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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第一部 大騒動な大氾濫編 第二章 迷宮探索者
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第16話 異世界の魔法はしょぼい?

「フィロメナ殿、先ほどの炎は魔法であるな?」


とりあえず、美女美少女を除いた興味リストのナンバーワンについて聞いてみる。


「ん、中位魔法の火炎フランマ


えっ、あれで中位なのか?

こぶしより一回り大きいくらいで、威力もでかスライムの一部を抉っただけだったよな?


待てよ?

魔物相手だからしょぼく感じたけど、対象が人間なら頭や身体の一部が吹っ飛ぶくらいはするか。


あっ、想像したらスプラッタだった。

そう考えてみるとかなり危険な魔術だ。


ゲームのエフェクトは派手だから、あれを基準に考えるとダメだな。


速度は大して早くなくて、球技系のボール投げるより遅そうだから避けるのは難しくないけど、近距離で放たれたらヤバいだろうな。


まあ、近接戦闘(CQC)が得意な魔法職なんてそうは--いや、マンガやラノベではそういう常識破りなキャラクターも結構いるか。


遠距離攻撃を近接戦闘と豪語した創作神話クトゥルフ系ラノベのキャラもいたな。

ようは心意気だとか。


「フィロはこう見えても、この辺境でも数少ない中位魔法士ミドルレンジだ。この町では唯一だな」


「魔力量も普通の中位魔法士に比べると倍近いのよね」


「ん!」


フィロメナさんは残念な胸を反らして自慢気だ。


さっきのピーちゃんの真似か?

体型が小柄なので、偉ぶってても微笑ましい。

でもすごいらしい。


「あれが中位魔法か。ということは、先のカルマのブレスは上位に相当するのであるのか?」


「むう。あんな威力、見たことない」


ちょっと思案顔のフィロメナさん。


「一瞬だったな」


「光属性、でしたわよね?」


頷くユスティナさんとエマニュエルさん。


「ふむ。ステータスでは【神聖魔法】となっているな」


「神聖魔法!?」

「伝説の!?」

「あり、えない・・・」


フィロメナさんは信じられないのか、むっちゃ目を開いてる。

あっ、やっぱりピーちゃんのアレ、チートなんだ?


「神聖魔法は神代かみよの魔法。神話や伝承にしか出てこない。失なわれたのではなく、少なくとも人種ひとしゅの使い手は歴史上で存在が確認されていない。そもそも--」


と、急に饒舌じょうぜつになったフィロメナさんの話を要約すると、


人種は、人族ヒューム森人族アールヴ小人族ドヴェルグに、獣人種の猫人族フェレス兎人族クニークルス狼人族リュコス、亜人種の鬼人族ラルヴァなんかが含まれるらしい。


つまりエルフやドワーフだけでなく、あのオークやゴブリンもクラウディアさんの言ってた通りでこの世界では人間なのだ。

多分、日本人とアメリカ人みたいな差でしかないのだろう。


魔法は上位ハイエンド中位ミドルレンジ下位ローエンドに分類されていて、魔石で灯した明かりや料理に使う程度の火や直接的な殺傷力が弱い魔法が下位、さっきフィロメナさんが使った火球みたいなのから威力や範囲が大きなものは中位、それ以上は纏めて上位と、かなり大雑把な括りで分けられているらしく、魔物や魔獣も似たような感じに分類されているとのことだ。


で、人種魔法に秀でた長命なエルフですら使い手がいないのが神聖魔法で、彼女らも物語りの中でしか知らない。


こんな感じだ。


かなり端折はしょってこんなんだから、実際はして知るべし。

無口キャラは琴線きんせんに触れると饒舌になる法則パターンが、終始発動していました。


「まさか、古竜エンシェント・ドラゴンなんてことは、ない・・・ですよね?」


フィロメナさんが喋っている間は他の二人が念のため周囲を警戒してくれていたんだけど、エマニュエルさんが疑問を口にした。


どうだったっけ?

ちょっとピーちゃんのステータスを見てみようか。


------------

カルマ(ピーちゃん)

種族 竜種

性別 メス

職業 アルス・マグナの従魔

階級 聖獣(幼体インファント

特技 竜牙、竜爪、尾撃、竜鱗、咆哮、威圧、浮遊、飛翔、瞬間加速、身体強化、物理耐性、神聖魔法、魔力適性、魔力障壁、精神適応、異常耐性、自己治癒、長命

魔法 波動砲[聖](New)、照灯[聖](New)

加護 竜神

言語 竜語

称号 境界を越えし者

------------


うおっ!

魔法欄が増えてるよ。


俺の中で何となく言ってた【波動砲(仮)】からついに(仮)が取れました。


ステータスって臨機応変りんきおうへんなのか適当なのか。

ファンタジーの不思議ってやつか?

システムがよく分からん。

表示もなんか日本語だし。


「ステータスに種族は竜種とだけ書かれているな。特に古竜などとは書かれてはいない」


階級は【聖獣】になってるけど、種類は書いてない。

なんかこれ言うと地雷な気がするので、とりあえず黙っておこう。


ついでにステータスの詳細を【鑑定】で確認できないか試してみたけど、ダメでした。

運営は親切設計を心掛けて欲しい。

ネトゲじゃないから運営があるのかは分からんが。


竜種ドラクルですか。竜人族ドラクルとは違うのでしょうね」


「竜人族の呼び名、元が竜種。竜の眷族で、鱗人族スクァーマと違う。主張してる」


鱗人族は蜥蜴とかげみたいな種族らしい。

多分リザードマンだな。

竜と蜥蜴を一緒にするなということか。

さもありなん。


「話が逸れてしまったな。して、魔法についてだが--」


「あー、興が乗ってるとこで悪いんだけどさ。話が続くようなら一度町に戻らないか? このまま警戒しながらは、ちょっとな」


エマニュエルさんが話に加わったため、ユスティナさんがひとりで警戒していた。


「ああ、すまなかった」

「ゴメン」

「すみませんでした」


三人の謝罪が重なった。


マジ忘れてました。

すいません!


話ながらの休憩で少し回復したのを見計らって、三人組と一緒に町に帰還する事にした。


フィロメナさんから魔法について教えてもらう代わりに、町まで満身創痍な彼女らの護衛役をすることになった。


ふふふっ


これで魔法について学べるぜ。

魔導師に一歩近付いたな。


フィロメナさんの火球で中位ということは、最初はライターの火や水滴くらいかも知れない。


けど、魔法が完全に空想上ファンタジーで使えなかった向こうに比べれば、可能性も含めれば雲泥の差だ。


くうっ。


俺は今、もーれつに期待している!!



俺と女性三人組の即席おざなりパーティーは、ダンジョンの第三階層から引き返して今は第二階層だ。


まあ、想像通りだったけど、ピーちゃん無双は健在だ。

パーティーの四人はほとんど歩いているだけで、俺が魔石や素材を回収するくらいしかしてない。


「何この、ただ歩いてるだけ感は・・・」


「実際、歩いてる、だけ」


「探索者に成り立てのマグナが一日で第三階層まで降りたのも、これなら頷けるな」


はい、まったくもってピーちゃんのお陰です。


「第十階層くらいまでは、カルマちゃんだけでも良さそうねぇ」


はい、役立たずですみません。


「マグナ、いらない子?」


もう止めて!

俺の心のHPゲージはもうゼロだよ!?


いつの間にか、呼び捨てになってるし。

ピーちゃんはちゃん付けなのに。


フィロメナさん、同情した様な感じで俺の肩をぽんぽんと叩くな!

魔導師ロールプレイだと反応に困るから!


ふんっ、だ!


ピーちゃんには荷物持ち(ポーター)は出来ないもんね!

俺、いらなくないからね!


そんな存在意義アイデンティティどうよ?

俺の立つ瀬がねぇよ。


しくしく


尚、途中で再びレアモンスターに遭遇する事もなく、予想通りそのままピーちゃん頼りで第一階層まで戻れました。


回収した魔石とドロップアイテムで俺のバックパックはいっぱいになったので、三人にも持ってもらっている。


「もうすぐ出口だな。一時は死も覚悟したのだが」


「カルっち、すごかった」


「そうね。ウチのパーティーに欲しいわね」


おい!

エマニュエルさん、ぼそっと言っても聞こえてるからね?

あげないよ?


ピーちゃんは元の世界からの大切な友達だからね!

ぼっちちゃうよ!


もうこいつら、内心でもさん付けで呼んでやらん。

いくら美女美少女でも、圏外認定だ!


ここまでの道中でもう、ハーレムパーティーとか攻略フラグはどこだとかの妄想が、妄想でしかないことを知りましたからね!


成長したな、俺!


その内、設定まとめます。

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