第7話
少し短めです。本格的な授業開始までに少し話を挟んでみました。この後の数学の授業は飛ばすかもしれません、難しいんですよね授業。大体学校回なのか、授業回なのかって自分で書いた物に突っ込みをいれてます。半分心が折れかけです。
いやー、帰ってきたらもうVRの初回予約が終わっていましたよ。まあ、開始すぐに予約しても無理だったみたいですね。まあおとなしくBF1かCIV6でもしておきますかね。E3のムービを見るに楽しそうですよね。
次の日の朝、起きて朝食に行こうとするもカウルさんが起きてこない。さすがに先に一人でいくのも気が引けるので起こしにかかる。
「起きてください、カウルさん、朝ですよ」
「うぐ、あとすこし、あとすこしだけ」
何言ってるんだ、この人。本当にこの人が人食いの異名を持つ人なのか? 噂はやっぱり当てにならないな。
きっかり13分後に起きてきたカウルさんと一緒に少し遅めの朝食を食堂に食べに行く。時計は偉大かもしれない。
「あはは、やっぱり朝はきついなぁ」
笑いながらごまかしているカウルさんに疑問を叩きつける。
「100人隊の隊長の時はどうしていたんですか?」
朝食のパンを口に詰め込みながら答えてくれた。
「ひょりゃ、ふくきゃんにおこしてもりゃったにきまっちぇるじゃにゃいか(そりゃあ、副官に起こしてもらったに決まってるじゃないか)」
口にパンを詰め込んでるもんだからよく聞き取れなかったが、たぶんこんな感じだろう。副官の仕事ではないと思うのだが。ついでに今日の朝食はパンとチーズ、肉と豆のスープと結構ボリュームがある。
「さて食べ終わったらさっさと教室に行こうか」
おかしい僕の方が先に食べ始めたはずなのに、カウルさんが先に食べ終わってる。
「なんでそんなに食べるのが早いんですか?」
「簡単、軍隊生活が長いから」
笑いながらカウルさんが答えてくれる。
数分間僕が最後のスープを食べるのを待ってくれて、僕達は校舎の方に移動する。
1限目は寮の棟ごとの授業であった。僕達2号棟の生徒は第2教室に入る。生徒の数は53人いるので結構座席に空きがない。座席は自由らしい。空いている席に座るやいなや先生が入ってくる。
「はい、おはようございます。空いている席に座ってください。改めまして、入学式での挨拶以来ですね、名前を忘れた人もいるかもしれませんので、私の名前はブラムです。軍学、工学を教えることになると思います。この時間の授業はまず入ってきた生徒達のこれからの事を説明する時間とします」
ブラム先生って言えば異星人の? 知っているものは皆ざわざわしている。
「どうしましたか? なにか質問があればお聞きしますが」
笑いながらブラム先生が聞いてくる。ざわざわしている理由を理解しているようだ、たぶん。
「えーっと、皆がどんな噂を知っているのかは知りませんが、まあ異星人と言うぐらいは当たっていると思います。さて続けても良いですか? 続けますよ。これから支給される服の大きさを決めるため、身長や体型を測定します。これから計っていきます、そのための手本を見せますので誰か一人私の前に来てください。えっとそこの最前列のあなた、こちらへ」
懐から紐を取りだし前列に座っていた指定された生徒の胸回りや、足の長さ、腕回り等を計測していった。
「このように2人1組で私がしたように計って、前の板に大きさに対応した服のサイズ表を書いていくので大きさに少し余裕をもって決定してください。特に年齢の低い生徒は十分注意してくださいね。出来上がりは来週になる予定ですが、作業服と戦闘服の各2着づつ、あとは全員に戦闘用背嚢等、結構質は良いものですよ」
紐の計りが10組回され、ペアごとに測定していく。先生はその間前の板にサイズに対応した服のサイズ番号を書いていく。白い板に先生の手に持っている何かから黒い線が引かれていく。不思議なものだ、黒色の顔料でも使っているのだろうか? 消すときはどうするのだろうか? 疑問だらけである。そのうち僕達の所にも紐がやって来て、紐で計り始める。その平べったい紐には細かく数字が書いてあり、紐を円にして計ると大きさがわかるようだ。何度も驚いてきたからもう驚かないぞ、僕は。僕達もさっさと先生がしたのと同じように計っていく。計り終わったのでその紐を次に回す。そして全員ほどなくして計り終えたようだ。紐を最終的に持っている生徒達が先生にそれを返していく。
「では次に筆記用具、筆記用具入れとノート、今から渡すものをいれる鞄、教科書となるべきものを配りたいのですが、さすがに荷物が多いので職員室に置いてきました。それで運ぶのを手伝っていただきたいのですが前列に座っている方、職員室まで一緒に来てください」
先生と前列に座っている生徒は教室から出ていった。
教室に帰ってきた生徒と先生は結構な荷物を抱えそれを床においていく。
「その箱だけは机の上に、はい、ありがとう。どうぞ席についてください。では今から配っていきたいと思います。まずは筆記用具の入った筆記用具入れから。1つ自分の分を取って、残りを後ろの人に回してください」
先生が前列の生徒にその列の人数を数えながら渡していく。
「次は、ノートと鞄です。同じように回してください。筆記用具の使い方は教えますのであまりいじくらないように」
そしてノートと小さく折り畳まれた鞄が配られてくる。
ノートとは紙が沢山折り重ねられた物らしい。これだけでも高価なものだろうに、やっぱり異星人の技術なんだな。もう驚くというよりあきれてしまう。人間驚きすぎると呆れてくるらしい。
「最後です。教科書となるものですが、取り扱いには十分注意してください。基本的な取り扱いはそれが説明しますが、絶対に落とさないでください」
と言うと、先生は木箱のようなものから革に包まれたノートより少し分厚めの長方形の教科書になる物を配り始めた。一体これは何なのだろうか?
「はい、これら今配ったものが着ていない生徒はいませんね? いたら手を挙げてください。さてまずは筆記用具から中身の確認をお願いします。まず木でできた棒ですが、それが紙に線や字を書くための道具、シャープペンなる物です。まずは上の鞘を開いて芯が入っていることを確認の上、ノートにどこでもいいですので自分の名前を書いておいてください」
驚き、ざわつきながら、皆シャープペンを取りだして自分のノートに名前を書いていっている。シャーペンの芯は太く字が書きやすい。粘土板と棒で書いていたのがバカらしくなるほどのできである。
「次にそのかいた線や文字を消すための道具、消しゴムですが、その白い物です。そして最後に替えの芯です、折れないように、また折らないように木の入れ物に入っています」
書いた物を消せるだって、おお、消える、疑っていたわけではないけれど、本当に消えたよ。
「さて、皆さん名前はかけましたか? それでは教科書の使い方を教えます。まずはその革の覆いを開いて真っ黒な面、画面を表にしてください。出来ましたか? 出来ましたね。次にその画面の上面にある小さな出っ張りを画面が光るまで押してください。光ったらそれから手を離しくださいね。さあ、始めてください」
まずは革を開いてと、おお、真っ黒な面が革の裏に隠れていた。次に画面の上面にある出っ張りを押そう。一瞬その出っ張りを押していると真っ黒だった画面が青く光始めた。
「はい、驚いてないで説明を開始しますので、そのまま画面を見ておいてください」
説明? 画面を見てるの? え? さっきと画面が違う。おお何か説明が始まったぞ。画面の中が変わるのか!! 皆、驚いている。もっとも驚き疲れているともいうけど。
画面に文字が躍り操作を教えてくれる。親切なんだけど、親切なんだけど、なんというか、やっぱり技術が隔絶しているなー。
何々? 次に進むときはここを指でなぞってくださいだって? どうなるんだろう? なぞると画面がさらに変わった。何度か画面が代わり、大体の操作を覚えた頃、次の指示が飛んでくる。
「大抵の操作は理解できましたか? この教科書は授業で使用するだけでなく、他にも多くの事に使えます。使えますが、それはおいおい理解してください。ではこれからの予定とこの授業の目的、予習方法、復習方法等を話していきたいと思います。さて授業は基本的に棟ごとのクラス、生徒一人一人の自分の専門に合った小クラスに別れます。まずこのクラス分けでは共通授業として数学と言語、軍学になります、さらにこれに自分の選んだ専門授業として化学、物理、工学、天文学、農学に別れます。この授業のクラス分けは寮の机に置いてあった小冊子に書いてあったと思いますが、把握していますか? もし覚えていないものは再度読んでおいてくださいね、その他にも生徒全員で受ける授業として基礎訓練、行軍訓練、戦闘訓練等の軍事教練もあります。この際には作業服、戦闘服着用の事と事前通知が掲示板にあると思うのでよく読んでおいてください。どのように勉強すればいいか? どのように生活すればいいか? 疑問は沢山あると思いますが教科書にすべて記録させておきましたので、時間のあるときにでも読んでおいてください。残りの時間は自己紹介をして行きましょう。さあ前列の貴方から、後ろに、はい、立ってください」
次は僕の番だ。何を話そうか。ここは無難にいこう。
「シュラクです、よろしくおねがいしゅます」
噛んじゃった。恥ずかしい。
全員が自己紹介し終わった所で授業の時間が残りわずかになってきた。
「さてこのクラスの次の授業は数学です。この教室なのでそのまま座っておいても、10分ほどの休憩宙にトイレ等の休憩をしても結構です。あと数分余っていますが、先に終わってしまいましょう。他にも授業中の所がありますので静かにしておいてください」
こうして記念すべき? はじめての授業は終わった。




