第6話:キスの嵐と面倒な展開
カーテンの隙間から漏れる太陽の光で、俺は目が覚めた。どうやら、あのまま朝まで寝ていたみたいだ。
昨日の薬の影響はなく、爽やかな目覚めだ。
ベッドから起き上がろうとした時、右腕にがっちりしがみついている人の存在に気付いた。
上布団に中にすっぽりと入っていたので誰かわからない。
どーせ母さんだろ!!くそっ!しかし、どうやって入って来たんだ?ル○ン三世でも入れないはずなのに…。何故だ?……まぁいいか。
俺は考えるのを諦め、母さんをベッドから出すために、上布団を剥いだ。
すると、そこにいたのは母さんではなく、薫先生だった。しかも、パンツしかはいてない。
スレンダーボディに比較的大きな山が2つ。それが俺の腕にしがみついている。昨日の薬の影響がなくても、男が野獣になるようなシチュエーションだ。
俺の頭の中の《天使》と〈悪魔〉が闘ってる。
《早く起こしてあげましょう。ここで何かしたら軽蔑されますよ…》
〈ハッーハッ!何言ってんだ!ここで襲わなきゃ男じゃないぜ!!〉
《そうですね!》
天使弱っ!もっと踏ん張れよ俺の天使!
〈天使もああ言ってるんだぞ!〉
《そうだよ〜!YOUやっちゃいなYO〜!!》
天使うざっ!俺の天使はこんなにもウザかったのか……ショックだ………
俺がそんなことを考えてると、薫先生が目を覚ました。
よかった〜。起きなかったら、天使と悪魔に負けてたぜ。
「おはよ。総次」
そう言うと、薫先生はいきなりキスしてきた。
裸の女性にキスされる……俺にとっては衝撃的なことで、理性が飛びそうになったが、なんとか堪えて唇を離した。
「かっ、かっ薫先生はなっなんでここにいるんですかっ?」
「薫!!」
「?」
「オレのことは薫って呼べ!」
「あっ、はい。で、なんで薫はここにいるの?」
「/////////」
自分で言わしとって照れるなよ!
「で、なんでここにいるんだ?」
「……オレが恋人の部屋にいたらおかしいか?」
「おかしくないけど……」
俺は、先生のセリフで赤くなる顔を隠すために俯いた。
「で、でもどうやって入ったんだ?」
「普通に窓から入ったぜ!」
「窓は普通じゃねぇよ!!」
くそ〜。窓かぁ…ドアのことしか考えてなかったなぁ……しかし、どうやって窓を強化するかな…
俺が窓とドアの関係について考えていると、薫先生の唇が俺の唇にあたった。
「薫先生!なっ何を……」
「薫って言え!!」
そう言って構わずキスをしてくる。
俺の理性は崩壊寸前だ。そして、《天使》と〈悪魔〉がまた俺に語りかけてくる。
《〈YOUやっちゃいなYO〜〉》
こいつらうぜぇYO!
しかし、俺の理性も限界だ。薫の体をキツく抱き締め、キスをかえした。
「……っう、…総次…」
唇を離した薫が、涙をためて上目使いで見てくる。
俺の理性完全ほうか〜い。YOUやっちゃいます!!
ガチャ
扉が開く音がした。
何故?ルパ○三世でも開けれないはずなのに………
「総くん!おっはよ〜!」
「総兄、おはよう!」
姉ちゃんと梨菜が勢いよく俺の部屋に入って来た。そして、俺と薫の姿を見て絶句している。
「これなに?総兄?」
梨菜が聞いてきた。怒っているのか唇が震えている。
俺が必死で言葉を探していると、薫の口が開いた。
「総次とオレは付き合っている。付き合っている人とキスしたり、抱き締め合ったりするのは当然だ!!」
「…キス……?私のお兄ちゃんに?」
梨菜は泣きそうな顔だった。途端にとてつもない罪悪感を感じた。
「……本当なの?付き合ってるって本当なの?」
梨菜の表情が俺の胸を締め付けるが、本当のことを言わねばならない。
「本当だよ。昨日から付き合い始めたんだ。」
そう言うと、梨菜は泣きそうになり、姉ちゃんは死人のような顔になった。薫は何故か勝ち誇ったような顔である。
すると、死んだような顔してた姉ちゃんがこっちに近付いてくる。
やばい、怒られる…と思い、目をつぶった瞬間、突然唇に柔らかい感触がした。
目をを開けると、そこには姉ちゃんの顔があった。
「なっ、なにしてるだよ!!」
薫は怒鳴っているが、俺は呆然としている。そして、姉ちゃんは唇を離すと、笑いながら言った。
「ふっふっふ。薫先生がするなら、私だってするわよ!当たり前でしょ!!」
どんな当たり前だよ!!
と、ツッコもうとした時また唇が塞がった。今度は梨菜だった。唇を離した梨菜もさっきまでの泣きそうな顔が嘘のように、自信満々の顔で言った。
「この二人の年増がキスするなら、わたしがキスするわよ!これが世の中の道理よ!」
どんな道理だよ!!何気に発言がちょっと黒いし……
そして、さっきまで俺にキスしてた3人はお互いを睨み合っている。
部屋の中は3人の殺気でいっぱいだ。
もしこの殺気が外に漏れたら、地球上の弱い生物は絶滅するであろう。
ミミズだってオケラだってアメンボだって、みんなみんな生きているんだ友達なんだ!…って何言ってんだ俺!そんなことより3人の仲を取り持たねば。
「なぁ、みんな俺のはな…
「総次はオレの恋人だ。お前らがキスするのはオレが許さん!!」
薫の言葉が俺の話を遮った。
あぁ…面倒な展開になってきたなぁ……
テスト期間なので小説書く暇があまりありません。それに、あんまり面白くできません。
全部テストのせいです!!!そういうことにしときます……
まだテストは続くので更新も遅めです。
恒例のキャラのプロフィールです。
倉田有希
主人公の母親。年齢不詳だが、見た目さ20代後半から30代前半くらい。165cmで体重は不明。長い栗色の髪で、日によって色々な髪型に変える。4人の子供の中で総次だけを可愛いがる。西間高校の校長である。
料理はかなり上手だが、朝飯は総次を起こしに行きたいという理由で、娘と交代で作っている。
好きな物は総次。嫌いなものは総次に近付く女。