいたよね?
なんかの刷り込みか?
「うむ。こちらこそよしなに頼む」
確か、家令って執事より偉いんだったよな?
念のため機嫌を損ねないように気を付けよう。
えっ、ヘタレだって?
いいんです。
身分差の厳しい世界では、長いものには巻かれておくとです。
コミュ症なりの処世術だとですよ。
「では、こちらへ」
「いらっしゃいませ、クラウディア様。ご無沙汰しております」
家令のフリッツさんが踵を返すと、後ろに控えていた女性が深々としたお辞儀をして俺たちを迎えた。
メ・イ・ド、キターーー!!
†
えー、一言で厨二病と言っても色々とありまして、ファンタジー系が特に好きだった俺です。
異世界に来て感動する事も結構あるからいちいちテンションが高めなので、ちょっぴりおかしいかなとも思いますが、仕方ないですよね?
今日、俺は新たな感動を噛み締めてます。
なんと、今、正に俺のすぐ前を本物のメイドさんが歩いています。
黒のロングドレスに白いエプロン、そしてメイドの心、ヘッドドレス!
これは古き良きヴィクトリアン・メイドの正統派スタイルってやつですね?
王道ですよ!
ひゃっほぅ!
そこそこ!
実在のメイドはどうたらこうたらの蘊蓄はどうでもいいんです。
美少女(最重要)がこの格好をしているからいいんです!
しかも、アキバなんかにいっぱいいる系のなんちゃってメイドさんじゃなくて、本物ですよ?
モノホンのメイドさんがお尻をふりふり、エプロンのリボンをふりふりして歩いてるんですよ!
やっふぅ!!
嗚呼、スカートの下の清楚なタイツと魅惑のガーダーベルトの有無は如何に!
クラウディアさんに肩透かしを食らって意気消沈してた俺に、女神様のご降臨です!
いや、クラウディアさんは悪くないですけどね?
俺が妄想を暴走させてただけですから。
あっ、エロゲやAVでメイドがいいとこでエプロンを外しちゃったり、ヘッドドレスを取った時に、チッ!と舌打ちするのは俺だけじゃないはずです。
絶対に俺だけじゃないはずです!!(性年の主張)
いやー、エロフもといエルフにケモミミにメイドさんですかー。
リアル異世界パネェ!
もう、領主に会う緊張なんか吹っ飛びましたね!
領主でも国王でもバッチこい!!
今の俺は無敵だぜ!(意味不明)
書いてて気になったので「セバスチャン」でググったら、アルプスの少女ハイジが日本で広まった元っぽくて、名作系だとペリーヌ物語、最近だとプリキュアや黒執事、ゲームだとポケモンや妖怪ウォッチにもいるんですね。執事じゃないのも含めて。
っつーか、執事(家令)とメイド(モブ)で半分くらいいっちゃったよ。
なんだこの小説? これでいいのか著者!(悩)




