第38話 モフラーには優しくします。
帰って来ましたグロニゲン!
やー、半日もの馬車の旅から解放されて、気分爽快です!
でも、足腰はダメポです!
バネとサスペンションは時間が掛かるかも知れないけど、座布団はすぐに作って貰おう。
布に綿を摘めたくらいのものなんだから、どっかに売ってるかもな。
前に寄った雑貨屋のおば--お姉さんにでも聞いてみよう。
そうしよう。
「では、宿を探して一息ついたら、守備隊の詰め所に行ってみよう。クジマはどうする? 先に妹御に会うか?」
「はい。御許し頂けるなら、某は妹の容態を見て参りたいと思います。数日とはいえ、予断は許さないかも知れませぬ」
「うむ。では合流場所も兼ねて宿を決めるか」
前は守備隊の詰め所に泊まったからな。
この街の宿屋事情は分からない。
「宿でしたら某に心当たりがありますぞ」
「そうか。なら任せよう。案内を頼む」
「はっ!」
と、胸に手を当てて敬礼するクジマ。
『キュ!』
『ガゥ!』
真似するピーちゃんとハム太。
いや、君たちは知らんよね?
†
「マグナ殿! よく来てくれましたわ! まださほど日が経っていないというのに、随分と探索者らしくなられましたわね!」
守備隊の詰め所に顔をだしたら、クラウディアさんから満面の笑顔で歓迎されました。
ふふん
ちょっと気分がいいです。
「というか、なんか装備の質が・・・えっと、え? マグナ殿、ですよね?」
おっ、クロ財宝の良さが分かるのか?
「うむ。我は孤高の魔導師にして、万象を司るアルス・マグナである。一週間ぶりだな。クラウディア殿」
「ええ、一週間ぶり、ですわね。一週間で何があったのです? 詳しい事までは分かりませんが、その装備はかなりの--それは上位品ではないですの?」
クラウディアさんはすごく不思議そうな表情をしている。
まあ、そうだよね。
前の時はこの世界じゃよく分からん学生服で、今はメインが伝説級だもんな。
学生服がこの世界の服に比べて仕立てや質がいいといっても、ただの服だったし。
防御力はきっと1だな。
「うむ。実は運良くウィンテンの迷宮を踏破してな。迷宮主の財宝に良い物があったのだ。なあ、カルマよ」
『キュイ!』
ピーちゃんが首を伸ばして、耳飾り《イヤリング》と首輪を見せる。
『が、ガウ!』
「おお、ガリアもだな」
抱き上げてなでなでする。
「!!!」
「な、なんですの? その、カルマ殿にも勝るとも劣らない可愛こちゃんはっ! なんですのっ! なんなんですのっ!」
やっべ。
想像以上に食い付いちゃった。
そっか、ハム太はテーブルの下にいたから、後から来た彼女には死角になってて見えてなかったのか。
ちょっとちょっと。
迫って来ないでクラウディアさん!
そんなに顔を近付けたら、女性の免疫少なめな俺には厳しいです!
あっ、免疫が無いじゃなくて少ないってのは、クロの裸族事件とかね?
「く、クラウディア殿、お、落ち着いてくれぬか」
「はぅ! 失礼しました。私としたことが・・・」
頬を染めて、ぱっと離れるクラウディアさん。
いやぁ、整ってて綺麗なお顔でした。
役得役得。
いや、可愛いもの好きなのも、仲間なのも知ってましたけどね?
前にあれだけ壊れておいて、今更ですよ、クラウディアさん?
「良い。時間はそれなりに取ってあるのだろう? なら、少し遊んでやってくれ。ピーちゃんとも久しぶりであるからな」
「い、いいのですか! じ、時間はどうにかしますの! ぜひお願い致しますのですわ!」
あっ、もしかして結構忙しかった?
そういえば、それで俺も呼ばれたんだっけ?
「うむ。カルマ、ガリア」
でも、クラウディアさんのきらきらした目を見たら今更撤回できないな。
うん。
『キュ!』
『ガウ!』
ピーちゃんとハム太がクラウディアさんに飛び付く。
「はわわわわ!」
はわわわわ、て。
なんか目がハートになってませんか?
それにしても、相変わらず君たちは人見知りしないね。
確か、どっちも伝説級の聖獣だったよね?
クラウディアさんはもう、目尻がこれ以上ないってくらいに垂れ下がってる。
モフラー仲間だからね。
幸せは分かち合わないとな。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「あー、クラウディア殿?」
「はひっ!」
はひっ、て。
あんたどんなキャラやねん!?
「そろそろ依頼の話を聞きたいのだが・・・」
「し、失礼しましたわ。私としたことが、ううっ」
いや、そのセリフ、既に二回目ですよ?
美少女と小動物の戯れは、俺にとっても目の保養でしたけどね!
堪能しました。
ほうっ
■美少女と小動物。例えるなら魔法少女もの?
「へんしーん! 魔法少女騎士クラウ! 領主に代わって成敗よ!」
あっ、騎士って付けただけで18禁エロフ展開になりそう(笑)




