第35話 はじめての家臣。
PVやユニークがなんかが地味に増えて嬉しいです。
でも、多くの方はブクマ保留・・・。
ブクマ、評価、感想ありがとうございます!(真剣)
執筆の励みになります!(必死)
「我は冒険者に詳しくはないのだが、暗殺者の真似事などの依頼も多いのか?」
倒れてる奴らは分かんないけど、技術的なことはともかくジンさんはあんまりこういう依頼を受けそうな感じじゃないよな。
関係なさそうなクロを見逃そうとしてたし。
あの時点ではクロが強いとは思ってなかったろう。
ハム太を抱いてたあの絵面で見抜けたらすごいよね?
「いや、荒事の依頼はそれなりに多いが、暗殺などはそうはない。この件も手紙が手に入ればそれで良かったのだ。拒否されれば力ずくとのことではあったが、この人数に囲まれて駆け出しの探索者が拒む可能性は少ないと見たからこそ、某は依頼を受けたのだ」
こういうのを苦汁の表情って言うんだろうな。
すごく後悔してる顔だ。
あっ、仮面は転がした時にジンさんとウォッカさんは外してあります。
拷--
げふんげふん
尋問するかもしれなかったので。
「事情、と先ほど言ったが、話せるか?」
「む、そうだな。すべて白状するという約束だから、な」
眉をひそめながら、遠い目をする。
うっわぁ、聞いちゃマズかった感がひしひしとする!
「他の者たちの事情までは知らないが、某は・・・、某の妹が病で倒れてしまってな。早急に金が必要だったのだ。一攫千金を狙う冒険者稼業ではままならず、迷宮探索や魔獣討伐ではどうしても博打になる。だから、情けないことではあるがこの依頼は渡りに船だったのだ・・・。結果はこうだが、な。某は役人に引き渡され、妹はそのまま・・・手遅れになる、だろう」
ジンさんはすっごく辛そうだ。
どうしよう、この空気。
やっぱり聞かない方が良かったな。
創作系には良くあるとは言え、こういう話には弱いんだよなぁ。
読んでる時には主人公に、偽善者が!とか思ったりもしたけど、現実だと、ね。
はぁ
冒険者、か。
なんか複雑な気分だ。
異世界転移したらやっぱり冒険者ギルドに行って、登録しようとしたら素行の悪いチンピラ紛いの冒険者に絡まれて、何らかのチートでギルドランクを最速でアップさせて、何故か美人受付嬢には惚れられて、運良くギルティマスターには目を掛けられて指名依頼を次々とこなし、誠実な商人と知り合って知識チートで大儲けして、貴族や王族とは敵対するか仲良くなるけど、結果としては成り上がる。
そんな御都合主義な異世界ライフを、来たばかりの頃は想像してました。
まあ、早々にクラウディアさんにへし折られた妄想だったけど。
「ジンさ--お前の名は?」
「某はクジマ・オルロフ。南東、クーイウ大公国から流れてきた落ちぶれ貴族の末だ」
元貴族か。
それで使用人らしき人物から、依頼主が貴族だと推察出来た訳か。
ふぅ
仕方ないか。
元々悪い人じゃないみたいだし、これも縁ってやつなのかな。
よし!
腹を括ろう。
「では、クジマ・オルロフ。これまでの話に偽りがないと誓い、汝が我を主と仰ぐのなら、この度の罪を赦し、妹御の病についても最善を尽くすと約束しよう」
俺は長杖を掲げ、大仰に、そして芝居がかったふりをして彼に問う。
信じられないものを見るかのように、目を見開くクジマ。
「クジマよ、返答は如何に?」
クジマは片膝を着き、左手を腰、右拳を地面に当てて頭を垂れる。
「はっ。某、狼人族と鬼人族の双種がクジマ・オルロフ。大魔導師アルス・マグナ殿を主君と仰ぎ、生涯を尽くすと誓いましょう」
中世の騎士の様にクジマは口上を述べる。
感極まったのか、涙すら流して。
こうして、俺に最初の家臣が出来ました。
まる。
†
『ガゥ!』
あっ、ハム太が尻尾を振りながら戻ってきた。
後ろから着いてきてるのは--エマニュエルさんか。
ダークエルフは暗いと判別しにくいな。
しかし、さっきまで挟まれてた麗しき霊峰さんをチョイスするとは、実はエロ犬なのか?
ハム太、オスだし。
「それで、この黒い人がいっぱい状況はなんなのですか?」
「簡潔に言うと、こやつらに襲われたので返り討ちにした」
「この人数を、無傷で返り討ちですか。流石というか、呆れるといいますか・・・」
「まあ、大魔導師である我にかかれば、このような事は雑作もない」
実際はほとんどクロがやったけど、ドラゴンだってことは内緒だからね。
「この国の法では、この様な場合はこ奴らの処遇はどうなるのだ?」
ファンタジーのパターンなら鉱山送りの強制労働か奴隷落ち?
中世だと窃盗で手や腕を切断とか、姦淫で去勢とか確かあったよな?
まさかいきなり極刑とか?
あっ、でも命を狙ったというよりは手紙を奪うのが目的だから、強盗未遂?
「そうですねぇ。私も詳しい訳じゃないですが、この様な場合はマグナさんに委ねられるんじゃないでしょうか?」
「我に?」
「はい。官憲に突き出しても構いませんし、奴隷に落として奴隷商に売り払ってもいいです。ただ、奴隷にする場合には結局は役人に届け出がいりますけど。罪人じゃない人まで簡単に奴隷に出来たらマズいですしね」
「ふむ」
「この町には常駐の守備隊も居ませんから、どちらにしても長老に相談して自警団に一度引き渡して、奴隷にするならグロニゲンまで連れていって奴隷商に引き取ってもらう感じですかねぇ」
まあ、小さな町じゃそんなもんか。
「では、夜遅くに申し訳ないが長老宅に伺うか。クロ、そいつら全員起こしてくれ」
「イエス、マスター」
それ、気に入ったの?
†
ジン--じゃなかった。
クジマを起こした時みたいに、クロは倒れてる襲撃者たちの腹に蹴りを入れて起こしていった。
ほとんどが訳がわからず轟沈していたので、気が付くと同時に歯向かってきた奴もいたけど、大体がクロの腹パンで再び意識を失った。
クジマは全員が生きてる事に驚き、そして俺たちが手加減していた事に感謝された。
因みに、エマニュエルがクロの容赦なさにちょっと怯えてた。
うん。
あれ見たら普通は引くよね?
意外だったのは戦斧使いのウォッカさんで、気が付くなり俺に向かって「アニキ!」とか言って懐いてきた。
強い者にはまったく従順みたいだ。
野生動物かっ!
クロは「姐さん」呼ばわりされていたけど、当の本人は満更でもなさ気だった。
反抗的じゃない奴らはクジマに説明させた。
起き掛けに歯向かってきた奴らと反抗的な奴らは、気絶させてそいつらに長老宅まで運ばせることにした。
エマニュエルが一足先に長老宅に向かい説明をしてくれたので、対応は早かった。
長老は深夜に叩き起こされたのに泰然としていて、
「まあ、〝三日踏破者〟のマグナ殿だからのぅ。ほっほっほっ」
と笑っていた。
迷宮踏破を報告した時のショックからはちゃんと回復したようだ。
三日踏破者って何ですか?
事実だけど。
長老宅の納屋に襲撃者たちを押し込め、自警団の若者が数人警備についた。
納屋には念のために結界を張って、出入り出来ない様にしておいた。
家臣になったクジマを連れて俺たちは宿の竜の尻尾亭に戻り、色々あって精神的に疲れたのですぐに寝た。
お休みなさい。
ぐぅ
書いてたノリで仲間が増えた!
せっかくなのでどこかで活用します。(適当)
※双種は一般に言うハーフのことですが、個人的に半分って言い方が過ぎじゃないので。英語だとダブルみたいなニュアンス?




