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太陽系興亡史  作者: 双頭龍
第2章 回り始める運命の歯車(旧第名 始動)
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第3話

 間に入れようか、とも思っていたのですが、農地の話の流れが悪くなる感じがしたので、それの後に投稿することにしました。話の流れは、文才のない私には難しい事で入れ換えることがあるかもしれません。

 話は少し遡る。

 エルザが観測所を設置したいと言ってから暫くして、調査を手伝ってほしいと誘いがあった。主に天体観測についての話だった。シャムシ達と一緒に夜、王宮で小型の望遠鏡を使って天体観測をしている。

 「そう、空間物理学専攻だったの」

 「ああ、一様だがこの太陽系の知識は少しは持ってるつもり、だよ」

 「そうね、それなりに役に立ったからね」

 「それなりか、ね。時代が違うからどうしようもないと思うんだけどね」

 「そうね、時間を一人で何も持たずに旅するのは心細いものね、私の身内にも長命種の人がいるけど孤独なもんだって言ってたわ。自分を知っている人がどんどん居なくなっていくって。孤独をまぎらわすために仕事に打ち込んで、それに巻き込まれている私達には迷惑なんだけどね。気持ちもわからなくわないわ」

 ワインを飲みながらエルザが同意する。身一つ、ではなかったけどね。

 「ふーん、そんな人もいるんだな。そう言えば、充電してほしいものがあるんだけどいいか?」

 「なに?」

 「二種類の演算機なんだけど、すでに充電が切れてしまってて動かないんだよ」

 「いいわよ。その代わり、といっちゃあなんだけど。ちょっと話、付き合いなさいよ。どうせ子供達は寝ちゃってるし」

 あれ? シャムシはさっきまで起きてたけど。あ、こいつ、面倒になって狸寝入りしていやがる。

 「それにしても、その翻訳機、凄いもんだな」

 「これ? 考えてることがダイレクトに伝わってるだけよ。それほどのもんじゃないわ、上手く伝えられなくて苦労する事もあるしね」

 「そうなのか?」

 「ええ、伝えたいと相手が思ってる事を、声が出ている時に同時に伝わってくるだけよ。伝える時はその逆。そのせいで、感度を上げすぎると余計な事も伝わるし、下げすぎると伝えきれないわ」

 「バランスか」

 「そうよ」

 このような他愛ない話を夜遅くまで続けた。終いには、エルザが完全に酔ってしまって、絡み酒になってきた。


「だからね、セヒィルトのおばさんに言ってやったのよ。そうしたら調査船に私物の持ち込み禁止何て規則職務要項に追加しやがったのよ。ひどいじゃないの。私の集めてた大事な大事なコレクションを宇宙に持っていっちゃダメって。折角布教も考えていたのに。芸術を理解できない年増のおばさんなんかもうしるかーってかんじよ。それであんなに宇宙船の中が空か空かになてったてわけ」

 「ああ、そうだな」だめだ、ただの酔っぱらいの会話だ。ついでに情報収集しようと思った俺がバカだった。

 「さっきからそうだな、とか、ああ、とかしか言わないじゃないの。酒が足りないじゃないのかしら」

 なんなんだ、この宇宙人。日本の年上の教授陣みたいに飲みニケーションさせてきやがる。おいグラスに酒つぐな。もう水腹ならぬ酒腹だって。く、空中から、俺の教えたもとの時代のリキュール、分子合成して注ぐなって、無駄に科学レベル高いな、おい。携帯型の分子合成機を翻訳機にリンクさせて味覚情報を俺の脳から読み取ったらしい。

 「ああー、これ美味しいわ。さっきのおつまみも美味しかったけど。やっぱり酒ね。なに? ラーメン? あー、美味しそうね、辛子ニンニク豚骨ラーメン。この味お酒に逢うわ、絶対。よーし倫理コード解除して、また合成しましょう」

 人の頭かってに覗いて、味覚を再現するなよ。酒と油とか、太るぞ。てか、考えも覗かなかったか。

 「あー、美味しー。病み付きになっちゃう」

 この後、朝日が登り始めるまで酒宴に付き合わされてしまったのであった。当然、起きたのは昼過ぎ。頭も痛く、二日酔いぎみであった。しかし、情報収集は、結構進んだ。彼女の持っている装置からシャムシ達に説明していく。翻訳機、他人に伝えたいと思う事、他人が伝えたいと思っている事を、脳から読み解き、相手の脳に伝える装置のようだ。声に乗っているように感じるように調整されているらしい、伝える内容の調整が難しいらしく、声に出したいと思っている事のみを翻訳するようになっているらしい、普段は。当然、悪用すれば考えも、心も、簡単に読み取れるらしい、昨日被害にあった人間談。次に、分子合成装置。SFに馴染みのある装置であるが、早く言えば3Dプリンター分子版、である。装置はインプラントされている人も要るらしいが、彼女は腕に着けている。この装置で宇宙船を修理すればいいと思って質問したら、エンジン部に特殊な素粒子を使用しているらしく、エンジンを修理するようになるには、莫大なエネルギーがいるそうだ。太陽の放射しているエネルギー量を軽く凌駕するらしい。彼女が所属する組織についても少し聞くことができた。連邦統合諜報部所属なのはすでに知っていたが、上司は、女性でセフィルトと言うらしい。彼女の調査船に乗り込んだ時に乱雑さ加減に嫌気がさして職務規則に私物の持ち込み禁止を加えた人らしい。事故で元々長命の種族だったらしいが更に長命になったとか。話の最初の方に出てきた孤独な女性の事だそうな。

 たまには飲みに誘って情報を収集しなければいけないかも、しかし考えていることを読み解かれる事もあるのか? しかしブラムはそれは行動規範に違反するとも言っていたしな。

 こうしてやるべき事が、また、1つ、増えた。

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