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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第一部 大騒動な大氾濫編 第二章 迷宮探索者
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第23話 厨二魂が叫びました。

「し、師匠? 何かマズかった、のか?」


俺、焦ってます。

なんかやっちゃったようです。


「今の、何?」


「えっ、火属性魔法の火炎フランマ?」


あっ、素で答えちゃった。


「あれが?」


こほん


「うむ。師匠の手本は手元が熱そうだったゆえ、少しアレンジしてみたのだが・・・」


「あれは・・・アレンジとは、言わない」


えっ、そうなの?


「あの威力は、どう考えても、上位魔法。初めてで、新魔法、開発したような、もの」


そうなるの、かな?


「新魔法を、開発すると、歴史に名が、残る偉業」


マジで!?


『キュイ?』

『ガウ?』


うん。

君たちはよく分かってないないよね?

俺もだけど。


「半日で、弟子に師匠が、超えられた。ショック」


うっわぁ。

これどうすればいいんだよ!


へこんだ女の子を慰める経験値なんかねーよ?

厨二病(こじ)らせたぼっち舐めんな!


誰に言ってんだか分かんないよ!?

いやいや、テンパってる場合じゃない!


「し、師匠の先の講義が素晴らしかったからな。何となく出来たのだ。うむ。師匠が偉大だから弟子の成長が早かったのだな。いや、流石は中位魔法士ミドルレンジのフィロメナ師匠だ!」


よいしょだ、よいしょ!

よいしょしろ、俺!


「マグナ、さっきの魔法だけで、上位魔法士ハイエンド、名乗れる。フィロ、師匠の資格、ない」


いやぁー!

マグっちからマグナになったー!

もしかしなくても引かれてるうぅ!


「あっ、ほら。我は、その、な? 元々大魔導師であるから、フィロメナ師匠のお陰で、感覚を取り戻した、ような?」


実際は初魔法でしたけどねっ!


「むう? それなら・・・納得?」


あっ、ちょっと持ち直した?


「そういえば、マグっちは、カルっちに、ガリっちが、いる。上位の魔獣使い(テイマー)召喚士サモナー?」


よし!

この路線なら大丈夫そうか?


うなれ【詐術ごまかし】スキル!


ひびけ! 厨二の燃えるソウル!!


「そ、そうだな。その通りだ。 ふははははっ! 孤高の大魔導師、孤高にして万象のアルス・マグナに不可能はないのだ! 我に一時でも師と呼ばれし汝は、落ち込むべきではない! 大いに誇るがいい!!」


ちょっと言い過ぎな気がするけど、これくらいはっちゃければ・・・


「ん、フィロ、凄い?」


『キュイ!』

『ガウ!』


よし、ナイス合いの手だ!

ピーちゃんにハム太!


「そう。フィロ、誇る。ふふん」


あっ、思ったよりちょろい!


「そうだ、誇るがいい!! くくくく、ふははははははっ!」


「そう、弟子の成長は、師匠の功績てがら。凄い、こと。ふふふ」


「「ふはははっ! ふはははははははっ!!」」


俺たち以外はいない林に、即席の師匠と弟子の高笑いがいつまでも響き渡りましたとさ。


めでたし、めでたし。



・・・終わりませんよ?


しばらくして、二人ともなんかよく分かんないノリから解放されました。


黒歴史 二人で作れば 怖くない(字余り)


「他の魔法も試してみたいのだが、手本を頼めるか、師匠」


「ん、手本、見せる」


と、回復したフィロメナが次々と魔法を見せてくれた。

俺はさっきみたいなアレンジはしないで、そのまま手本をなぞるように真似続ける。


フィロメナ先生は火、水、風、土は得意らしい。

特に火と土に適性があるそうだ。


ドワーフだからか?

火と土の適性は鍛冶仕事に向いてそうだ。


フィロメナに鍛冶はやるのか聞いたら、あんまり興味がないらしい。

ドワーフではちょっと異端っぽい。


でも、これだけ色々な魔法を使えるって、かなりすごいんじゃないか?

フィロメナってマジで師匠になれるクラスなんじゃね?


空き地で戯れていたピーちゃんとハム太は、疲れてまた寝ている。

二匹の側だけほのぼのしてるなぁ。


反面、俺たちの周囲は下位だけじゃなく、中位魔法まで乱発したので散々たる有り様だ。

あっちの世界なら、環境保護団体からクレームが来そうだ。


俺のよいしょに調子に乗ったフィロメナは、しばらくして魔力切れでぶっ倒れた。

焦った俺は、すやすやと眠っていたピーちゃんを起こして、回復魔法をかけてもらった。


フィロメナは回復してもそのまま寝てたので、今は独自に練習している。


まだ俺は魔力切れにはなりそうにないし、何と言うか。


魔法スゲー!

めっちゃ楽しい!!


厨二魂が叫んでるぜ!

もっとやれ!、と。


これで魔導師を名乗ってもおかしくないし、役立たずから汚名返上だ。

チートのピーちゃんに同レベルのハム太が加わって、マジで戦闘中の俺の存在感が危機だったからな。

これで一安心だ。


正直、ピーちゃんの波動砲に比べられる威力じゃないけどね。

あっ、でも最初にやっちまったアレンジした魔法なら結構いい勝負が出来るんじゃないか?


オラ、わくわくしてきたぞ!



翌日、また林に来ました。

今日は俺たちだけで、フィロメナ先生はいない。


ピーちゃん無双の恩恵でお金には余裕があるので、まずは俺が戦えるようになることが必須だ。

チートのピーちゃんと、多分チートと予想されるハム太にまでおんぶに抱っこの迷宮攻略は避けたい。


昨日、フィロメナの魔法をトレースしてて気付いたんだけど、一般的な魔法はイメージが甘くてもちゃんと発動する。


魔力を感じて、集めて、練る。

そして、〝火〟のイメージを乗せると魔力が勝手に燃焼し、発動と同時にこれまた勝手に対象に向かっていくのだ。


なんかオートマ車みたいな感じかな?

自動車は運転したことはないけどさ。

父親のマニュアルと母親のオートマの運転を見たことが何度もあるからな。


で、心のメモ帳をひっくり返してフィロメナ先生の授業を思い返すと、最初に俺が発動させたのは火と風の二属性魔法、確かラインというやつだった。


そりゃ、二属性の方が一属性の魔法より高度なんだから強いわな。

ただ、風魔法は発射するのに使ったので、火魔法の威力については別だ。


昨日の練習で、魔力ってのがイメージで色々出来るってことは理解した。


つまり、ただ松明たいまつなんかに火を付けるようなイメージじゃなく、例えるなら灯油を燃やす感じ、ガスを燃やす感じ、更に酸素を集めることで威力は格段に上がる訳だ。


圧縮空気に火を付けただけだったら昨日の一発目がどうなっていたか考えると、冷や汗が止まらない。

今後は気を付けよう。


で、だ。


今日の実験は、魔力操作をフルに、イメージを最大にして魔法を発動したらどうなるかを試してみたいと思う。


なんせ、厨二知識はそれなりに自信があっても、科学や化学についつは高一--つまりは中卒レベルでしかない。


空気が酸素や二酸化炭素なんかで構成されていて、酸素が燃やして二酸化炭素が消すというくらいは分かっても、高度な化学式や理論を知ってる訳じゃないからな。


要するに、科学や理屈じゃなくてイメージでどれだけ出来るかの検証だ。

空想力や想像力でどれくらいの事が出来るのか?


とりあえず、昨日宿に帰ってから魔力結界みたいのは成功している。

火炎フランマ使った時にも結界っぽいのを作ったから、ぶっちゃけ簡単だったので、精度や強度を上げてみた。

この時点で、実は半分くらいの検証は終わっていたりする。


今更だが、いくら開けている場所とは言え林の中で火魔法は危なそうだから、属性は火じゃなくて比較的安全そうな土と風にする。

いや、じゃなきゃ一歩間違えたら自分がぶっ飛びそうで怖いし。

ヘタレ上等!


フィロメナの手本で中位魔法の〝岩矢サクスム・サギッタ〟ってそこそこの威力のがあったので、それを極限まで強くしたイメージだ。


この辺りは滅多に町の人は来ないらしいし、多少は派手になっても問題ないだろう。


まずは自分の身体の周りに硬い膜をイメージした結界を作る。

そして、石弾をベースにした巨大な岩をまとの大木に向かってぶつける感じだ。


目をつむって集中する。


魔力の流れを感じる。


自分の魔力を触媒しょくばいにして、周囲の魔素をかき集める。

龍玉を集める名作の「オラにみんなの元気を分けてくれ!」みたいな?


頭上--は万が一があると俺がぺしゃんこになりかねないので、少し前方をイメージする。


でかい岩、でかい岩、でかい岩。

とにかくでかい岩、でかい岩、でかい岩。


そして、同時に重力操作だ。

作った岩が落ちてこないように浮かすイメージ。


実はここが一番大事だったりする。

なにせ、昨日みたいに酸素が燃焼するってのは分かっても、俺には重力なんて正体がよく分かんないし、この世界の魔法のどのカテゴリなのかも分からない。


ぶっちゃけ、イメージのみで物理法則や過程を無視するトンデモ科学で魔法の発動は可能か?という常識外れの実験ですよ。


岩が浮く、岩が浮く、岩が浮く。

重力無視して岩が浮く、岩が浮く、岩が浮く。


『キュ!?』

『ガゥ!?』


ピーちゃんとハム太が驚いたような声で鳴いた。

岩、浮いたのかな?


いや、とにかく今は集中、集中。


最後に、風--大気だ。


大気を凝縮して、凝縮して、凝縮する。

もっともっと凝縮して、凝縮して、凝縮する。


圧縮した大気に指向性を持たせて、的に向けて岩をかっ飛ばす。

初挑戦の三属性魔法トライアングルだ。(多分)


よし!

準備は整った。


後は発動するだけだ。


はあぁ


ふううぅ


目を閉じたまま、深呼吸する。

そして、目を見開くと同時に魔法を発動させる。


岩矢サクスム・サギッタ!!」


あっ、【思考加速】切っとかなきゃ。


どがががががががががぁぁぁぁぁぁぁあああああん!!!


その瞬間、轟音が轟く。

的にした大木は跡形もなく消し飛び、一直線に地面がえぐれる。


遥か彼方には、山に激突したらしいかなりの大きさの岩が、ただ静かに鎮座していた。


『キュ!』

『ガゥ!』


楽しそうなピーちゃんとハム太の声に、冷や汗を流す俺。


えと・・・


なんか視界が広いです。

なぜか、林のほとんどが消し飛んでいました。


まる。


唱えてみよう、サクスム・サギッタ!

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