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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第一部 大騒動な大氾濫編 第三章 迷宮踏破者
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第32話 狐耳っ娘はゆるゆりですか?

「昨夜はお楽しみでしたね!」


疲れたので午前中を寝て過ごし、宿を出る時におばちゃんのこのセリフ。


おばちゃん・・・

やっぱりかよ。


いや、そんなR18(エロゲ)な展開無かったですよ?

俺はまだDT(チェリー)ですよ?


虚しい。

虚し過ぎる。


おばちゃん言いたかったのかな?

男女混合パーティーって少ないみたいだから、もしかしたら今まで機会がなかったのかも知れない。


この世界にあの超有名RPGってないよね?

もしあったらやりてぇ。

この世界がゲームっぽいですが、文明がちょっと恋しいです。


数々の作品エロゲを制覇した妄想厨の自覚もありますよ?


エルフもケモミミっ娘もありですけどね?

異種族ハーレムどんと来いですけどね?


初めてがガチドラゴンってのはどうよ?

いくら美少女ってもさ。


最初は人族かそれに近い方がいいです。

まあ、相手はまだいませんが。


というか、そもそもクロが俺をそういう目で見てないからね?


勘違い妄想乙!



そんな訳で(どんな訳?)、再びやって来ました魔石商!


宿を出る前にクロの財宝を【鑑定】スキルでざっと見ておいたんだけど、はっきり言って価値が分からんものばっかだった。


アイテムは特級[SR]とか特上級[UR]とか無駄に高価そうな物ばかりだし、旧帝国金貨とかの貨幣がいっぱいなんだけど、肝心の帝国金貨とかがまったくなかった。


江戸時代のお金が現代で使えないようなものだね。

考えてみれば、そりゃそうだわ。


両替商とか古銭商とかは中世にもあったはずだから、グロニゲンみたいな大きな街で探すことにした。


だから今日は、迷宮攻略で俺がひたすらに拾いまくった魔石を処分しに来ました。


ただ、旧帝国金貨を見せて両替商とかのつてがないかくらいは聞いておこうかなと。

あと、ドロップアイテムってどこで買って貰えるかもそう言えば知らないし。


俺はピーちゃんを肩に乗せ、クロはハム太を両手に抱いて店に入る。


宝物庫でピーちゃんやハム太に装飾品アクセサリーを付けるのを遠慮していたクロだったけど、昨夜寝ている彼女の所にハム太が潜り込んで一緒に寝たらしく、朝にびっくりしていたみたいだけど、くせになったらしい。


もふもふは偉大ですね!


ただ、同族の神様未満のピーちゃんには、まだ流石に一歩引いてる。

まあ、この感じだとその内慣れるだろう。


からんからん


と、扉の鐘が鳴る。


「いらっしやいませ! 魔石商ヨーコにようこそ!」


狐耳っ娘の看板娘さんは相変わらず元気いっぱいだ。


「数日ぶりだな、ヴィタ」


「あっ、新人探索者さん! 今日は三美神トライ・ゴッデスのみなさんと一緒じゃないんですね! マグナさん!」


あっ、やっぱりその二つ名広める気なんだ。


「あれらとは臨時のパーティーだったからな。ああ、彼女は正式な仲間となったクロだ」


一応、クロを紹介しておく。


「クロティルド・ファフニールです。クロで構いません」


と、堂に入った微笑ほほえみで挨拶する。

長く生きてると竜でも色々と空気を読めるらしい。


裸に対する羞恥心しゅうちしん以外はな!


「はう。竜人族ドラクルの方なんてこのあたりじゃ珍しいですね! 私も初めてお会いします! よろしくお願いします!」


何故か頬を赤らめる狐耳っ娘(ヴィタ)


三人娘の時といい、まさか百合ゆりっ娘じゃないよな?


・・・も、妄想が。


「マグナさんはいつも(・・・)お綺麗な方と一緒なんですね。他の男性探索者さんに刺されないように気を付けてくださいね! あはっ」


あはっ、じゃねぇよ!

探索初日の酒場での殺気の籠った視線考えたら、洒落しゃれになってねぇ!


っつーか、嫉妬ジェラシーじゃないよね?

まさか刺すの君じゃないよね?


・・・大丈夫だよね?


「う、うむ。気を付けよう」


マジで。

色々と。


「今日はまた、魔石の買い取りですか?」


「うむ。クロ、カウンターにすべて出してくれ」


次元鞄ディメンション・バッグから魔石を取り出しながら、クロに指示をする。


クロ曰く、次元鞄は等級グレードよりもレア度が高いらしいので、普通の鞄に入りそうな範囲で魔石を分けて持ってきている。


「はい、マスター」


「マスター?」


と、ヴィタが疑問系でぼそっと呟いた。


ちょっと気になったが、俺はスルーしておく。

もしもを考えたら、なんか怖いし。


因みに、クロにはマスターじゃなくマグナと呼び捨てかマグナさんと呼ぶように言ってみたのだけど、ピーちゃんに配慮し(おびえ)て了承してくれなかった。


俺とクロは、黙々《もくもく》と魔石を積み上げていった。

前回の数倍はある。


「な、な・・・」


ヴィタは目を見開いて魔石を凝視する。


「これで最後です。マスター」


「うむ。こちらもだな」


積み上げられた魔石を見て、愕然とするヴィタ。


「えっ、四日前にあれだけ持ってきて、この数日で、この数ですか?」


「うむ」

「マスターたちなら当然です」


と、ふふんとばかりに胸を張るクロ。

なぜお前が自慢気?


「しかも、この質・・・中層、いえ、まさか下層?」


先日、ヒュージ・スライムの魔石を見た時には若干きらきらしていたが、今は信じられないものを見るような目をしている。


全部出したのは不味かったか?

でも死蔵おくらいりにしていてもなぁ。


「そうだ。隠して置いてもすぐに聞くことになるだろうからな。昨日、下層を攻略した」


「えっと、第二十階層を?」


「いや、それでは中層であろう? 第三十階層だ」


「はあ、第三十階層をこうりゃ、ええええぇぇぇぇぇ!!」


驚き過ぎじゃないかな?


いや、これが普通か。

十数年間も第二十階層が攻略されてなかったんだからな。


「もう、驚き過ぎて何がなんだか分かりません・・・」


なんか憔悴しょうすいしてないですか?


「うむ。なんだかすまんな。ところでひとつ尋ねたいのだが、この硬貨を換金出来る店か当てはないだろうか?」


そう言って、旧帝国金貨を数枚だけ取り出してカウンターに置く。


「こ、これはまさか、き、旧帝国金貨!? はぅっ!」


狐耳と尻尾がくたっとしたと思ったら、娘さんが卒倒した。


これ、もふもふしたらセクハラじゃすまないだろうな。


どうしようね?


狐耳っ娘が個人的に気に入ってるので、またどっかで出したいな、と思う。

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