第一章 転移 教授Side その2
会話中心でややこしい話をしています。読みにくいと思います。 申し訳ありません。m(__)m
ーーーー教授Side 5/25
「リチャード、GEO600のデータ届いたぞ」
研究所の素粒子物理学者チャールズ・モーガン教授が部屋に入ってくるなり言った。
「ようやく届いたか、重力波の振動はどうだった?」
「とりあえず、モニターに写したいんだが、このモニター借りていいか?」
デスクトップパソコンのマウスを操作しながらモーガンが聞いた。
「もう使ってるだろうに」
「ああ、すまんな。それよりだ」
無視してチャールズが捲し立てる。
「ここをみてくれ、そう、その時間だ。 有ったよ、これで重力子観測装置の証明に大きく一歩前進したんだ」
データが出ているモニターを指し示しながらモーガン教授が喜ぶ。
それを見て溜息をつきながら教授は、
「チャールズ、人、1人犠牲にしたかもしれないんだぞ」
「ああ、そうだったな。すまん。そっちはどうだったんだ? と言うか、そっちは誰だだったっけか?」
もうしわけなさそうにしながらチャールズが教授にむかって謝罪し、向かいに座っている男に聞いた。
「FBIのホーファーです、この件の担当です。よろしくお願いします」
「ああ、なるほど。取り調べの時にいてたな、そう言えば」
「はい、それで、もし良ければ何があったのか、教えていただけませんか?」
「ああ、一様自己紹介から、素粒子物理学者チャールズ・モーガンだ。実験装置に付随して、とある観測、えーっと、実験室の後ろ側に重力子の観測装置があるんだが、それを監督している」
ホーファーが頷いて続きを促す。
「OK、そしてここからが本題なんだが、重力子ってのは素粒子の一種で、まだ観測されていなかったんだ」
「ほう、つまり重力子の観測に成功したと言うことですか?」
無表情にホーファーが聞き返す。
「まあ、そうなる、が、話はここからなんだ観測したものが重力子であると証明しなくてはならない、だいたい重力場の量子論もまだ完全に、というかほとんど未完成なんだよ ここからの証明ってのはまさしく一大事業さ」
一気に言って大きく息をする。
「問題はまだあるんだよ。この観測装置は精度がゆるゆるなんだよ、絞まってないけつのあ、いや失礼」
自分で言って気まずくなったのかごまかすように続ける。
「まあ、 なんだ、逆にそうであるから自分で作った観測装置ですらこれほどの反応が出た、と言うのに少々怖さも感じているんだがね」と、補足した。
「なるほど、最初に話に出てきたGEO600と言うのはなんですか?」
やはり無表情にホーファーが聞く
「ああ、GEO600は欧州、ドイツ・ハノバーにある重力波望遠鏡、まあ観測装置だよ、重力波自体を観測している。原理は簡単だ、直行させた真空状態のパイプのなかに、同時にレーザー光を照射し通過させるんだ、普通は帰ってくるのが同時になるんだが重力波が存在しているときは空間が歪み打ち消し合うわなくなるこれがいわゆる、干渉計だよ」
と捲し立てる。
「合衆国にはないものなんですか?」
「いや、あるよ。LIGOと言われている。さっきの奴は600メートルのパイプを使って観測しているが、こいつは4キロのパイプを使っているんだ。でだ、この干渉計が西部と東部の2機あるんだが、一方は改修中、もう一方は観測期間外で動かしてなかったのさ。というのもこの干渉計、非常に繊細なんだ、だから夜間に基本的に観測してるんだよ」
とさらに説明する。
「でだ、最初の問題にもどる、なぜ重力波が観測されたのかと言う問にね。 我々が研究している、主にリチャードが、だが、装置は重力を擬似的に発生させる」
「重力子を利用してね。」
横からリチャード教授が口を挟む
「そう重力子を空間にばら蒔き、そのばら蒔かれた空間を歪ますんだ、そしてその反動を利用して推進力を得ようって物だよ。」
とチャールズ教授が言うと、それに続けてリチャード教授も
「まあ推進力云々は出てきた空間の歪みに対して、有用性は何があるかと考えて、さらには予算獲得に都合のいい装置、と考えたら推進器がヒットした、だけだがね」と言った。
「まあそこら辺は俺より彼のほうが詳しいから、聞くのは彼に聞いてくれ、で話を戻すぞ。これが観測されたとき時、重力子が発生した。なおかつ超大量にだ。普通、こんな多量の重力子が発生するとその場にいる人間も、また空間も持たないんだ、全ての物は重力が無限大に増加して潰れる、だがここでその予算稼ぎの推進装置が役に立った、全力でその重力子を吸収したんだ、まあ少々外に漏れて空間や人体に影響をもたらしたけれどね」
「でここからが本題だ、この推進装置、いや吸い新装置とでも言うか? が空間に孔を開けてしまった。わかってる、人一人吸い込まれたって言うんだろ、そう睨むな」
おどけながらもさらに続ける。
「この孔は何かってとだ。答えは、ワームホールだ」
「ワームホール?」
ホーファーが聞いた。
「そうワームホールだよ。ありていに言えば、ワープホールと言ったほうが理解はしやすいかな? いやいや、そう胡散臭そうにみなくていいよ、私も信じれないんだから。 基本、このワームホール、できたとしても一瞬で消滅する。 しかし監視カメラの映像から、約40秒ほど維持し続けていた。 次、解明するのはこの謎になる」
無表情に戻って
「糸口はあるのですか?」と言った
「ある、このワームホールはこれを維持するのにエキゾチック物質といわれる物が必要なんだ。その、エキゾチック物質探しが次の課題になるが、これは反物質、あるいはダークマター、と考えられている」
「勝算がありますか?」難しい顔をしながら聞いた。
「一方はそれほど難しくないが、ダークマターはどうしようもないな。で、その反物質のほうだが、それはリチャードがデータの取り寄せを頼んでる」
「何処にですか?」
「日本にだ。スーパーカミオカンデと言うものがあって、素粒子、正確には素粒子の中のニュートリノ、中性微子を観測している。さらにここ最近は、反ニュートリノの観測も行っている。これを利用する。彼らは、人工的にニュートリノを作って観測装置に向けて照射している。これで反物質の一種である反ニュートリノの有無が解るし、観測装置的に入ってきたおおよその方向がわかる。そろそろ到着してるんだろ?」
「ああ、で、これがそのデーターだ。」
ウィンドーを変えながらリチャード教授が指し示す。
「確かにこの時間、大量といっていいほどの反ニュートリノが観測されている」
「ふうん、あると言うことはエキゾチック物質は、反物質が入っているってことで決まりかな?」
チャールズが考えながら返した。
「再現実験は早々簡単にはできないからな。これ以上は現状ではデータ解析不足だな。しかし、まだ手はあるから、これからも解析を進めていくよ」
リチャードはホーファーに言う。
「このチームなら解明できる、と信じております。」
と返しホーファーは席をたった。
「では、失礼します。長居してしまって申し訳ない」
リチャードか切り返して
「いやいや、大丈夫だよ。問題点の整理にはなったからね」
と言った。
ホーファーが出ていったあとも二人の教授は議論を戦わせているのだった。
ここにかいてあることは大抵大嘘です。真に受けないでください。
5月10日不自然にモーガン・チャールズだった名前をチャールズ・モーガンに修正。また不自然な言い回し、句読点を大分修正。もうない、とは言っていないので悪しからず。