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太陽系興亡史  作者: 双頭龍
第3章目的のためには教育だ
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第18話

 ようやく休みが取れました。今年最後の休みです。朝起きて歯医者に行って、以前投稿していた10月事件を大幅に加筆して誤字脱字を修正してこっちに投稿しました(いやー、だってあんまり誰も見てくれないんだもん本編に吸収だ~)、昼前に特売の一本89円の三ツ矢サイダー1.5Lを箱で買うために近所のスーパーに買い物に行って、昼飯を食ってちょっとゲームして、買ったはいいけど読む暇なかった軍靴○バルツァー9巻読んで、気になって一巻から読み直して、これはいけないと思い文章を書いて、きりのいいところで投稿です。よくよく考えたんですが軍歌のバル○ァーってシュレースヴィヒ・ホルシュタイン戦争でてね? そのうちヴィンラン○・サガと漫画で読むデンマーク史と欧州との係わり合いでも書いてみようかななんて思っていますが、時間ください誰か。

 書きたいものは色々とあるんですが書く時間が無いんですよね~困ったことに。江戸時代物とか書きたくてプロットとかもあるんですが……。大まかなプロットだけで魔法+科学、VRのFPSっぽいMMO(VRの世界に行ってしまう)これらがこの太陽系興亡史の世界観です、どうつなげるのかは内緒です、でも10月事件を読むと分かるかも(おい!)、で江戸時代の話は完全に別物。え、そんなことしてるから時間が無いんだろうって、いや~かもしれませんね。


 さて、では皆さんよいお年を~^^

 

 オントス寮長に火薬生産実験の許可を貰いに来た。


 基本的に大半の実験、鍛冶や木工の試作はオントス寮長の許可が必要になっている。


 もちろんどっかの誰かさんたちの無茶な実験のおかげ、というか所為せいである。


 「と、言うわけで許可を貰いに来ました」

 ここに来た理由を説明して申請のための紙をオントス寮長に手渡す。

 

 「うむ、理由は了承した。が、何故カウルやエレミヤでなく、シュラク、お前が俺の前に来る?」

 答えは簡単、カウルさんに押し付けられたからです。と、いってしまうと僕まで怒られそうなんだよな、この流れ的に。なにか良い言い訳を考えないと。

 

 「色々と調べると自分の知識が深まる為でしょうか。きっかけはカウルさんに調べてみたらどうだと言われたからですが、結局は自分の好奇心に抗えなかったというか、なんというか、なんかそんな感じです」

 おっとオントス寮長の目力の所為でちょっと答えが明瞭じゃないが、まあいいか。

 

 「ほほー、つまり別にカウルに押し付けられたのが動機の全てではないんだな。うむ、それなら別にかまわないが、返事はもう少し明瞭に行った方がいい」


 書類を精査し、許可のためにサインをしながらオントス寮長は興味深い話をしてくれた。

 「シュラクは、どうしてエレミヤやその他の化学実験棟まで建てた連中がこれほどまでに化学に入れ込むか知っているか」

 

 「いえ、聞いたこと無いです」

  

 「なんだ知らないのか。まああまり他言しないようにな、奴らの熱意だけ(・・)は俺も買っている、あくまで熱意だけ(・・)だがな。まったく熱意だけで周りにもう少し配慮してくれればここまで文句は言わないんだが、まあそれはいい。ある奴、といってもエレミヤのことだが、は化学を使ってもっと飯を美味くしたいんだと言っていた。最初聞いたときは一切意味がわからなかったが、最近自分も勉強してようやくわかった。実験申請書類を良く見てみると化学を用いて色々な調味料を自分で作りたいのだろう。火薬すら化学的に作れるのだから、塩も作れるだろうし、砂糖も作れるだろう、その他の調味料もだ。別の奴は宇宙を飛びたいのだそうだ。これも最初に聞いたときは理解不可能だったが、ようやく判ってきた。こいつは火薬を使って宇宙に行くのが目的で、そのために火薬を、それが起こす爆発を調べてるのだそうだ。半分以上爆発させるのはこのアホの所為でもあるが、ラアリの町からも苦情が来るもんだから、その対応にも苦慮する。よし、出来たぞ。後はこれを校長のところにもって行け。この時間なら校長室にいるだろう」

 調味料を作るか、なるほどエレミヤさんらしいよ。さすが食堂で働いているだけあるな。それにしても火薬の生産の実験をしていたのではなくて、爆発の実験をしていたのか、実は。そりゃあドカバカ爆発するはずだよな。


 書類を受け取り署名を確認にして校長の許可を取りに校長室に向かう。

 

 「で、何で報告しに来るのがカウルじゃないのか聞いてもいいか? 確かにいい考えが有るって言われた気はするが」

 校長が入ってきて書類を出して調査結果の途中報告をし始めるとこういわれた。あはは、やっぱり校長からカウルさんに頼んだ案件だったんじゃないか。先に報告してカウルさんを注意して貰おう。

 

 「ええ、というわけで聞いてきたのです。続けてもいいですか?」

 

 「あ、ああ。いいけど」

 

 「途中報告になりますけど、続けます。サエルさんは外部の鍛冶工房に生産可能な部品を頼むことで数を揃えようとしています」


 「ふーん、外注する、か。確かにそれならば比較的早く数はそろうだろうし、鉄を使わなくてもいい、つまり青銅で置き換え可能な部分なら、手間は省けるか、考えたな。鉄を扱える鍛冶工房もまだ少ないのが実情だしな。火器のほうは理解したが、弾薬はどうだ」

 校長は机の上の紙に書き留めていく。


 「弾も外注するとの事でしたが、問題は火薬だとの事です。申請書類にもあるように生産実験をして決めたいとのことだと思います」

 

 「うん、ニトロセルロースか。早期にそれも大量に生産するのならば黒色火薬も悪いことは無いと思うが、その点はどうする気なんだ」

 

 「おそらく有煙火薬の燃焼時の煙を気にしているのだと思います」

 

 「ああ、まあ理解はするが大量に生産できなければ、結局は黒色火薬になるんだろうが。今までの話を聞いているとやはり問題は火薬の生産ということになるか、ふむ。さてどうしようか」

 

 「解決策があるんですか?」

 

 「そりゃな、あることはあるが、何だ、聞きたいのか」

 

 「ぜひ」

 

 「まあ、いいか。こぼれ話から入るか。実はニトロセルロースを発見した奴は、最初妻に実験を禁止されている家の台所で妻に隠れて実験していたんだがな、硫酸と硝酸をこぼしてしまうんだよ、しかも妻のエプロンでそれをふいて、証拠を隠滅するためにストーブで乾かした。すると盛大に燃え上がり、その結果、綿をニトロセルロースにすることを発見するんだよ」


 な、なんとも情けない結果の産物だったようだ。


 「だからといってニトロセルロースの価値が下がることも無いがね。結構新しい化合物の発見には失敗からつながることが多いのも事実だよ。で話をもどしてニトロセルロースは生産が、正確に言うと不安定な物を決して作らないことが難しい。とはいえ強力かつ有用なことは言うまでも無い。発射薬としてはニトロセルロースに安定剤として炭酸水素ナトリウムや酸化マグネシウム等を混ぜると完成だ。まあそのほかにも混ぜたほうがいいものは有るんだが、あまり色々入れても、な」

 

 「他に容易に作れる物で加えるとしたら何があるんですか」


 「そうだなあ緩燃剤として、ああ緩燃剤ってのは圧力の急上昇を防ぐ働きをする、ニトロトルエンとか、銃口から出る炎の抑制を目的とする消炎剤として硫酸カリウムか硝酸カリウムとかが考えられるが、ここら辺は何度か試してみいないことには何ともいえんな、カリウム系等は入れすぎると煙が発生し始めるからな。現状の問題点としてニトロセルロースを作る時の処理を徹底しなければいけないという問題が一つ。添加物の割合と生産の問題が一つ。そもそもその原料である硝酸、あるいはその根本である窒素、正確にはアンモニアの生産をいかにするかという問題が一つ。そんなところか」


 ふむふむこの3点が火薬生産の目下の課題か、ところでアンモニアの生産ってどうするんだろうか?


 「なるほど、ところでアンモニアの生産ってどうするんですか?」


 「うん? あれ授業で説明しなかったっけか、まあいい。空中窒素固定法、アンモニア高圧合成法は発見した人間の名前からハーバー・ボッシュ法とも言われる。まあ化学いや科学を志すものに知っておいてほしい話なんだが、一つこぼれ話をしたい。ドイツ、地図で言うとここら辺だ、のハーバーは第一次世界大戦で自分の持てる能力を自国の勝利のため兵器の開発に注ぎ込むんだ。彼が発明したのが毒ガスだ。彼の妻は同じく優秀な化学者だったんだが夫の化学兵器開発に猛烈に反対する。あなたは才能の使い方を間違えている、とね。しかし彼は自分のしていることが祖国の勝利につながると強く信じていた。西部戦線での毒ガス戦の技術面での指揮を取り、その成功を祝う宴で彼女は抗議のために自分の頭を夫の拳銃で撃って自殺する。その後も毒ガスを研究していたが、第一次世界大戦はドイツの敗北に終わる。その後は一時戦争犯罪人として訴追される危険性からスイス、ここら辺の山に囲まれた国だ、結構他国から逃げてくる人間が多いんだ、に逃げるものの、訴追の危険性が無かったことからドイツに帰国。戦後賠償にあえぐドイツで科学界を再度立て直そうとする。俺の国からも個人が資金を援助してるぐらいだ、その資金援助した個人の製薬会社はまだあったはずだし薬科大学も創立100年の記念にドイツ大使がこの時の資金援助のお礼に挨拶しに行っていたほどだからな。まあ有名なSF作家の父親でもある(ショートショートで有名です。ショートショートの神様とも言われていますが、彼自身は戦後彼の父親が死んだ後製薬会社を継ぎ、筆舌に尽くしがたい辛酸をなめまくり、東京オリンピックの外国人宿泊客増加に政府が対策として産業界に要請したとあるホテルの名前にもなっている人物に売却するまで苦労する。それの甲斐、というか所為もあってSF作家として世に出ることになるのではありますが……。ついでにハーバーの叔父は維新後函館領事として日本に赴任、幕末の狂気に当てられたアホに刺殺されます。日本が外国と和親条約を結んで以来、衰退に向かっていることに義憤を抱き、我が国のために1人の外国人でも殺害したいとの思いで外国人を殺害、供述調書には「方今外国人猖獗廃帝論ヲ企ル間、犯人の名前夫レ之レヲ速ニ刺セヨ」原文約「外国人が日本で悪事をし、天皇を廃そうと策している。お前ちょっと殺しにいって来い」と夢枕に天照大神が立ったのだと供述、ただのアホの犯行とわかり政治テロではないことが判ったものの裁判中に領事館は犯人の引渡しを求めてくるわ、イギリス軍艦が引渡しの圧力のために艦隊を組んで函館に入港してくるわ、すわ戦争かと驚起したそうです、もっとも一月後には各国領事立会いの元死刑執行し終結する。ハーバーは日本滞在中に叔父の50年追悼行事にも参加している)しかし運命はまたもや彼に試練を与える。ドイツが戦後の苦しみの中で狂い始めたんだ、国家社会主義ドイツ労働者党、所謂ナチスが政権を掌握する。彼らは国民を扇動し始めた、今我々が苦しんでいるのはすべて他国の奴らの所為だ、悪いのは俺たちではない、俺たちは負けていなかったんだ、俺たちが生きるためには他国の人間の事なんか知ったこっちゃ無いってね。彼はユダヤ人だったんだがナチスはユダヤ人をあらゆる虚構を使って、既に宗教的迫害を受け続けてきた彼らを虐殺、いや絶滅させようと試みる。絶滅収容所の始まりでだった。そこでユダヤ人を殺す武器として使われたのがハーバーの開発した毒ガスだった。皮肉な話だよ、彼は絶滅収容所が完成する前に死んだんだが、もし自分の開発した毒ガスが戦争に敗れたドイツの絶滅収容所から発見されたら、おそらくそれの衝撃で自ら死を選んだろうね。彼は晩年毒ガスを開発したことを悔やんでもいたからね。まあこの話の教訓は科学が何を成すかという倫理論でもあるんだ。ついでにアンモニア合成法は水素と窒素を高温高圧下で触媒を用いて合成する。近代的化学工業ともいえるこの方法を使えば水と石炭と空気とからパンを作る方法とも言われる成果を上げることが出来る。もちろんアンモニアも原料に過ぎない。更にこれにオストワルト法、高温下でのアンモニアの二重酸化による硝酸の精製、をすると硝酸が出来上がる。工業的に作ると楽っちゃ楽なんだが、装置を作る基礎工業力と科学力が必要だからな。(アンモニア合成法は国際的な競争に勝つために化学工業を振興せしめる必要性があるという観点から,国策としてのハーバー法によるアンモニア合成、並びにオストワルト法による硝酸合成技術の開発を目的として1918年、臨時窒素研究所を設立、のちに東京工業試験所に吸収合併される、産官学軍一丸となってともに東京工業試験所法といわれるアンモニア合成法を約10年の歳月で開発し装置もまた日立や石川島造船、神戸製鉄などが国産化するにいたるのである。なお東京工業試験所は独立行政法人産業技術総合研究所に吸収発展合併されている。)」 


 「つまり工業的に作ったほうが生物工学的に作るより楽なんですか?」


 「ああエルザの作った微生物研究所のはなしか、まあ工業のほうが多用途かつ大規模に使えることが利点では有るが、規模がでかくなるという欠点やその他の欠点も少なくない」


 馬鹿が過酸化アセトンを製作しようとして捕まりましたが、何度も言うように作ると危険です、下手な処理工程で作ると起爆しやすく物理的にも、また捕まる可能性から社会的にもです。絶対好奇心とかで作らないように。一応書いておきますが作者は作った際の不利益の責任を持てませんのであしからず。本当は三章第三話のあとがきにも加えようと思ったのですが、あっちはテロの犠牲者にも哀悼の意を表明していることからこっちに乗っけました。

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