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厨二系飼育係の成り上がり -異世界で厨二病が最強だった件-  作者: どらぬこ
第二部 大迷惑な大迷宮編(前)第三章 大迷惑英雄
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第90話 迷宮都市に着きました。

作品タイトルを前後逆にしました。

これでピーちゃんたちが活躍してもおかしくない!

と思う。

と、ちょっと格好を付けて解説してみたかっただけの、異世界召喚された大魔導師のアルス・マグナです。


普通なら一週間くらいかかる砦町オストエントから三大迷宮のひとつがある樹海都市までの大樹海の旅は、戦車的玄武たまっちさんの快進撃むそうでたった二日で終了しました。


途中で迷子の精霊さんを拾うというアクシデントはありましたが、その理由は家族レベルのものだったので一安心です。


初めて訪れた樹海迷宮都市ヴォルラーフェンは、あまねく大樹の隙間隙間に石造りの家が所狭しと建ち並ぶ街でした。

よくファンタジーであるエルフの森のように、木々を家にしたり、名作な劇場の某宿無しさんみたいに木の上に家があったりはしてません。


でも、大きな木々と家々の織り成す自然と人工物のコントラストは、一見の価値がある絶景と言っていいと思います。


俺たちはいつも通りに従魔ファミリア可の宿を探しながら、迷宮都市をのほほんと観光してました。


リン以外はこの都市に訪れたのは初めてだったし、そのリンも千年も経っているとかなり街の規模や様相は様変わりしているらしく、初めて見る様にちょっと興奮気味です。


でもまさか、観光してただけで騒動トラブルに巻き込まれるとは思いませんでしたよ。


やっぱり、【運命確変フォーチュン・スロット】とやらの迷惑スキルのせいなんでしょうか?

かなりレアスキルらしいですが、いらないのでこのスキルって消せないものですかね?


しかも、ただその辺で起こった騒動に巻き込まれたならまだいいのですが、俺の従魔が原因の一端だと逃げようがありません。


って言っても、何のことか分かりませんよね?


今の状況を端的に表現しますと、


双剣を構えた美壮年剣士 VS 大魔導師アルス・マグナ


です。


野次馬が遠巻きに輪になって俺たちを囲んでいます。

相対する壮年剣士は、ちょー強そうです。


どうしてこうなった!



「千年も経つと街も変わるものじゃのう。以前に来た時には、先日立ち寄ったオストエントとやらと大して変わらん町くらいじゃったのじゃが・・・」


「私は初めてですね。空から飛んでは来れませんでしたし、態々(わざわざ)地上を歩いて来るほどの理由もありませんでしたし」


「私も初めてですよー。すごいですねぇ」


「あ、あたしも初めて、です。うう、人種の男がいっぱいですぅ。ぶるぶる」


『キュ』

『ガゥ』

『ピィ』

『ミュ』


精霊さん、男性が歩いてるの見るだけでそんなに震えていて、貴女は俺たちと出会わなかったらどうするつもりだったんですか?


まあ、この娘さんはかなり抜けてるみたいだから、きっと何にも考えてなかったんだろうなぁ。


因みに、裸のままだと街に入れなさそうだったので、【収納】からローブみたいな装備を出して着せました。

今は普通に可愛い少女さんです。


「とりあえず宿を探そう。従魔を歓迎してくれる宿はいくつかあるのであろうしな」


「はい、迷宮都市には魔獣使い(テイマー)もよくいますから、街の中心地区で聞けばすぐ見つかると思いますよ! ね、クールマさん!」


『ミュー!』


何かたまっちが、やっぱりエルメさんの従魔みたいになってます。

まあ、仲がいいのはいいんですけどね?


そんな訳で、俺たちはエルメさんの言に従って街の中心地区の広場に来ました。


向かって右手にはでっかくていかつい建物があり、広場の周囲には大きめの商店が建ち並んでいます。

街に入ってからしばらくは小降りな商店が多かったので、流石は街の中心ということなんだろう。


この辺りは大迷宮の入り口に近いということもあって、冒険者や探索者らしき風体の人たちもいっぱいいる。


と、迷宮があるらしき方向からざわめきが聴こえてきた。


「キャー! 双剣のステファン様よ!」


「鉄壁の大騎士フュルヒテゴット様もいらっしゃるわ!」


「神速の射手アーシュラ様と相克の魔導師パーヴェル様もだ!」


「ああ、聖乙女のフルヴィア様! いつもお美しい!」


なんだなんだ?

有名人の行脚ですか?

なんか皆さんご大層な二つ名ばかりですね?


俺も三日踏破者スリー・デイズとか不発の大魔導師(ミスファイア)じゃなくて、あんなのが良かったな。


事ある毎に孤高の大魔導師とか万象の大魔導師って言ってる割には、まったく浸透してくれません。

孤高ってのも、〝ぼっち〟って考えなきゃ格好いいしね。


とかぼーと考えていたら、その有名人の集団が近くを通り過ぎそうになった時に思わぬ事態が起きました。


「ま、まさか! く、クロティルド殿ですか! なぜこんなところに!?」


先頭を歩く美丈夫、壮年の剣士さんがクロを見た瞬間にそう言ったのです。


えっ、何?

この嫌味なくらい(女性の)人気があって渋い中年おじさんは、クロさんの知り合いですか?


あれっ?


クロの隣に立ってる俺に、凄いガン付けてきてませんか?

確か初対面ですよね?


えっ?


えっ?


えっ?


やっとクロのうっかり伏線の回収まで来れた。

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