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太陽系興亡史  作者: 双頭龍
第4章 策動するシャムシ達と近付く戦乱
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第12話

 少し短いのですが投稿します。今週から忙しくなり始めました。投稿を規定通り出来るか判らなくなって来ましたが、出来る限り投稿していきます。どうぞよろしくお願い致します。

 例えば湾岸戦争やイラク戦争において、え、古いって? これぐらいしか見当たらなかった、もっと古ければベトナムや朝鮮戦争、WW2になってしまう、兵士一人当たり飲料水は11~15Lが必要であった。もちろんこれはイラクやクウェートの乾燥した高温な地域での水分補給量であることを考慮に入れてなくてはならない。しかも彼ら兵士は通気性最悪の防弾ベストを着て、活発に行動しているのだから仕方の無いことなのだろう。


 ただし補給の側面から一日の補給品として水を見てみると多くて仕方が無いとも言ってられなくなる。例えば500mlのペットボトルで補給していると仮定すると、だいたい40~48本ぐらいでビニールテープで縛ってある事が多い。これが重さ20kgぐらい、41cm×53cm×23cm(長×幅×高)であり、これをパレットという輸送品を載せるための荷役台で運ぶと仮定して考えると、航空貨物用のサイズが、1.56m×3.17m×1.62m(長×幅×高)の、3tぐらいは最大積載できたと思うから、不可能なのを承知で目一杯積載したとしても、だいたい154セット積載可能である。(1.56×3.17/0.41×0.53=4.9452/0.2173=22小数点以下切捨て、22×20=440 1.62/0.23=7 440×7=3080積載可能 総セット22×7=154 154×48=7392本)


 ただしこの最大数のパレットで輸送したとしても1日に240人分の水分でしかない。これに加えてもし運搬媒体がトラックであるとして、米軍で一番多く採用され、良く見る機会がある、同じトラックがパトリオットを牽引していたりする、M977/985 HEMTTの貨物輸送トラックであるなら積載量9.1t、3パレットを積載して輸送が(データー上は)可能である。ただし、これでも720人しか輸送できない。もちろんこれ一台で輸送するわけではないのだが、一方水だけでは戦争にはならないのも事実である。


 しかもこれは単純に飲料水であって、人間は飲料水だけで生活しているわけではない。シャワー、トイレ、等と言ったすぐに思いつく利用法だけでなく、調理や、すすぎ洗い? もちろんそんな事はしない、海外に行って日本人が驚く事の一つである、医療にも水は必要である。湾岸戦争時は一説によると45Lもの水分を一人当たり確保していたようである。イラク戦争では一方25Lだと言われている。この差はおそらく水源の確保がどうなるかによるのではないか、と思っているが、詳細は不明である。特にイラク侵攻初期は5日の水と食料を非常用に確保して侵攻した部隊が、非常用の食料と水に手をつけざるを得ない状況に陥るほどであったのだから。イラク戦争では補給品の40%もの量が水だったとの発言もあるほどである。もちろんこの補給は敵の抵抗と妨害をかいくぐって行わなければならない。


 一方食料はどうだろうか? これも明確な情報が少ないから想像である。補給を民間軍事会社などに委託したからだと言う意見もある。集積地に29日分、実戦部隊5日分、支援部隊10日分と言うのが湾岸戦争時の事前計画であったので、これと同じ、または少々少ないと仮定する。レーションは1箱には12食分入っており、これで一人の兵士なら4日分である。この箱をイラク侵攻時の陸上兵力分である10万人分×20日分用意したと仮定すると50万箱になってしまう。このレーションは1食だいたい537g(包装、温めるためのマグネシウムなど含めるとだいたい833gほど、12食入りの箱で10㎏はある)だから50万箱だと5000tになる。必要なのは解るが多い、べらぼうな多さである。米軍は一年に3500万食ほどのレーションを補給していると言われるが、この総量の約7分の1が3週間ちょっとほどで消費される計算になるのだ。

 ただしこれはレーションであって温食ではないのだ。当然ここに温食分の食材を追加しなければならない。誰だって調理されたての暖かく、おいしい食事の方がいいのは言うまでもないことであるから。

 

 レーションをほとんど使用していない、海軍の潜水艦などの例を見てみると温食分に対しても推測できるかと思う。もちろん海軍の中でも一番食事がいいと言われている潜水艦の例であるので割り引く必要があると思う。70日~90日ほどの戦略パトロールの間、約160人ほどの食事はおよそ搬入時60t(正確には128000lbs、58.0598t)必要であると言われている。160人でこれなので10万となると見積もられる日数と量は違うがやはり多いと言わざるを得ない。


食事は別に必要な栄養だけを補給できればいいのだという考えで与えられるのではない、この食料によって士気の維持や気分転換、時間や曜日の把握だってしていることがあるのだ。食事はまさしく活力の源になるのである。当然、これほどの量の料理を調理することは簡単では無いことだろう。


 当然これだけでも戦争にはならない。なぜなら現代では兵士の足、つまり移動手段は馬や徒歩では無く、車、戦車、ヘリと少なくとも動かなくても燃料を消費する。それに加えて兵士の主な武器は銃であり、弾薬も必要である。装備品の中には電気の必要なコンピューターが必要だろう。これら燃料、弾薬、電池、バッテリー、さらには各装備品の予備のパーツ等々。米軍では一応補給品は分類によって分けられているので紹介する。第1種 食糧・水 第2種 装備品・被服 第3種 燃料 第4種 障害資材(鉄条網・土嚢) 

第5種 弾薬 第6種 個人用品 第7種 完成品目(補充用主要装備) 第8種 (衛生品目) 第9種 (交換部品) 第10種 民生用品。


 戦局によってはこれに加えて新兵器まで輸送しなければならなくなる。まさしくイラク戦争時のIED対策のMRAPがこの例に当てはまることだろう。このIEDと言うのは在り合わせの爆発物と遠隔や時限式の起爆装置を組み合わせた即席の爆弾であるが、その威力は絶大であった。爆発物が榴弾砲の砲弾や航空用の爆弾、地雷を幾重にも重ねる方式になると威力は戦車であろうと完全に撃破出来るようになってしまう。

 戦術として特に路肩や路上にこれらを設置し、米軍等の車列が、特に輸送部隊の車列が狙われる。もちろん護衛が付くので、その護衛に被害が集中する。もちろんそれ以外の部隊も標的になることは言うまでもない。

 このIEDの被害はなんと初期作戦の7割以上に当たると言われるほどであり、全期間を合わせても一番の戦死理由となっている。もし車両に乗車しているときにIEDに被弾したら、特に足元で爆発したら、おそらく両足、両腕は、命が助かったとしても、なくなる可能性が高い。IEDの威力によっては、各種防護器具、大は車両から、小はヘルメットだとか防護ベストだとかイヤーマフだとかまで、を装備していることによって命が失われる可能性は無いわけではないが、少なくなる傾向にある。IEDによる受傷も結構スプラッターなのだが

、主に爆傷と言われる、骨は一定のところまではあるが、肉が無い状態に陥りやすい。もしこれで命が助かっているのなら、恐らく周囲にいる兵士はいっせいに彼に止血帯を取り付けたのだろう、まさしく飛び掛るように。 

 もちろん米軍もただ手をこまねいて見ているだけではなかった。主な歩兵の足となっている汎用の装甲車であるハンヴィーを装甲化するための装甲強化キットや、現地兵士による装甲の継ぎ足しという応急装甲改修で対処しようとするのであるが、もともとこのハンヴィーはそんな事を想定されて設計されていたわけではなかったので、元々バランスが良い方ではない、不正地を装輪で走るなと言われるかもしれないが横転をよくする、といわれる車両バランスのさらなる悪化、総重量の超過を引き起こしてしまう。こんな状態にするためにわざわざ厳しい空輸の補給品に装甲強化キットを加えたわけではない、と色々な部署、一部除く、から悲鳴が聞こえそうであるが、結局改修されたハンヴィーは横転事故が多発、装甲化された扉があまりにも重過ぎて、開けられず事故で負傷した兵士が脱出不可能になるほどであった。これは自損事故の状況であって、もし攻撃時の被弾によって引き起こされたりすると、致命的な事態に陥る危険性すらあったのだ。そしてこの装甲ハンヴィーは敵の攻撃の的にされてしまう。しかも車内からの脱出が困難で戦死者続出であった。

 この事態を重く見た、いやもっと前に見といてよ、海兵隊は対地雷、待ち伏せ防護車をハンヴィーの変わりに配備することを決定する。これこそがMine Resistant Ambush Protected MRAPである。同時に陸軍もMedium Mine Protected Vehicle MMPV 対地雷中型車両の導入を決定する。ただしほとんどその中身は同じものである。同じなら同じ調達先から調達すればよかったのだが、戦局がそれを許すことも無かった。それまでIEDで攻撃を受けたときの人的被害の発生率は装甲ハンヴィーで22、エイブラムスですら15%であったのが、MRAPで8%と低下することになる。


 まさしく米軍にとって救世主であると考えられたこれら車両であるが、この計画にも欠点は有った。それが戦時に緊急で調達したことによるものなのだが、はっきり言ってこの車両、前線からの急げ急げの声に調達をものすごく急いだことにより、メーカー、車種、バリエーション、が乱立してしまったのだ。何が問題かと言うと調達の複雑化は維持費の爆増、兵站線の圧迫、整備の複雑化などを引き起こす事になってしまう。このMRAPには3種類のカテゴリーと、加えてそれら3種類のカテゴリーを統合した車種が存在する。これが何を引き起こしたか? 陸軍25のバリエーションの25車種、6メーカー、海兵隊13バリエーション、7車種、5メーカー、これらには個々の整備手順と、整備用部品がある。つまり当然だがA社のAという製品にはB社のBという部品は使うことが出来ない。これがどれほど兵站を圧迫したのかは、そのうち戦場で結果がわかる。その結果が2009年には前線の約半数のMRAPが稼動不可能に陥るほどであった。米軍の圧倒的な兵站でもこれを維持することは出来なくなっていたのだ。


 で、結局この軍にとっての厄介者に成り下がってしまったMRAP達は、現地で扶養不能との烙印を押された子達は国内に戻せる分は戻すのだが、国内でもあまり行き先がないので結局警察や警察の特殊部隊に装甲車として払い下げられたりする。警察官が抵抗の少ない黒人を相次いで射殺した事件でデモ隊に対抗して前面に出てきたのがこの子達である。もちろん国内に戻れない子達は現地で解体し、たかったのだが丈夫過ぎて解体不可だった。結局現地治安機関に無理矢理提供したのだが、ISISとの戦闘によって奪取され、最終的に米軍に空爆で撃破された子達もいる。


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