第9話 この世界は異種族がいっぱいのようです。
「アールヴの帝国は分裂した際に東西と南にそれぞれ王国となったのですが、南は両国に吸収されて既にありませんわ。西の国がゴール光輝王国ですの」
あっ、続いた。
「そして東が我が国、デスヴォルクス継承帝国ですの。ここ百年で領土の東側にあった小人族の小国などをいくつも併合することで拡大したのですわ」
おお、やはりドワーフはいたのか。
ここまでテンプレな種族がいて、いない訳ないよな。
「マグナ殿は歩いていて、この街に子どもが多いと思いませんでしたか?」
言われてみればそうだな。
学校で見慣れてるからあんまり気にならなかったけど、よく見ると小学生か中学生くらいの人っぽいのが結構いる。
・・・えっ?
話の流れからすると、あれがドワーフってこと!?
もっさもさの髭や毛むくじゃらは無しかっ!
いや、髭の子ども?もいるか。
あっ、だから鉱人族とかじゃなくて小人族なのか。
某指輪な物語りの小人っぽいな。
男女共に背が低いけど、男性の方は筋肉質で身体ががっしりしている者が比較的多いみたいだ。
もちろん見た感じ常識の範囲内なので、達磨みたいに横に幅がある訳じゃない。
女性の方は体格は普通に見えるけど、女性の象徴は大小様々のようだ。
つるぺたロリ専でなければ、大きなお友達には天国かもしれん。
あと、少年趣味のお姉さんたちにもな。
俺?
俺は自慢じゃないが守備範囲広いぜよ?
人妻とか中年とかまで行くと流石に遠慮させてもらうし、男の娘も含めてBLの趣味はないぜ!
リアルではDTだから、エロゲとかの話ですけどね!
改めて周囲を見回すと、俺には違和感あんまりなかっただけで、確かに普通の人間っぽいのが多い。
そういやエルフの国って割には、エルフが少ない気がするな。
「我が国の領土内にも熊人族や牛人族、狐人族などが住まう土地や、珍しい種族だと南部には海精族の領邦もありますわ」
うっわぁ。
こてこてのファンタジー種族が大盤振る舞いやわぁ。
俺的には望む所だけどな。
異種族ハーレムの夢が広がるぜ!
チートないからどうせ無理だけどな!
くすん
でも、この国って帝国主義の国なのか?
エルフのイメージって森に住んでて閉鎖的な感じなんだけど、侵略しまくってて真逆な感じ?
ん?
なんか人族の国が出てこないな。
聞いてみるか。
「人族の国はないのか?」
「南東に人族の国もありますわ。同族で長く対立してましたから、国として成立したのも最近ですの。我が国が後見してようやくだったらしいのですわ」
ふむ。
「人族は豚鬼族や小鬼族ほどではないのですが、私たちに比べればかなり強い繁殖力がありますから、旧帝国の時代に各地に広がったらしいですの。人族の国はクルメール商協同盟とは犬猿の仲ですから、逆に我が国とはそれなりに良好な関係を保っているのですわ」
敵の敵は味方って理論か。
どこの世界でも世知辛いな。
あれ?
獣人の種族が色々出てきた割には、ケモミミの代名詞の犬猫が出てこないな。
ちらほら歩いてるよな。
そんな風に思って視線を犬猫獣人に彷徨わせていたからか、クラウディアさんは俺の考えに気付いたらしい。
「ああ、猫人族や犬人族は人族や羊人族の国よりもっと南方から来ていますわ。特に猫人族の国は旧帝国が分裂した時の帝室の直系ですから、現在は唯一正統と言っていい帝国なんですの。我が国にも南部に猫人族の領邦がありますわ」
猫人族の国はまんまアナトゥリア正統帝国と言うらしい。
聞いた感じでは、この国よりもかなり広い国土を有しているようだ。
犬人族も広大な領土を持っていて、旧帝国とは全く異なる文化の国らしい。
旧帝国がこの辺りの大陸の帝国で、遥か南と西には別の大陸があり、犬人族の国はその大陸間の中央で権勢を振るっているとか。
だから、商業交易に特化した政治体制を敷いているとのことだ。
この二国は常に国境で領土争いをしていて、ずっと戦争状態らしい。
なんか国関係は複雑だな。
そろそろ俺の心のメモ帳はいっぱいいっぱいだ。
あー、ケモミミケモシッポをもふもふしてぇ。
†
「ここが守備隊の詰め所ですわ。遠慮なく入ってくださいですの」
がっしりとした石造りの建物の前で足を止めたクラウディアさんが、中に入るように促す。
側ではクラウディアさんを見た警備の兵士が、びしっと敬礼をしている。
従騎士だから見習いって言ってたけど、やっぱりそれなりに偉い立場なんだろう。
もしかしたら辺境伯の令嬢だから特別なのかも知れない。
俺は待機所みたいな部屋に案内された。
詰め所の中は外観と一緒で、重厚な内装で、飾り気はなく質実剛健といった感じだ。
「マグナ殿はこの国の通貨を持ち合わせてないですわよね?」
「うむ。着の身着のままで転移されてしまったのでな。身に付けていた小物くらいか。一応財布はあるが、この国では我の国の金銭は使えないであろうな」
まあどこの国でも使えないだろうけど。
何といってもここは別世界だからね!
万が一に備えてた虎の子の諭吉さんが無駄になるとは思わなかったよ!
嗚呼、無情也、異世界。
「後で手配をしておきますので、今日は守備隊の宿舎に泊まってくださいな。マグナ殿とカルマ殿の夕食も用意させますわ」
おおぅ!
「守備隊も予算が限られていますので些少ですが、マグナ殿を傭兵扱いにして、当面の路銀くらいは報償として出させてもらいますわね」
マジで!?
ありがてー!
「ふむ。良いのか?」
一応確認する。
「ええ、命の恩人なんです。これくらいはさせてくださいませ」
クラウディアさんいい人!
いや、いいエルフ!
最初にエロフな妄想とかしてごめんなさい!
助けて良かった!
戦ったのはピーちゃんだけどさ!
「ありがたい。当てもないのでご好意に甘えるとしよう」
「マグナ殿はこれからどうするのですか?」
ホントにどうしようね?
「先ほど聞いた話だと、我の国はもっと遠方のようだからな。どうしたものか・・・」
まあ、異世界なんだから、実際はどうもしようがないんだけど。
呼んだやつ見つけ出して日本に還してもらいたいとこだけど、誰かも分かんないし、世界を救ってくれとか言ってたしなぁ。
あんまり期待できない。
帰りたいかと問われれば、今のところは微妙な感じなんだが。
でも、分かりやすいテンプレで魔王とか魔族の侵攻とか今のところは話しに出て来てないし。
出て来たところでチートも無しに倒せるとはまったく思えんけど。
ピーちゃんとなら可能か?
でも、一緒にいたら流れ弾とかに巻き込まれてあの世行きの可能性大だよな。
もちろん、俺が。
未だに腕の中で猫みたいに丸まってすやすやと寝てるよ。
平和だな。
キミ、元は小鳥で今はドラゴンだよね?
クラウディアさんがピーちゃんを撫でたそうにしてる。
またさっきみたいにでれでれになると困るので、ここは心を鬼にしてスルーすることにした。
「クラウ、彼が件の魔導師殿かい?」
そう言って突然現れたのは、洗練された鎧を着こなした痩身の美形なエルフの男性だった。
クラウディアさんと並ぶと、絵画の中の美男美女が出てきたようだ。
ここは厨二諸氏の心を代弁して、こう言うべきだろう。
イケメン爆ぜろ!
リア充氏ね!
と。
言い掛かりも甚だしいよね!
ブクマと感想は作者の養分です!!(再)




