第2話:ツンデレな登校
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朝食を食べ終わり、時計を見るともう家を出る時間だった。
ピンポーン
家のチャイムが鳴った。多分、俺の幼馴染だ。
急いで玄関へ行き、扉を開けた。
「なにやってんのよ!早く来なさいよ!!」
いきなり叫んだのは俺の幼馴染の岩城紗織だ。綺麗な顔立ちをしていて学校でも人気だ。ラブレターを3日に1回は貰うほどだ。ちなみに俺と紗織は高2である。
俺達は部活の朝練で早めに学校行かないといけない。
俺はサッカー部。紗織はテニス部だ。
「悪い、悪い。朝から色々面倒なことがあってな。別に先に行っててもよかったんだぞ」
「いいじゃない!一緒に行きたかったのよ!!文句あるの?」
顔を真っ赤にして言ってきた。
恥かしいなら言わなかったらよかったのに…これが俗に言うツンデレなのか?
なんてことを考えつつ学校に向かっていると、
「総く〜ん。待ってよ〜。お姉ちゃんを置いてくなんて酷いよ〜」
姉ちゃんが来た。
姉ちゃんは生徒会長だ。でも、朝は早く行く必要はない。
「なんで来たんだ?ゆっくり来たらよかったのに。」
「ムフフ。一緒に行きたいからよ。それに、総くんに悪い虫がついたら大変だしね。」
そうだ…コイツと母さんのせいで俺には彼女ができない……
姉ちゃんは俺の邪魔ばかりする。 そして、母さんは何故か知らないが俺の高校(西間高校)の校長である。しかも、俺が小学生の時も中学生の時も俺の学校の校長だった……
何故そんなことができるのかというと、親父がちょっとした権力者だからだ。家にいないことが多いが、母さんにベタ惚れで、母さんの言うことを何でも聞いてしまう。バカな親父だ……
学校の最高権力者である母さんは、好き放題に俺の邪魔をしてきた…中学の時には俺と付き合うことを禁止する校則を作ったほどだ。今はそこまでではないが、ハッキリ言って邪魔だ。
「大丈夫ですわよ、お義姉様。悪い虫は私がつけませんわよ。」
何故お嬢様キャラ?微妙に不自然だ。しかも、お義姉様って…
「あなたにお義姉様と言われる筋合いはないわ!この薄汚い泥棒猫!!」
昼ドラだーー!泥棒猫なんて本当に言うんだな…
「…私………泥棒猫…じゃ…ない…」
次は無口キャラかよ!キャラ変えずぎだろ!!キャラのお試し期間中か?!
「うるさい!あなたなんて役立たずのブタね!!」
まだ昼ドラしてたのね…しかも牡丹と○薇かよ!!
「そういえば、あなたは知ってるの?あなた達は本当は実の姉弟ってことをね!!」
知ってるだろ!!今まで16年間暮してきたんだぞ。しかも、お前まで昼ドラかよ!
「!!!!!!!!!!!!!!」
驚き過ぎだろ!!今までの16年間はなんだったんだよ!!俺の方が驚きてぇよ!
「……でも…でも…、私と総くんは心も体も愛し合ってた……そして私のお腹には子供までいるよ!!!」
「何言ってんだよ!他人が聞いたら変な誤解されるだろ!だいたい愛し合ってねぇよ!」
思わずツッコんでしまった。そして紗織の方を見ると、何故か笑っていた。
「くっくっく。残念ね…私と総次の間には4歳の子供がいるのよ!名前は真美!」
「子供なんていねぇよ!真美はお前の妹だろ!!」
紗織の妹の真美は俺によく懐いてくれてて可愛い子だ!しかし、断じて俺の子じゃない!!
「私のお腹の中の子は今年で10歳よ!!」
「大層な箱入り娘だな!てゆーか、今年で10歳って、それ梨菜のことだろ!!だいたい10年間もお腹に入れれねぇよ!!バカ!」
「バカだなんて……ヒドい……ぐすっ」
姉ちゃんはバカと言われて、だいぶ傷付いたみたいだ。ちょっと罪悪感…
「ねぇねぇ」
紗織が話かけてきた。
「なんだ?」
「私のキャラで何が一番よかった?」
やっぱりキャラ試してたのか…
「ツンデレかな?」
「べっ別に、あんたのために試してたんじゃないんだからねっ!」
早速、ツンデレキターーーー!って、何言ってんだ俺…
そんなことより姉ちゃんに何か言ってやらんとな。
「大丈夫か?姉ちゃん。ちょっと言い過ぎた」
「べっ別に謝ってもらう必要なんてないわよっ!」
こっちもツンデレキターーーー!って、また何言ってんだ俺…
「紗織!早く行くぞ!朝練に遅れる」
「なんで、あんたに命令されなきゃならないのよ!勝手にしなさいよ!!」
「そうか?じゃ先に行ってるぞ!」
「ま、待ちなさいよ!しょ、しょうがないから、一緒に行ったあげるわよっ!感謝しなさい」
萌えーーー!!ってこれじゃ学校行けねぇな……走るか。
俺は学校に向かって走り出した。
すると、二人とも走ってついて来た。
「「べっ、別にあんたのために走ってるんじゃないからっ!!」」
シンクロツンデレキターーーー!って言ってるうちに学校に着いた。意外と近かかったな……
「じゃ、俺はグラウンドに行くからな」
「「じゃあね。役立たずのブタ!!」」
シンクロ昼ドラキターーーー!って、お前らだいぶ仲いいな!
そして、俺はグランドに向かった。