第1話 異世界召喚ばっちこい!
[2017/06/11]
一章をまとめて公開しました。第五章で一区切り(ラノベ一冊分くらい?)の予定です。
[2017/06/20]
現在、第一部の執筆完了しました。予約投稿済み。
[2017/07/05]
本日より第二部投稿開始しました。予約含めて20万字突破。
[2017/07/20]
作品タイトルを変更(前後逆転)しました。
「あー、一体ここはどこですか?」
吹き抜ける柔らかな風に撫でられて目が覚めた俺は、小高い丘にいた。
寝起きでちょっとぼやけた視界には、一面の青空と草原が広がっている。
辺りには巨大な岩が立ち並び、なんか遺跡っぽい雰囲気だ。
イギリスにあるストーンヘンジみたいな感じと言ったら想像出来るだろうか?
いや、今はそんなことはどうでもいい。
精神衛生上に悪そうな真っ白な空間は!?
テンプレな老人だったり、ムダにイケメンだったり、のじゃロリな幼女だったりする神様や女神様は!?
いや、豪奢な王宮で影の薄い王様と美しい王女様のペアとか、静謐な神殿で美少女の巫女とかでもいいですよ?
あっ、出来れば美女か美少女は必須でお願いします。
いやいや、そんなお願いしてる場合じゃない!
呼んだあの声のヤツどうしたよ!?
ぶん投げっ放しか!
最悪、怪しげな魔導師とかでもいいから誰か説明プリーズ!!
あっ、でも人体実験的な強化の流れとかはやだな。
ふうっ
そろそろ気分を入れ換えよう。
ゲームのオープニングやチュートリアルに該当する、親切な解説役はいないパターンか。
ふははははっ!
ならば、世界の神秘を解き明かすのも異世界転移の醍醐味よ!
そう、異世界転移と言えば、まずはこれを試さねばなるまい!
ぐふふっ
想像で笑みが漏れる。
俺は中空に手を掲げ、大袈裟なくらいなポーズを取る。
ええ、せっかくなんだから取りますともさっ!
誰も見てないから黒歴史にはなんないしねっ!
「世の理を紡ぎし万物の記憶よ! 我が力をここに記せ! ステータス!!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
辺りに漂う静寂。
あれ?
違った?
ええと、じゃあ、これだ。
「異なる世界。異なる時空。異なる事象のすべてを解き明かし、我に示せ! 鑑定!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
再び辺りに漂うなんとも言えない静寂。
「ステータス! オープン! サーチ! アナライズ! インフォメーション! 鑑定! 情報! 開示! 分析! 記録! 閲覧! 読込! 検索! ・・・」
色んなポーズを取りつつそれっぽい言葉を並べてみるが、何も見えないし何も起こらない。
ダメだ。
あー、例えるなら今の俺はORZな状態だ。
まあ、常識的に考えれば、ゲームみたいにステータス画面なんか出るわけないか。
異世界(暫定)転移が常識的かどうかは別として。
†
俺、只今、絶賛放心中です。
丘の遺跡の中央で、雄大な自然を眺めながら体育座りしてます。
るーるるるー
とか、何処かから聞こえてきそうです。
正直言って孤独です。
寂しいです。
だってそうだろう?
多くの厨二病患者の夢、異世界転移を成し遂げた(何もしてないけど)のに、いきなり放置プレイときたもんだ。
俺に一体どうしろと?
くっ、くくくく
こうなったらヤケだ。
ステータスが見れなくても、召喚されたなら召喚術はあるはずだ!
くく、くくくくくっ
厨二系飼育係(謎)を舐めるなよ!
数多の小動物を世話してきたのは伊達じゃねーぜ?
入学したばっかだから、短期間だったけどな!
よし!
「開け異世界の扉! 召喚、ピーちゃん!!」
ピーちゃんは俺が拾って教室で世話してた、あの黄色い小鳥の名前だ。
小鳥がこの場面で役に立つのかって?
知らん。
ノリでやった。
正直、喚べるとも思ってないし。
でも、いきなりドラゴンやフェニックスとかを喚べるとは思えないしな。
居るかも分からん。
もし万が一に召喚出来ちゃって、いきなり攻撃されたら軽くあの世行きだろうからな。
だから、安全マージン取って実在する小鳥のピーちゃんなんだよ。
パニくってても、そこは冷静なのだ。
まあ、戦闘とかで必要とかじゃなくて、今は寂しいからやってるだけだしな。
言葉が通じなくてもいいから、語りかけられる相手が欲しいのだ!
寂しいぼっちかって?
仕方ないだろ!
盛大にテンパってんだよ!!
いくら厨二病を拗らせてたって、限度があんだよ!
してみたいなとは思ってましたよ?
でも、リアルに転移するなんて想像できねーよ!
と、【思考加速】のスキル(言ってるだけ)を発動させて頭の中で存在しない誰かにキレていると、違和感が俺を襲う。
明るいので分かりづらいが、俺が立っている場所、つまり遺跡の中央部分が仄かに煌めいている。
「えっ、マジで!?」
煌めきは徐々に広がり、明確な光の粒子となって集まっていく。
おお!
ゲームのエフェクトみたいだ。
ちょっと怖くなってきたので、中心から少し離れて様子を窺う。
やがて集積した光は魔法陣のような模様を描き、一気に加速し飽和する。
うわっ、眩しっ!
咄嗟に目を瞑り、両腕で光を遮る。
『キュイー!』
と、可愛らしい鳴き声が聞こえた。
「おお、もしかしてピーちゃんか!?」
期待に胸を膨らませ、眩しさで閉じてしまった目を開ける。
と、目の前には--なぜかドラゴンがいた。
さっきのはフラグだったようです。
お父さんお母さん、俺、死んだかも知れません。
先立つ不孝を許してください。
まる。
ブクマと感想は作者の養分です!w




