第4話
4月に入り少々多忙です。できる限る毎日投稿したいのですが、隔日投稿になるかもしれません、ご容赦のほどを。それにしても、読みにくい文章を書いてる自覚は有るのですが、なかなか直せないですね。どうしようかと自問する日々であります。まあ、国語の成績は良かった例はなかったですしね、句読点は結構注意されてましたが、今になって困るとは、何が将来役に立つかわからないものですね(笑)。笑ってる場合か!!
天体観測から数週間後、エルザが除塩を進めてる村から少し離れたところにに天文台の家屋が完成した。外見は煉瓦に漆喰というこの時代の普通の建物であるが、内部はだいぶ近代的な建物で、中に入れてもらったコールやネヘレスが驚いていた。
「物凄いですね、宇宙人というのは、建物内側の壁の材質がなにかさえわかりませんよ。安心できるのは、この建物の目的が理解できるということだけですね」
コールが回りを見渡し、壁を撫でながら言う。
「あ、ああ。そうだな。しかし、いきなり建物が完成しやがったな」
ネヘレスが頷きながらも、疑問を口にする。
「ちょっと急ごうと思ってね。小型の望遠鏡じゃ見れない物もあるしね。これで大型の望遠鏡を設置できるわ」
「おめでとう。で、何を観測するんだい?」
「それには興味がありますね。目的は天体の観察であることは聞きました。が、何を具体的にどうするのかを聞きたいところです。もし暦に関係する事ならば、是非お話を聞かせてもらいたいところですね」
コールが好奇心に目を輝かせながらエルザに迫る。
「とりあえずは、この星系のことかしらね。そうね、農業は季節に密接に関係するものね、教えてもいいのかしら、コウジ?」
「できれば答えじゃなくて、答えに行き着く道順を教えてあげてほしいが、ね。もちろん答え合わせも重要だけど」
「成る程、安易に答えにたどり着くな、と」
「堤を固めずして洪水に耐えることはない、だな。まあいいんじゃないか。きっちりと基礎から教えてもらえよ」
「ネヘレスも言うようになりましたね。どうですか、一緒に教えてもらいませんか。必ず役に立ちますよ」
強烈な反撃をくらい、ネヘレスが視線をそらす。
それから数ヵ月後、時折エルザの調査を手伝い、砂糖を生産し、農地の除塩を進め、メロンの作付から半年後、東側では春、小麦を作付け始めた。メロンは収穫を終え、農地を休ませてある。メロンの収穫は上々で、ウルクからの避難民の長達も収穫に安心して更に人員を送り込んでくれた。
「しかし、北側はメロンの収穫は東を基準としても6割か。この分じゃ、まだ除塩は完全じゃないな」
「西側は、何度洗い流してもしても塩が残るのを考えると、これでも北側はましな方だと思いますけど。ま、南は言わずもがなですがね」
コールが俺の独り言に反応する。
「やっぱり、石灰の入手を急がないとな。ところで、増員された人員の事なんけどね、どう使うか考えているかい?」
「はい。基本的には、東側の除塩作業の手伝いと南側の農地の埋め立てをさせたいと思います。煉瓦職人と建築家が応援の中に居てたので、南側の埋め立てを長達が進めろといってるのだと思いますよ」
「遂に乗り気になってくれたか、いい流れだ」
しかし、手伝うって口に出して伝えてくれればいいのに。
「実際、まだまだ問題は山積みだけどな。一番は用水路の整備と手入れだ。長いこと使ってなかったもんだから、側面が脆い、砂が入り込んで詰まってしまいやがる」
ネヘレスが茶々をいれつつも今ある問題を提起する。結構言葉にトゲがなくなってきた感じがする。
「石灰さえあれば水路の整備も手入れも捗るんだけど、干し煉瓦じゃ水路の底に敷き詰めれないしな」
干し煉瓦は水に弱い、当たり前だが。既に焼き煉瓦があるのでそれで水路を形成する手もあるが、焼き煉瓦を手に入れることが、住居を優先させるなら容易ではなく、実現性が低い。
「提案なのですが、溜め池を再形成するのはどうでしょうか。南東の方角に貯水地跡があるので再利用できると思います。町を北側に作るなら洪水対策にもなりますしね」
「煉瓦で思い出したんだけどよ、煉瓦職人が焼き煉瓦を焼くための木をどうしようかって呟いてやがったぜ」
確かに回りを見渡しても木はちらほらとしか生えてないしな。成形木炭でも作るか。燃料問題はこの時代の大きな問題である。石炭を入手する方が早かったりして、オイルシェエールも燃料にはなる。
「燃料か、考えはあるが一人で作るには限界がある、手伝いがいるな。子供でもできる作業ではあるが」
「それなら手は余るほどあるぜ。今は色々なところに出稼ぎに出してるからな」
「子供とはいえ貴重な労働力であることはかわりない、か。ついでだ、学校も並列するか。午前中は読み書きと計算を教えて、学校側で昼食を出す、午後から燃料の生産を手伝ってもらう」
実はこの時代、昼食を食べる習慣は一般的にはない。その代わり夕食が早いし、夕食の後に酒とツマミを数品食べてるけど、子供には関係のないことかもしれない、ツマミだけを食べる子もいるけど。
「いい考えだと思いますよ。とりあえず建物を作らないと行けませんね」
「別に青空教室でもいいが、燃料作るのに火を使うからな、雨の入らない軽い作業場が欲しいな」
「燃料作るのに火を使うのは、なんというかな」
「まあな。試してみないとハッキリとしたことは言えないが」
「じゃあ、何人ぐらい要るか聞くのはもう少し後でいいな」
「ああ、そうだな」
数日後城壁内の作業場でニムロデと形成木炭を作る実験をしている。子供に作れるかも実験中だ。
「大鋸屑なんか集めて何にするんですか、コウジ殿」
「ああ、木炭を作ろうとしている。木炭は、説明が難しいんだが木の主成分を熱で凝縮させて効率的に燃えるようにした物だ。本当は木で、楢とか樫の木を、直接窯で蒸し焼きにして作るんだがな。知っての通り、楢も、樫も値段が高いからな、輸送も大変だしな。だから値段も、輸送も手頃な大鋸屑の出番だ」
「な、成る程」
「理解できてないな、何がわからない?」
「そもそも、なんで木が燃えるのか分かりません」
まあ、そうなるか。どう説明するか? ついでだ、研究という物の面白さも教えれるように頑張るか。
「実は、木は空気がなければ燃えないんだ」
「え、空気がないと燃えないんですか」
「そうだよ、どうやって試せばいいと思う? 君の好きな謎なぞだ」
「難しいですね。でも前聞いたような気がします。対象実験? でしたっけ。空気を無くして、とありで実験するんでしたっけ、その他の要因は同じで」
「正解だ、完璧な答えだよ。空気を無くして実験すると燃えないんだよ。正確には酸素と言う元素、元素ってのは基本単位だよ、但し最小の物ではないからそのつもりで、が木の中にある炭素っていう元素と反応しているんだ。これを燃焼って言うんだよ」
成長したんだね、ニムロデきゅん。まあ、謎なぞで散々いじめぬいたとも言うが······。この燃焼に関する実験を実施したのは高校化学、物理でも習うボイルと、その助手でもあるフックだ、両名とも有名な法則を発見している。ボイルの法則、あるいはボイル・シャルルの法則と、フックの法則である。ボイル・シャルルの法則は大学入試ではPV=nRTでよく使われているし、フックの法則はF=kxで見たことがあるだろう。さらに燃焼に酸素が必要だといったことを証明するのは、ボイル・フックの発見からおよそ100年後のラボアジエの手による。ラボアジエも高校化学では有名な人である、そう質量保存の法則を発見した人の事である。まあ、実証は20世紀に入ってからでもある。宇宙物理学、素粒子物理学、核物理学の考えだとこの質量保存の法則は成り立たない。アメリカでは、反応の前後で元素の種類、総質量は変わらない、なんて教えてなかったりする。正確に書くなら化学反応前後においてそれに関与する元素ならびにその物質量は変化しないといったところであろうか。よく考えたらわかる話であるが、核反応の前後において元素の種類も物質量も観測可能なぐらい変化している。化学反応においても実は反応によってエネルギーが放出されたり吸収されたりして、質量が変わったりするのだ。大分話が逸れてしまったが、これもそのうち教えれるようになるのだろうか?
「で、だ。大鋸屑の中にある炭素を焼くことによって燃焼しやすくする。ついでに粉末のままでは扱いにくいからどうにかして固形物にしたいんだけど勝手になったような記憶があるんだ。だから実験してみる」
「成る程。それで、この青銅の容器に詰めるんですね」
丸い平べったい青銅製容器を手に取りニムロデが聞いてくる。
「ああ、詰めたら穴の空いてる方を上にして火に焼べる。どれくらいで完成かわからないから時間を計りながら試していってみよう」
こうして二人で形成木炭作りの実験を試行錯誤しながらしていった。途中シャムシ達も合流して燃焼の関する話をもう一度説明してあげないといけなかったけど。




