第17話 ダンジョンから帰還しました。
「無事、帰還」
魔石が壁に嵌まってる所まで来ると、ふうっと一息付くフィロメナ。
ユスティナとエマニュエルもだ。
俺--じゃない、ピーちゃんがいなければ絶体絶命の大ピンチだった訳だしな。
大きな怪我は見当たらないが、当然疲れてもいるだろう。
「そういえば、カルマよ」
『キュイ?』
「神聖魔法とやらに体力回復や治療はあるのか?」
神聖魔法って、やっぱり回復系のイメージあるよね?
どこかの聖女様や司祭様が使ったりさ。
『キュ? キュイ』
何か考えてる。
『キュ!』
思い付いた、のか?
見慣れてきた光の収束がピーちゃんの頭上に輝く。
『キュイー!』
パアッと辺り一面に温かい光が溢れる。
おおっ!
なんか一日の疲れが取れた気がする!
彼女たちの方を見ると、また口を開けて呆然としている。
だから、美女美少女が台無しだっての。
おっ、彼女たちの切り傷や擦り傷が消えてるみたいだ。
流石は魔法だな。
医療や科学じゃ説明できない現象だ。
「い、今のって・・・」
「まさか・・・」
「むう」
えっ、何?
回復魔法だから、ただのヒールとかだよな?
骨折や欠損部位が治ったりした訳じゃないからファンタジーなら普通だろ?
誰もそんな大怪我してないけど。
あっ、ステータス確認したら【治癒[聖]】が増えてるよ。
ん?
何だろう、この違和感?
「まあ、カルっちだから」
「そうね、カルマちゃんだしね」
「そうだな。カルマには突っ込むだけムダか」
『キュ?』
続けて三人はピーちゃんにお礼を言った。
当の本人は不思議そうにしている。
よくわからんが、慣れってすごいことだけは伝わってきた。
ピーちゃんの人外さは、どうやら俺だけの認識だけじゃないようだ。
いや、チビドラだから歴とした人外だけどね?
†
ダンジョンの出入口には行きにいた兵士もどきの商人はもういなかったが、代わりになのか白っぽいローブの人が立っていた。
特に声は掛けられなかったんだけど、後で聞いたら回復や治療が得意な魔法士らしい。
四人とも無傷だからスルーされたんだろう。
この世界には魔法があるけど、魔法士に僧侶や神官、白や黒なんかといった細かい分類はないらしい。
魔法が使える=魔法士という大雑把な括りだから、〝治癒が得意な魔法士〟とかになる。
うん。
十把一からげ、とはこのことだね!
フィロメナは〝攻撃系の得意な魔法士〟で、俺は火の魔法しか見てないけど、他の属性魔法も使えるらしいので〝火炎系の得意な〟とはならないんだって。
エマニュエルは弓術なんかを得意としているけど、闇系の魔法も多少は使えるらしい。
そのまんまダークエルフだ!
クラウディアさんは口調がお嬢様だったのを別として、某呪われた島のエルフっぽい外見だったな。
エルフとダークエルフはひとりづつしか会ったことないけど、ファンタジーのイメージ通りだとエルフは金髪貧乳でダークエルフは銀髪巨乳がデフォなのかな。
あっ、イケメンもそういや金髪だったな。
存在を抹消しかかってたぜ。
因みに、あくまでもイメージは俺基準だから異論は認めますよ?
逆もまた味があっていいよね!
「マグっち、これ、どうする?」
と、フィロメナが持ってもらっていた魔石を差し出す。
いつの間にかマグっち扱いだ。
〝アルス・マグナ〟って、『大いなる術』の意味なんだけど。
大魔導師っぽいでしょ?
厨二的に。
実際、中二の時にググって付けた。
大人になる前に異世界で黒歴史ですね!
「そうだな。どこかで買い取って貰うか」
確か、広場に買い取り屋があったはずだよな。
そう伝えると、
「ああ、あそこなら問題ないな。高く買ってくれたりはしないが、適正な価格で取り引きしてくれる」
「高く買ってくれる店もあるのか?」
「行商人なんかは手数料が安いから、少し高めで買い取ってくれるな」
「たまにですが、行き先で不足している魔石があると、相場よりいい値を付けでくれたりもするわね」
「ならば、行商人を探した方が良いのではないのか?」
「今回は、無理だな」
「ですね」
えっ、なんで?
ホワイ?
「数が多い。行商人じゃ、ムリ」
「そうね。素材はともかく、魔石はちょっと難しいわね」
まあ、魔石とドロップアイテムでバックパックが溢れたくらいだしな。
普通はあんな数の戦闘はしない、いや出来ないか。
あれが戦闘と呼べるかは別として。
ということで、広場に店を構える唯一の魔石の買い取り屋に行く事になった。
ピーちゃんが体力の回復と怪我を治してあげたので、引き続き荷物持ちとして三人ともついて来てくれた。
正直すべてが初体験なのでありがたい。
あっ、初体験で、初体験じゃないよ?
後者だとなんとなくエロい感じがするからね!
妄想乙!




