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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第二部 大迷惑な大迷宮編(前)第四章 精霊之道標
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第99話 セクハラだったみたいです。

ばっ!


俺は立ち上がり、伝説級のマントをはためかせて右手を天に向けて掲げる!


「普遍なる知識よ! 我が記憶よ! 数多のしるしからその名を示せ! 【記録メモリー】!!」


光の粒がきらめき、情報を中空ちゅうくうに映し出す。


----------

妖精種(ファータ)

海精族(ネレイス)森精族アルセイスに代表される準精霊種。

伽噺とぎばなしや伝承にはよく登場するが、その多くは人種の生存圏からは離れた場所に居住しており、滅多に会うことは出来ない。

大樹海に根を張る木精族ドリュアスや、人種と共生する一部の海精族ネレイス小猫族ケット・シー小犬族クー・シーは国や領地を持ち生活している。

----------


小猫族だっ!

やっぱりこの間聞いたもふもふさんだ!


継承帝国の南方に国だか領地があるって勇者さんが言ってたからしばらく会えないかと思ってたけど、まさかこんな北の地で出会うことになるとは!


ひゃっほぅ!


あっ、因みにですが、この魔法は超便利な某鑑定スキルとか世界の記憶(アカシック・レコード)的なものじゃなくて、俺が聞いた内容を整理して記録してあるだけです。


俺が理解しなくても、誰かに聞いたり本で読んだりするとそれなりにまとめてくれるのが優秀です。


メモ帳が進化した感じの、ぶっちゃけると俺wiki?


格好付けたポーズはただのノリです。

いや、テンション上がっちゃって!


「な、なんだったのにゃ?」


「猫さん!!」


俺は猫さんの両手を握り締める。


「はいにゃ!!」


「俺は今、もーれつに感動している!」


すべてのモフラーとモフリストの夢!


「にゃ?」


「俺は命の恩人! そう言いましたね!」


ここは自重なぞしてはいられぬ!


「はい、ですにゃ!?」


「ぜひ、お礼にお腹をもふもふさせてください!」


「にゃぬ! お、恩人さんは、変態でしたかにゃーー!!」


えっ、何で?

もふもふしたいだけですよ?



くぅ!


そうだったのか!


猫っぽい--というか二足歩行の猫だけど、人種と同じで小動物の外見とはいえメスというより女性なのか!


そう考えたら、猫のお腹をもふもふするって猫的には乳触らせろっていうのと変わらないみたいです。


さっきの俺の発言を訳すと、「お礼におっぱい触らせろ!」です。


うん。

人に当て嵌めたら完全に変態ですね!


「すみません。普通の猫のお腹をもふもふする感じで言ってしまいました」


素直に謝り、頭を下げます。


「うん、まあにゃ? 人種からするとそうなんにゃろうけど、ミャアの同胞に会ってもそんなこと言っちゃだめにゃよ? もしウチの領地で言ってたら、警備兵に捕まってたにゃよ?」


「本当に、ごめんなさい」


改めて頭を下げます。


『キュ』

『ガゥ』

『ピュ』

『ミュ』


何故かピーちゃんたちもならいます。


「まあ、知らなかったみたいにゃし、あんたは命の恩人さんにゃから、今回は許すにゃ」


「うう・・・」


「ミャアたち小猫族は小事を引きずったりしないにゃ! もう気にすることないにゃ!」


いい猫さんです。


「おお、そうにゃ! 少年はなんていうにゃ? ミャアはミャアリーゼにゃ! ミャアでいいにゃ!」


おうっ


縮めると安易な飼い主がとりあえず付けた名前っぽいですね。

というか、ミャアって名前だったんだ。


「あっ、えーと」


あまりの興奮に魔導師ロールプレイすっかり忘れてました。


すっ


気を取り直して背筋を伸ばし、大杖をトンッと地面に突く。


「こほん。我は孤高にして万象を司る大魔導師アルス・マグナである」


「・・・今さらかっこつけてもにゃ?」


分かってますよ!


「で、何故なにゆえに猫殿は行き倒れていたのだ?」


「ん?」


「「・・・・・・」」


また目が合います。


「んにゃあ! そうだったにゃ! 孤児院が大変なのにゃ! 守備隊を呼ばないといけないのにゃ!」


「少し落ち着くのだ。まずは事情を話してみよ」


『キュイ!』

『ガウゥ!』

『ピュイ!』

『ミュー!』


「・・・もしかしてにゃけど、聖獣、様にゃ?」


あっ、分かるの?

昨日の英雄さんもだったけど、ステータス見ないでも分かるもんなんですね?


「うむ、カルマたちは聖獣だな」


「マジですかにゃ! それなら守備隊より当てになりますにゃ! 子どもたちを助けて欲しいにゃ!」


「よく分からぬが、助ける助けないの前に事情を説明して欲しいのだが?」


「あっ、そ、そうにゃね! 悪徳大商会に雇われた冒険者たちが、借金の形に孤児院の土地の権利を寄越せと言って押し掛けてきたのにゃ! ついでに美人の院長先生も連れて行こうとしてるんだにゃ! このままじゃお風呂に沈められてしまうのにゃ!」


なぬ!

美人の院長先生ですと!?


お風呂に沈めるって、そこの歓楽街に売られちゃうってことですか?

言い回しが古いな?


とか言ってる場合じゃないか!


とりあえずまた冒険者かよ!


ほんっとにどうしようもねーな!


筆者、孤児院にいた経験あるので孤児院の話はどうするか悩んだのですが、実際の経験ベースにするとシリアスになっちゃうので当たり障りのないテンプレにしました。

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